『遺伝子組み換え食品の真実』

■【本の推薦】『遺伝子組み換え食品の真実』         濱田 幸生

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 今、私は手元に「遺伝子組み換え食品の真実」(アンディ・リーズ 白井和宏
訳 白水社刊)という本を手にしています。このような見事な形にまとめられて、
国民の手に間に合ったことを感謝します。訳者の白井氏に敬意を表します。

 さて今私は、あえて「国民」と書きました。なぜなら、この本はただの消費者
でも農民でもなく、「TPPという災厄」に立ち向かおうとしている「国の民」
に向けて書かれた本だからです。

 TPPが今までわが国に来訪したいかなる外来の波と異なるのは、それがわが
国か営々として築き上げてきた「形」を根底から変えてしまう性質をもっている
からです。
 たとえばそれは、医療であり、医療保険であり、土木であり、あるいはわが農
と食です。これらは、国民生活のインフラとでもいうべき存在で、生活と健康の
安全保障とでも呼ぶべき分野でした。

 TPPという名のグローバリズムは、まさにこの日本の心臓をえぐりにやって
きます。
 食卓においては、今まで消費者が知らないうちに食卓に乗せていた遺伝子組み
換え食品が、公然と表示されることなく食卓に乗せられることでしょう。農業現
場においては、今や世界最大の種子会社となったモンサントなどによって種子と
農薬の遺伝子組み換え技術を用いた一元支配が進むでしょう。

 食の安全は切り刻まれ、安値で叩き売られることになります。それでなくとも
わが国の遺伝子組み換えに対する規制はまさにザルであり、米国の言うがままに
輸入を容認してきました。米国が年次要求書で一貫して要求してきたのは、この
遺伝子組み換えとBSEでした。

 既にBSEは最後の堤防を破られつつあります。そして遺伝子組み換えにおい
ては、食料輸入だけではなく、遺伝子組み換え技術そのものを用いた農業を国内
生産させる所にまで来ています。それがTPPです。

 遺伝子組み換えは、いまだ安全が一度として確認された完成された技術でない
にかかわらず、EU、豪州、ニュージーランド、そしてわが日本を孤塁として世
界支配を完成しつつあります。

 この本には多くの研究者の成果によって、遺伝子組み換え技術の本質的危険性
と、米国企業の世界戦略が詳細に語られています。
 皆さんにぜひご一読いただきたい、いや、今読まねばならない一冊です。

 (筆者は行方市在住・農業者)
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