■【オルタのこだま】

「障害者と健常者の隔たり」            七里 敬子

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山田麻衣さんの記事を読ませていただきました。
冷たいかもしれませんが、痴漢だった可能性はかなり高いかもしれません。
そういった手口があると聞いたことがあります。だとしたらそれは障害者と女性の両
方を愚弄するような行為であり、想像するだけで怒りを覚えます。

障害者と年寄りを同じようには考えられないかもしれませんが、子どもの時からずっ
と年寄りを見ていて、外出時のトイレが彼らにとって大問題なのだということは分
かっているつもりです。手伝ってもらうための道具を用意するよりも紙おむつを使う
のが普通ではないかと疑ってしまいます。と、つい痴漢であったかどうかを議論した
くなりますが、山田さんが問題にしたいのは、そういうことではなく、単に障害者と
健常者の隔たりでもなく、障害者を知っている健常者と知らない健常者の隔たり、障
害者と障害者を知らない健常者の遠い距離なのだと思います。そしてその距離を障害
者に伝えないことの罪。普段の生活の中では意識することのない、たくさんの問題が
確かに存在します。

ただ、障害者とひとくくりに考えることに少し抵抗を感じます。「手伝ってもらうこ
とが当然という態度」は、決して障害者一般の態度ではないと思います。そういう人
もいるだろうし、そうでない人もいる。それは障害者であろうと健常者であろうと同
じです。そもそも障害者とは誰なのかという問題もあります。
偉そうな感想を書いてしまいましたが、ではあなたはどうしたのかと問われれば、多
分逃げたに違いなく、できたとしても周囲の人に助けを求めて、自分ひとりで向き合
うことを避けたでしょう。そして、どのような態度を取っても、あれでよかったのか
どうかをずっと考えることになるのでしょうね。
                  (筆者は熊取文庫連絡協議会会員)

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