【コラム】
あなたの近くの外国人(裏話)(32

コロナウイルス・私の周辺の外国人は…

坪野 和子

 先月から、えらいことになっていますね。コロナウイルス。みなさまの周辺はいかがでしょうか。一日も早く終息に向かってほしいものです。今回は私の周辺の外国人たちがどんな様子かお伝えします。

1.東京ベイインターナショナルスクールでは…

 インド人経営で主にインド人生徒(園児・児童)の東京ベイインターナショナルスクールでは、安倍首相のお達しを即受けて、3月2日から休校となりました。先生がたは出勤です。毎日、教科担任がワークシートをタブレットに一斉配信して自宅学習をサポートしています。私の生徒(お父さん)は、彼のお子さんたちがこの学校の児童なのですが、休校に伴い、インドに一時帰国しようとしていましたが、入国できなさそうです。もし、実際に一時帰国できたとしても、ネットワークがあるので宿題はできることになりますよね

2.東京ベイインターナショナルスクールの私のクラスでは…(1)

 ビジネス日本語クラスは、安倍首相のお達し以前に、2月25日、「社員を集めることはしないように」と入管からクライアントの会社に言われたそうです。それから、IT企業、さすがです。自宅でサポート作業等を即実施。日本の企業に出向・派遣で行っている社員はしばらく通常通りだったようです。そして、即「この2週間はオンライン授業」と言われました。そのつもりで用意していたら、家庭の事情や諸般の事情で休講してほしいと、なりました。1回、休講にしたら…寂しい…。

 LINE で教材送信や連絡のグループを作っていたので、休講期間のワークシート宿題やビデオ電話でフォローしていこうと思っていたら、生徒たちも寂しかったようで、「sensei! Next week online ね」さすがIT企業です。Webex とか、Zoom とかビデオ会議のアプリケーションを提案されました。結局、多数決で Skype に決まりました。Wi-fi 状況が悪くても使えるからだそうです。私自身 Skype は10年以上使っていませんでした。あの頃は Skype しかありませんでしたから。今は LINE や WhatsApp、imo、BOTIM、hangouts など、ビデオ電話できるアプリケーションがたくさんありますから。

 Skypeに決まったものの、参加が遅れた生徒がいたので、1回目のオンライン授業は結局、LINE で行いました。自宅にホワイトボードを設置して、パソコン画面を映して、テキストを映して、自分も映して。無事終了!! ロールプレイができないのが残念でした。

3.東京ベイインターナショナルスクールの私のクラスでは…(2)

 日本語能力試験対策クラス。3月1日はまだお達しの1日前なので、N4クラスとN5クラスを学校に行って直接指導しました。N2は休講でした。N4クラスはオンラインで Skype を使って実施しました。来週もそうなる可能性が高いかな?
 オンライン授業の欠点は、バッテリーが持たないと終わらせざるを得ませんので、スマホとタブレットで途中デバイスを交換してのことでした。他のクラスは家庭では集中できない、直接指導ができるまで休みたいとのことでした。お子さんが泣いている声とか聞こえてきましたので、とてもよくわかります。宿題もできないようなので、自主学習のために授業で使ったパワーポイントを送信してあげようかと思います。

4.日本の公立高校定時制で

 とりあえず、私の出勤はしばらくなかったのですが、直属上司から電話が来ました。来週(3月9日)から出勤です。合格発表日、入学候補者の外国出身生徒と保護者の通訳をします。中国人生徒が春節で一時帰国し、無事日本に入国できたものの2週間の登校停止となりました。その生徒の担任面談に立ち会います。また、風邪と親せきの結婚式で出席日数が足りないネパール人生徒の補習を行います。合格者の説明会でも外国出身生徒と保護者の通訳をします。直属上司が生徒にも親にも私にもいいように考えてくださいました。

5.パキスタン人たち

 3月1日、野田市でパキスタン料理レストランがオープンし、そのオープニング・パーティに呼ばれました。不要不急の集まり…とはいえ、パキスタン人コミュニティの要人が集まっていました。コロナウイルスをあまり気にしていない様子でした。

 息子のように可愛がっているパキスタン人の男の子。
 「お母さん、コロナウイルスの情報は?」
 NHK-World:Urdu のアプリケーションをスマホに入れさせました。
 「お母さん、日本人みんなマスクしていて怖い。そんなに怖がっているのはなぜ?」
 「それはね、自分のためではなく、人に不快な思いをさせない『他人ファースト』なの」
 「お母さん、マスクをして外出してね」写真を送りました。
 「お母さん、どうやってマスクを見つけたの?」
 「2年前に買ったマスクがまだあったから」
 こちらは心細そうです。

6.怪文書が出回る

 最初、2月14日、私のインド人のティーチングアシスタントさんが怪文書を信じているらしく、私のクラスの LINE グループに送信してきました。彼はこの文書を信じているらしく、「揚げ物を控え、ビタミンCを多く摂取し、お湯を毎日飲む」を実行しています。東大早慶の学生が入社したいベスト5の企業に勤めている彼がそうなのかと思いました。同じ文書の日本語自動翻訳がその数週間後に出回っていました。さらにその数日後、バングラデシュ人の友人がベンガル語の日本語自動翻訳で送信してきました。なんと!! 発信元は、駐日バングラデシュ大使館 Facebook page でした。この怪文書に在日バングラデシュ人医師のなぜか中途半端な電話番号が記載されていました。大使館も信じちゃうんだ!

7.中国人たちの様子

 先月のことですが、東京ベイインターナショナルスクールに出勤前、亀戸駅前のマツモトキヨシの前に長蛇の列ができていました。並んでいた人のほとんどが中国人でした。ああ、たぶん転売する集団なんだろうなと思って通り過ぎました。案の定だったようです。また町で中国人をみかけたら、彼ら彼女らは日本語で話しています…訛りでバレバレなんだけど…。中国語で話すと振り返られるんでしょうね。しかもリハビリテーションで通院している病院は英語・中国語・韓国語対応で、中国人もよく見かけます。ですが、コロナウイルス流行以降は中国人の患者を見かけません。お見舞いの男性ひとりだけです。在日中国人のみなさん、気にしているのね。

8.なぜか花粉症であることが発覚した友人たち

 パキスタン人の弟分から電話。「鼻水が止まらない、だるい、喉が痛い」というので、鼻風邪の市販薬をすすめました。そうしたら、効かない!聞き直したら「目が痒い」
 「それ!花粉症じゃない。お医者さんに電話して『花粉症みたいです、熱がない』と言ってお医者さんに行くのよ」お医者さんに行ったらしく、目薬をさしていました。

 インド人の友人から電話。「ドバイから日本に帰ってきて、熱がないのに、鼻水が止まらない、だるい」やはり聞き直して「目が痒い」
 「それ!花粉症じゃない。お医者さんに電話して『花粉症みたいです、熱がない』と言ってお医者さんに行くのよ」それから電話があり「お医者さんに行ったらやはり花粉症だと言われました。僕、花粉症になったこと、ないのに…」
 コロナウイルスのおかげで、花粉症デビュー!!
 電話の翌日、私の目の前にマスクして目をしょぼしょぼさせていたネパール人が通り過ぎていきました。彼もかしら??

 (高校時間講師)
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