■【オルタのこだま】                     

ガン治療へのオルタナテイブ          芝田 和果

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 *オルタ第40号に吉田勝次氏(姫路工業大学教授)がお書きになった「ガン闘
病記」(3)という文章中、「先日、オルタの読者のT氏(法政大学名誉教授)か
らビタミンCの大量投与という代替療法について電話で懇切なご助言をいただ
きました。その晩は嬉しくて寝られないほどでした…」という文章があります
が、これに関連して、「医療のオルタナティブ」をテーマにされている評論家
・芝田和果氏から文章が寄せられました。その「ガン治療」についての部分を
「オルタのこだま」として、以下に掲載します(編集部)。

 力石定一先生からのお話で、メールマガジン「オルタ」に投稿させていただける
と伺い、私が関心をもつ「ガン治療・再発予防のオルタナティブ」の一つとし
て、今米国で注目されている新しい治療法を紹介したいと思います。

 日本人の三大死因にあげられる、ガン、脳血管疾患、心疾患の治療には、深刻
な副作用や手術をともなう場合が多く、また治療後の再発率を低くすることは難
しいといわれています。また、身内にこれらの病気にかかったことのある方がい
る場合、病気の遺伝を懸念して将来の健康に不安を抱く方も少なくありません。
 発症前から、発病して治療してからもなお、精神的な健康をもむしばむこれら
の病気に対する新たな治療法が、今、米国では注目を集めており、「もうひとつ
の選択肢」として大きな期待と関心が寄せられています。その一つが「ガン治療
・再発予防のオルタナティブ」としての『超高濃度ビタミンC点滴療法』です。
この治療法は副作用がないばかりか、他の有効な治療法とも併用して行えること
から、ガン治療の新しい選択肢として急速に普及していくことが予測されていま
す。

 昨年、米国ABCニュースでは『超高濃度ビタミンC点滴療法』の有効性が認めら
れたことを報道しました。

 "2005年9月、2006年3月に米国国立衛生研究所(NIH)のマーク=レヴァイン
博士らがガン患者における超高濃度ビタミンC点滴の作用について衝撃的な報告
を発表した。静脈からビタミンCを取り込んだ場合、経口のみで摂取した場合に
達せられるビタミンCの血中濃度上限値の50~70倍の量にまで到達できるのだと
いう。さらに静脈から取り込まれたビタミンCは、ガン細胞(あるいは病原菌)
を選択的に攻撃し、正常な細胞に対してはまったく害を与えないとのことであ
る。" "High Doses of Intravenous Vitamin C Fight Cancer," ABC News, 
         2006年11月8日

 実はこの療法には30年以上もの歴史があります。ノーベル化学賞を受賞したライ
ナス=ポーリング博士がガン患者にビタミンCを点滴で大量投与したところ、延命効
果があることを発見し、学術論文を発表しているのです。近年まで封印されていたこ
の治療法の歴史にはさまざまな憶測がありますが、ここ数年で再び注目される
ことになりました。
 ビタミンCが高濃度に取り込まれたときに、実際にガン細胞に対してどのように作
用するのか、この療法を国内で行っている杏林大学保健学部臨床内科の柳澤厚生
教授は次のように説明しています。「ビタミンCは、自分が酸化されることで強力な
抗酸化作用を発揮します。その際、正常な細胞は過酸化水素を中和する酵素を
持っているが、がん細胞はその酵素が少ないために中和できない。そのため、大
量の過酸化水素を発生し、がん細胞を攻撃する。」 (安達純子 「がん治療 
ビタミンCが救世主となる?」 『夕刊フジ』平成19年1月31日より)

 また米国CBSニュースは、この点滴治療を実際に受けている人の声を紹介しまし
た。
  "デニース=マッケイブさんは乳ガンで、強い抗ガン剤によるリスクから生存率
はほとんど絶望的と診断されました。「そう宣告されたときは、椅子から立
ち上がれないほどでした。何か行動を起こさなければ、と思いました。」
   彼女が起こした行動は、代替療法である『超高濃度ビタミンC点滴療法』に
挑戦することでした。「この治療で少し元気になったし、気分もよくなりま
した。」とマッケイブさんは言います。
  それだけではありません。「腫瘍マーカーの値が突然下がり始めたのです。」
静脈から投与されるビタミンCの量は、オレンジに換算するとおよそ500個に
相当します。実験でも、その効果は証明されており、グレン=ロスフェルド博
士によれば、「高濃度のビタミンは、試験管内においてガン細胞を死滅させ
る」とのことです。
  しかし多くの専門家たちは、この方法を人体にあてはめて行うことは、とう
てい無茶なことだといいます。リチャード=ペンソン博士は「ガンに攻撃を
与えるという研究結果はほとんどないのです。」と懐疑的です。しかし従来
の治療と組み合わせて、超高濃度ビタミンC点滴を提供することを選ぶドク
ターもいます。
  ロスフェルド博士は、「すべてのガン患者とは言いきれないが、じつに多く
の患者さんのガンの進行は止まったり、遅くなったりしています」と話しま
す。
ヘレン=クワックさんは、母親の命をガンから救ったのはこの治療法だと信
じています。化学療法と放射線治療を受けたあと、クワックさんのお母さん
は2ヶ月たたないうちに30kg近くも体重が落ちました。「母はもう死んでしま
うと思いました。」
乳ガンから生還したデニース=マッケイブさんもこの治療法の信奉者です。
「考えてみると、本当にすごいことだと思います。」超高濃度ビタミンC点滴
療法についての論議は何十年も続いていますが、いまだにその作用は完全に
は解明されていません。"
"Some Doctors Treat Cancer With Vitamin C," CBS New York,
CBS Broadcasting Inc., 2006年11月27日

 CBSニュースでは、同療法の有効性を証明する研究結果はほとんどない、と報
道していますが、米国国立衛生研究所は2005年9月20日と2006年3月28日、
超高濃度ビタミンC点滴は抗ガン剤として有効な作用をすると発表しています。

【米国国立衛生研究所による超高濃度ビタミンC点滴療法の学術論文】
★Qi Chen, Michael Graham Espey, Murali C. Krishna, James B. Mitchell,
Christopher P. Cope, Garry R. Buettner, Emily Shacter, and Mark Levine.
"Pharmacologic Ascorbic Acid Concentrations Selectively Kill Cancer Cells:
Actions as a pro-drug to deliver hydrogen peroxide to tissues." PNAS,
Vol.102 (September 20, 2005), 13604-13609. 
★Sebastian J. Padayatty, Hugh D. Riordan, Stephen M. Hewitt, Arie Kats,
L. John Hoffer, and Mark Levine. “Intravenously Administered Vitamin C
 as Cancer Therapy: Three cases.” CMA Media Inc., (March 28, 2006),
937-942.
                     (筆者は評論家・横須賀市在住)
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