オルタ138号を読んで

【オルタのこだま】

オルタ138号を読んで

豊間根 龍児


◆【沖縄の地鳴り】
・怖い詩だ。廃墟となった軍艦島を思い出す。炭鉱底から聞こえる獏の悲痛な唸り声。と書いていたら、軍艦島が世界遺産になった。沖縄を世界遺産にはしたくないけれどね。
・砂川闘争と沖縄闘争が連携して闘っていたとは驚いた。それが高村副総裁の言で呼び起された。何か藪蛇の感じだなあ。伊江島の「陳情規定」には教えられるところが多いが、土足でどかどか上がってくる輩には、多くの動員が必要となろう。本土に呼びかけろ。翁長知事、ハワイで前向きの言質を得たのは収穫だ。「辺野古しかない。」の一角が崩れた。
・ぶっ潰せと言われた琉球新報、県内アンケートと同時に本土のアンケートを取るべきだろう。そうして、本土でのPRの弾みをつけるべきだろう。
・平和憲法観:吉田茂、金森徳次郎、安部能成、幣原喜重郎、みんな、いいこと言っている。アメリカに押し付けられたかどうかは知らないが、人間素直に考えれば、みんな同じ結論になる。

◆安保法制を通すな! 〜私たちは「戦わない国」を選択した
私の理解では、安倍政権も「戦わない国」と言っている。だけれど、「戦える国」にしようとしている。まず、周辺国の気持ちを逆なでして敵を作り(巻尾の川柳がいいこと言っている)、それに備えようと、「戦える国にするための手段」を国民に目晦ましを掛けつつ通そうとしている。首尾一貫していないし、手の内がみえているから国民が納得するわけない。アメリカの意向を汲み多数を頼んでのゴリ押し、どうしようもない。「維新の会」どういう対案を出すのだろう。そう、「ダメよ、ダメダメ」だけじゃ、時代遅れだ。

◆憲法調査会でボロが出た安保法制 —安倍首相の独善は許されず—
ぼろが出たのは、上に述べた目晦ましやら、はぐらかしやら姑息な手段の例証だと思う。

◆「あまりに傲慢」自民・村上議員が「安保法制反対集会」で自民党執行部を批判
よく言った! 本当に怖いことになっている。どうしたら止められるのだろう。もう一度、最高裁で争ってみたらどうだろう。また、アメリカの圧力に屈するのだろうか。

◆安保法制後押しで米強硬路線に —米中の南沙戦略をどう読むか—
成程、アメリカの援護射撃か、驚いた。そういえば、妙なタイミングでアメリカが出てきたと思った。

◆【戦後70年を考える(2)】
1.日ロ平和条約を求めて —なぜ70年間放置されつづけているのか—
北方領土問題の経過がよく分かった。今まで不法にもソ連が北方4島を占拠していると思っていたが、ソ連にもいろいろ言い分があることが分かった。ここでもアメリカが画策していたんだ。これが外交というものかも知れないな。不味いタイミングでウクライナ問題が起こったなあ。
領土問題は早く決着して欲しいとは思うが、沖縄と同じく現地を知らない本土人には、どういう形で決着するのがいいか、軽々には言えない。

2.中国と日本はどう付き合っていくべきか —中国抗日戦争勝利70周年に際して—
両国の関係をよく分析しておられる。それはどうかなと思うところもあるが、そこが見方の違いのキーになっている気がする。心したい。多くの中にはいろいろな人が居る。それはある程度仕方がないが、マスコミはそこを針小棒大に取り上げないでほしい。しかし、公人は言動に注意して欲しい。報道されても仕方がないから。

◆【コラム】
1.海外論潮短評(93)失敗した多文化主義と同化政策
これから当面するであろう問題について良い勉強をさせて頂いた。西欧諸国がそれぞれのやり方を取っていることは知らなかった。それがいずれも問題を抱えている。大きな問題だ。急ぎ過ぎは不味い。「新しい道の模索」と言われているが中味は深遠でよく分からない。端的に言えば、評者の意見「雇用と待遇における平等と内国民待遇」に賛成だ。究極は混血だろうな。

2.宗教・民族から見た同時代世界 ロヒンギャ族:
難民船で漂流するテレビの映像は可哀そうで見ていられない。本当にどうにか出来ないものか。アウンサンスーチーも、選挙を控えたこの大事な時に票にならずマイナス稼ぐこのことに手を出さない。分かるけれど減点したいなあ。宗教戦争らしいが、仏教徒も追い出しに手を貸しているとは何たることぞ。これも減点だ。日本も大戦中係わっていたという。イスラム国と天秤に掛ける問題ではないかもしれないが、イスラム問題よりアジアに手を差し伸べたい。

3.落穂拾記(44)「悪筆」作家譚
時間に追われて「悪筆」か、こちらは丁寧に書いても悪筆。ほんと、パソコンに助けられている。作家諸氏も時間に追われて原稿書いていたのだろうな。企画展見てみたかったが、残念、時間が取れなかった。

4.中国単信(22)反モラルブラックリストに一言
今回、4人の違反行為が公表されたという。これでかなりの効果があると思うのだが、筆者は罰則規定がないことを問題にしている。そうして現状ではなくならない。教育だと言われている。
でも、ネット上に違反行為の写真投稿が相次いだ、とあることを見ても結構効果があるのではないか。この写真を利用して、「このようなことをしてはダメよ。」と教育すればいい。それでもダメなら、罰則規定を作り処罰してゆけばいいと思う。

5.風と土のカルテ(17)確かな根拠に基づいた「健康に良い食品」とは?
健康に関する本は山ほどあるが、素人目にも疑わしい、かなり極端なことが書いてある本が多い。そこに先生ご推薦の本が出たとは嬉しい。早速、読んでみたい。

6.日中の不理解に挑む(16)ものを申すNGO
中国のNGOは取り締まられるほどに力を付けてきた。「日本のNGOはどうした」とのお叱り。
日本のは、台湾、香港のように纏まって抗議しない。バラバラだ。先の王氏の論文には「日本人は、いざという時一団となって立ち向かう。」とありましたが、全然。今は「いざというとき」ではないのかな。投票率も低いし、ぬるま湯につかり過ぎと言いたい。いい意味での刺激が欲しい。

7.大原雄の『流儀』 山は、動くか。〜いま、石橋湛山を読む〜(4)
この時期に石橋湛山は言いにくいことをよくずけずけと言ったものだ。そうして、小林多喜二のように捕まらなかったのも不思議。でも、柳条湖の時には沈黙していたのだな。状況がよく掴めていなかったのかな。三国同盟賛成とはこれまた、驚き。
8.槿と桜(10)「先生の日」から思うこと
「先生の日」とは初耳。いい日だが、父兄も先生も悩むだろうな。特に韓国は学歴競争がすさまじいと聞くから。「みんなで感謝」くらいで済ませたい。

9.酔生夢死 AKBにでも入るか
有名人は大変だな。同情する。AKBか。末はプリンスホテル専属チーム結成と行くか。

◆【運動資料】安全保障関連法案に対する宗派声明発表 真宗大谷派(東本願寺)
このような声を待っていました。宗教界上げて大同団結して声を揚げて欲しい。一神教になるとどうなるんだろう。平和には賛同してくれると思うのだが、その先は分からない。
ロヒンギャ問題解決に手を貸すまでには至らないのかな。

◆【北から南から】
1.中国・深セン便り 『SARSの時のこと(1)—その前に、まずMERSのこと』
韓国人が中国人を後進国だと見下しているとは聞いたことがない。今まで反対だと思っていた。入国経路が分かって、そこからさらにいろいろと謎解きをしている。女の臭覚は鋭い。注意しなくては!

2.フランス便り(17)灯が消えた社会的EU
2000年ころまでは、社会的EUが素晴らしく機能されていたようですね。しかし、それ以降は停滞気味とか。東欧諸国が増えたことで有効な共通基準を設定することが難しくなったとか。レベルの低い国が入ってきたからこそ、基準を守らせるようにしなくてはならないのでしょう。「共通の目標がなくなった今日、統制が難しくなった」と言われるが、ギリシャ危機や先の論文に出てきた多文化主義の崩壊などに直面し、今こそEUを纏めて行く共通の目標があるのではないでしょうか。おや、ギリシャが「NO」と言ったというニュースが入ってきた。EUどうする。

3.ミャンマー通信(28)高まる総選挙モード
結果ありきのがんじがらめの選挙だなあ。単なるセレモニーのような気がする。でも、ポイコットはしない方がいいと思う。主張を述べて戦うべきだろう。アウンサンスーチーさんには、助けられないかもしれないけれど、ロヒンギャ族について触れて欲しいな。

4.フィリピンから(5)宗教、儀式・・・色濃く残るマゼランの足跡
キリスト教とは何だろう。摩訶不思議な感じがする。わずか20日の滞在で、恫喝を伴ったとはいえ、住民を信心させ、500年もの間、征服者が持ち込んだものの祭りが続いているとは。日本もアメリカに征服されながら、アメリカの傘の下に大人しく収まっているのと同じかな。

◆【書評】
1.『北方部隊の朝鮮人兵士』 北原道子/著 現代企画室/刊
厚生労働省が発表した数字と、あとから出てくる数字の違いに驚く。国立公文書館で、何でこの種の資料が公開されないのであろうか。何か不都合があるのであろうか。賠償問題につながることを恐れているのだろうな。「明治日本の産業革命遺産」が世界遺産に認定されたが、日韓間関係の軋轢は根が深い。個人関係賠償金額も、個々にやってはきりがないので、一括、いくらで纏めたい。

2.『シティ・ファーマー』 ジェニファー・コックラル=キング/著 白井和宏/訳
いろいろな都市のシティ・ファーマーが紹介されている。最近は日本でも結構やられているように思うが、キューバは凄い。首都ハバナで消費される生鮮食品の90%が市内や近郊から調達できるようになったと数値が出ている。こんなに進んでいるとは思わなかった。これじゃ、オバマも手を結びたくなるだろう。

◆【アメリカ報告】誰が為に人を捕らえる? —ポリスの残忍を許すアメリカの警察文化—
警察官による残忍な行為がこれでもかこれでもかというように示された。市長が黒人で、警察長官も黒人なのに、人種偏見による暴行が止まらないとはどういうことか。筆者もよく分からないと言っている。が、識者やマスコミは、どのようにこの現象を分析しているのだろうか。日本と同じく強いものには触れられないのであろうか。黒人もキング牧師のように無抵抗主義を貫いて欲しいな。抵抗すれば先方にへんな口実を与える。

◆【自由へのひろば】仮説・戦後政治の舞台から社会党が消えた日
細かいことは全く分からないが、懐かしい名前が多く出てきた。そう、この時代、大きく変わりましたね。それにつれて党も変革を迫られたというわけですね。そうして新党づくりに失敗した。ここで社会党は終わったというわけか。党内合意を得ており、資産を引き継ぐとしているのに何故失敗したのだろう。一部と袂を分かち、性格が変わったということかな。
最後に船橋成幸氏が亡くなられたと出ていた。ブレーンをしていたという田辺誠氏が亡くなられたとTVでは報じている。時代は移っているなあ。ご冥福を祈る。

◆【旅と人と】母と息子のインド・ブータン「コア」な旅(13)
何時ものことながら、現地に溶け込んで旅を楽しんでいるのに驚く。松涛流空手のポスターとは驚き。オリンピック・コミッションとは先端をゆく。そういえば、街中での「バクシーシ」はないのだな。ホッとする。インドではパンはちぎっては食べないのかな。直接、齧るのかな。

◆【川柳】
私に最もしっくりきた句: 仮想敵 自ら太らせる アホノミクス

 (筆者は稲城市在住・元団体役員)


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