チョイさんの沖縄日記 2019年11月13日

    辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録

<琉球セメント安和桟橋からの土砂海上搬送を止めるために(その2)> 琉球セメント安和桟橋の目的外使用、さらに旧桟橋はただちに撤去しなければならない!
辺野古新基地建設事業で現在強行されている埋立工事では、名護西側の琉球セメント安和桟橋と本部(塩川)港から海上搬送された土砂が投入されている。安和には、昨年から稼働した新桟橋と、1964年に設置された旧桟橋がある。いずれも、知事が公共用財産使用許可を出したものだ。
 目取真俊さんがブログ「海鳴りの島から」で、安和の旧桟橋が老朽化しており、県は早急に使用を停止させるべきだと指摘している。彼が海に出てカヌーから撮った旧桟橋の写真でも、鉄の部分が真っ赤に錆びつき、コンクリートも大きく欠落している状態が確認できる。あまりの惨状には驚く。是非、下記のブログを見ていただきたい。
・海鳴りの島から「琉球セメント安和桟橋のひどい状態/使用は許されるのか?」(2019.11.7)
・海鳴りの島から「琉球セメント旧桟橋の使用を停止し、新桟橋でのセメント積込みを行うべき
だ」(2019.11.12)
 この琉球セメント安和桟橋の問題点については、私も以前から再三、問題にしてきた。オール沖縄会議現場部会は8月30日、謝花副知事や上原土建部長との意見交換の場を持ったが、そこでもこの問題を次のように追及してきた。
*安和の新桟橋の目的外使用
 いくつかの問題が指摘される。まず、現状は目的外使用であり、公共用財産使用許可の許可条件に違反している。
 下が、新桟橋の公共用財産使用許可書(一部)である。これを見ても分かるように、「施設の目的」は、「セメントの出荷」「石炭の荷揚げ」「セメント副原料(石膏、酸化鉄、リサイクル品)の荷揚」「その他資材の出荷(骨材等の資材)」とされている。現在は、辺野古埋立のための土砂搬送に使用されているが、これは当初の目的にはなく、明らかに目的外使用である。
画像の説明
 8月30日、上原土建部長は、「『その他資材の搬出』という事項もあるから違反とはいえない」と言った。しかし、「その他資材」はあくまでも「骨材等の資材」とされている。「骨材」とは、コンクリートやアスファルト混合物を作る際に用いる材料である砂利や砂のことをいう。埋立のための土砂が含まれないことはいうまでもない。
 公共用財産使用許可の許可条件には次のような項目がある。
 「許可を受けた者は、許可にかかる物件を申請内容の用に供するものとし、それ以外の用に供してはならない。県北部土木事務所長は、許可条件に違反したときは、この許可を取消し、--原状回復を命じることができる。」

 沖縄県は、ただちにこの新桟橋の使用許可を取消さなければならない。
*旧桟橋は、新桟橋ができた現在、すぐに撤去しなければならない
旧桟橋の問題についても説明する。
 この旧桟橋の公共用財産使用許可書は、下のように1964年に出されている(今も県公文書館に保存されいる)。その「目的」は、「セメント等の出荷及び油脂類等の搬入のための船舶接岸施設」とされており、やはり使用はセメント製造のために限られている。
 また、上の公共用財産使用許可書の最後の行(赤線部分)を見てほしい。「既設桟橋については、新設桟橋へのセメント出荷設備設置まで活用するものとする」と記載されている。
画像の説明
  旧桟橋の使用許可書(県公文書館より)
 新桟橋にはすでにベルトコンベアーも設置されフルに稼働している。上記のとおり、旧桟橋の使用はただちに止めなければならない。目取真さんが指摘しているように、老朽化して危険な状態だから使用を停止する必要もあるが、そもそも新旧桟橋を同時使用することは、公共用財産使用許可の許可条件に違反しているのだ。
 県は、琉球セメントに対して、旧桟橋をただちに撤去するよう命じなければならない。
 8月30日、副知事はこれらの問題について、「検討してみます」と答えた。あくまでも辺野古新基地建設を阻止するために、県の毅然とした対応が求められている。
 (世論構造研究会代表・『オルタ広場』編集委員)
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