ロンドンオリンピック開幕と日本スポーツの課題

■ロンドンオリンピック開幕と日本スポーツの課題
  三ツ谷洋子法政大学教授に聞く


【加藤宣幸】三ツ谷先生にオルタ編集部としてお話を伺うのは今回で3回目にな
ります。第1回は2004年のアテネオリンピックのとき、2回目は2006年
のサッカー・ワールドカップドイツ大会のあとです。今回はロンドンオリンピッ
ク開幕を控えて日本スポーツ界全般の課題ということでお聞きしたいと思います。

【三ツ谷洋子】ロンドンには3年前、スポーツビジネスコンベンションに行きま
した。アメリカの同様のコンベンションには1990年前後に4、5回行ったの
ですが、この会議を日本に持ってくれば日本のスポーツ界に役立つと考えたから
です。勿論アメリカとヨーロッパではどう違うかという関心もありました。

 ちょうど2016年のオリンピック開催都市がリオデジャネイロに決まった1
週間後でした。タイムリーなテーマとして、リオデジャネイロ市長のインタビュ
ーも盛り込まれていました。この他、全体として興味深かったのは、スポーツビ
ジネスに対する姿勢です。アメリカでは、「我社はオリンピックに協賛してこれ
だけ業績が上がった」というような内容で、具体的な数字を前面に出したケース
スタディーが次々に出てくるのですが、ヨーロッパではビジネスとして取り組み
つつ、理念をとても大事にしているように思いました。これが私にとってはすご
く新鮮で、アメリカとヨーロッパの違いが強く印象に残りました。

 私は30年以上、スポーツビジネスコンサルタントとして仕事をしてきました
が、スポーツビジネスは近年、特にアメリカ化してきています。ついでにいえば、
日本の大学教育も成果主義が取り入れられるようになり、すっかりアメリカ型に
なっていて、これは私としては納得できないところです。

【加藤】最近は、なでしこが優勝するし、Jリーグも盛り上がるし、日本のスポ
ーツはプロ、アマも隆盛になってきているように思いますが。

【三ツ谷】表面的には話題豊富ですが、問題はいろいろあります。現在、オリン
ピックへのプロの出場は当たり前ですが、元々オリンピックはアマチュアリズム
が大切にされた時代がありました。近代オリンピックが始まったのは1896年。
イギリスでは産業革命により多くの資本家が誕生し、働かなくてもよいジェント
ルマンたちが、暇なときにスポーツを楽しんだのです。

 これが近代スポーツとして現代につながります。働かなくてすむ人たちがただ
名誉のために競うのを善しとしました。近代オリンピックの父・クーベルタンも、
スポーツでお金を稼ぐなんてとんでもないという考えの持ち主でした。「アマチ
ュアリズム」というのはそういう考え方なのです。

 こうした考え方がオリンピックでも踏襲され、世界中の若人が純粋にスポーツ
の場で名誉のために戦う―という“美しいスローガン”がありました。一方、大
会を開催するためには莫大なお金がかかるようになり、「企業スポンサー制度」
というビジネスモデルとなっています。それにより得た利益は、スポーツが盛ん
でない国の支援に使うという循環ができています。ちなみにオリンピックを主催
しているIOC(国際オリンピック委員会)の最大の収入はテレビなどの放送権
料で、回を重ねるごとに急カーブで高騰しています。

 オリンピックは各競技で世界一を決める大会となっていますが、例外がありま
す。サッカーです。男子のワールドカップはオリンピックより商品価値が高い。
オリンピックで優勝するより、ワールドカップで優勝したほうが価値があります。
そういう問題がありつつ日本の状況をみると、オリンピックに関連するスポーツ
はテレビの視聴率も高くなり、まあそれなりにみんな楽しんでいますから、良い
環境にあるとは思います。

 昨年8月に、「スポーツ基本法」が施行されました。スポーツを国家戦略のひ
とつとして位置づけています。他の国も、国の戦略にスポーツを組み入れ、スポ
ーツを強化しているので、日本もその流れに乗ることになり、それはそれで必要
かも知れませんが、問題もあります。

 1980年のモスクワオリンピックの時、選手を派遣するJOC(日本オリン
ピック委員会)は、「大会をボイコットしないと国からの補助金を出さない」と
文部省に脅されて、仕方なくボイコットを決めました。その時、日本のスポーツ
界の人たちは、政治家を自分の競技団体の会長にするのはやめようと決意しまし
た。

しかし、現在の日本体育協会会長は森(喜朗)さん、日本クレー射撃協会は麻
生(太郎)さんです。他の団体にも政治家の会長が多くなってきています。もっと
も政治家じゃまずいというので、一時は財界人の堤義明さんをJOC会長に持っ
てきたのですが、堤さんはトラブルで辞めてしまい、政治家重用に戻りました。

 日本のスポーツ界は、財界人でスポーツに理解がある人を会長に据える習慣が
あったのですが、段々そういう人が少なくなりました。また、企業が福利厚生の
ために持っていたスポーツ部を、景気が悪くなって廃部してしまった。企業のバ
ックアップの仕組みが変わってきて、「スポーツをやりたいなら自分で稼いでや
れ」というような状況になっています。

 問題があるとすれば、スポーツが国家戦略の中に組み込まれたことから、政治
的に利用される側面がより強くなったということです。スポーツの世界の人たち
は、何かあったときには、自分でキチンと考えを主張できるようにしなくてはい
けないと思います。国にバックアップしてもらっている部分はあるけれども、言
いなりではいけない。ここだけは絶対譲れない線があれば、それについてもちゃ
んと意見を言わないと、逆に利用されてしまうことが出てくると思います。

【加藤】最近のスポーツ界では非常に女性のウエイトが大きくなってきています
が。

【三ツ谷】それは選手としての部分です。女性スポーツの裾野も広がり、女性は
こんなスポーツはすべきでない、などと言われることはなくなりました。昔は女
の子がサッカーなんて、と言われていました。今ではなでしこが活躍しているし、
やりたいならドンドンやったらいい。ラグビーも、ボクシングもどうぞという話
になってきました。

 今年のロンドンオリンピックでは、男子だけやっていたボクシングに、遂に女
子が参加できるようになった。クーベルタンはオリンピックに女子種目を入れた
くなかったので、第1回大会は男子競技しかありませんでした。当時、スポーツ
をしていた女性はいたのですが、クーベルタンは女性が競うところは見たくもな
い、と言っていました。オリンピックで、もし女性の役割があるとすれば、表彰
式でお花を持つことくらいだと。

 クーベルタンが当初、理想としていたアマチュアリズムはなくなり、男性だけ
のオリンピックに女性が参加するようになり、全く様変わりしました。近年、オ
リンピックでの女子選手の活躍は目覚しいものがあるのですが、競技団体の組織
はほとんど30年前と変わりません。男性役員が全てを仕切る仕組みです。

 女子選手の中には結婚して子供生んでも、競技生活を続ける選手もでてきまし
た。しかし、個人がそれなりに努力するしかありません。そうしたサポート面に
思いが至らないのが現状です。ただし、日本サッカー協会は、日本代表の中にマ
マさん選手がいたので、ベビーシッターをつけたことがあります。

 こんなことができる競技団体はほとんどありません。スポーツ団体の役員は、
99%がボランティアです。川淵さん(初代チェアマン)は、Jリーグができた
ときに古河電工を辞めて専任の役員になり、給料を得ていました。しかし、他の
競技団体は役員に給与を払うほど財源がありません。それと、伝統的にお金を貰
うのを善しとしないアマチュアリズムがあるのです。たいてい学校の先生や、企
業に勤めているような人が、手弁当で仕事のない時間にやり繰りして運営してい
るのが、スポーツ団体の実態です。

 お金は貰えない。その代わりに自分がやってきたスポーツの世界で、その組織
の役員になるのが一つの名誉となります。最初は、大会などがあると運営のお手
伝いなどに行き、顔が知られてそこそこ仕事ができると、ナントカ委員会の委員
に推薦され、きちんと仕事をするとまた一つ上のランクの理事になり、またその
中で仕事ぶりが認められれば、例えばその組織が推薦するJOCの委員になると
か、体協の理事になる。そういう出世コースというか、名誉出世コースがあるの
です。こうしたところに女性が入り込むのは、現実的に難しいのです。

 一般的に男性は大手を振ってこのような活動ができるのですが、女性の場合、
家庭を持っていると、家族を置いて週末にお手伝いするというのは、なかなかで
きません。また、組織の委員や理事に女性を入れるとなると、一生懸命にずっと
ボランティアで貢献してきた男性たちが、「冗談じゃないよ」と思うわけです。
こんなことなので女性を入れるのはすごく大変です。

【加藤】スポーツ団体の場合、手当てが払えない、小さい、それは大変ですが、
女性のスポーツ団体は基本的に規約で、ボランティアであろうがなかろうが何分
の一とか、女性を入れなければいけないと決めるとか、三ツ谷さんたちが世論を
起こして、Jリーグの川淵さんのように女性の役員はこうだとぶち上げてやるわ
けにいかないですか。

【三ツ谷】ほとんどの組織は男性主導でやっているので、そういう規約を作ろう
とは誰も言わないですね。そういう世論を起こすためには、それなりに時間を取
って活動しないと難しい。いくらこちらが正論をいっても、とんでもないトラブ
ルでも起こらない限り、彼らはやりたくないのです。

 たとえば、スピードスケートのオリンピック選手だった橋本聖子さんは、現在、
日本スケート連盟の会長です。なぜ会長になったかというと、たまたまスケート
連盟がもめて会長のなり手がいなかったからです。まあ橋本さんは国会議員でも
あるし、他の男性役員から見ると、仕方ないということなのでしょう。

 私自身は30年以上、スポーツの世界で女性役員を入れて欲しいと言ってきま
したし、国際会議を日本に持ってきて、女性スポーツ宣言を出したりしました。
その後、JOCは「2000年までに5%、2005年までに10%の女性役員
を入れる」という「ブライトン宣言」に署名をしたのですが、何の意味もありま
せんでした。責任者が女性役員の必要性について理解していないからです。

 役員の改選時期になると、一般的にはその組織の中心的な役員と事務方のトッ
プが誰にしようかと考えるのです。その時に誰かが「じゃあ女性でも入れようか」
と言えば、最近は「1人か2人、入れとけと」なる。そんなことを考えたことも
ない柔道やレスリングは、あれだけ女性が活躍しているのに女性理事が1人もい
ません。トップが、「女なんか」と思っていて理解がないと、絶対に女性の起用
が増えることはありません。

 昨年、柔道の山口香さん(ソウルオリンピック銅メダリスト)がJOC理事に
なり、女性スポーツ専門部会長として、今年3月に「女性スポーツフォーラム」
を開催しました。基調講演には“女性を最も活用している会社”と評価されてい
るP&Gのディレクターを呼びました。山口さんは、「女性を活用したことで業
績が上がったので、スポーツでも女性の能力をもっと活用しましょうと訴えたか
った」と言っていました。

 フォーラムの内容をサイトで読んだのですが、そのディレクターはトップの理
解がないと実現できないと強調していました。そうすると日本体育協会のトップ
は森さん、JOCは竹田(恆和)さんです。女性登用の意味を理解してもらうの
は難しい状況です。

【加藤】予算を国会で審議するときに、女性の国会議員から森喜朗なんかに、も
っと役員に女性を入れる仕組みを作れないのかなどと注文つけられないですか。

【三ツ谷】もう20年前以上前に、社会党の議員が取り上げてくれて話題になっ
たことはありますが、今は全く忘れられている感じです。男女共同参画って自民
党の時代からいろんなところで取り組まれていて、今の野田政権も女性をもっと
活用すべきだと、省庁を通じて推進してはいるようです。

 スポーツ団体についても、「2020年までに女性を30%に」という指針を
出しています。産業界はやれと言われればやらなくてはと思うのでしょうが、ス
ポーツ団体となると、直接、言われるのでないからあまり動かない。日本は国際
的に見て、社会全体で女性が組織の主要ポストに占める比率が非常に低いのが現
状です。

【加藤】『中国のサッカーが強くなければ日本のサッカーも強くならない』と岡
田監督が中国へ監督として行き、同じくスイミングの井村さんもコーチで行った。
逆に韓国からも日本にJリーグ鳥栖や女子ホッケーの監督など多くの人がきてい
る。お互いのレベルを上げるためにコーチングスタッフの交流を盛んにすること
は、アジアのスポーツを強化するためにますます必要だと思いますが。

【三ツ谷】バレーボールは、1972年のミュンヘンオリンピックで男子が金メ
ダル取り、前の東京オリンピックでは女子が取りました。その競技で世界のトッ
プにある国には、いろんな国から指導者を派遣してくれと要請がきます。だから
バレーボールは世界中にずいぶん指導者が行っています。外国が強くなったのは、
そうやって日本が指導した結果です。

 アジアに対して、サッカーは、アジア選手権などがあるので、かなり力を入れ
ているようです。他の競技については、あまり詳しくないのですが、それなりに
やっていると思います。

【加藤】欧州のサッカーが強いのは、高いレベル同士が頻繁に戦うからだと思い
ます。アジアも地理的な悪条件はありますが、せめて日中韓などは、もっと多く
のスポーツで交流が強まれば、レベルは上がると思いますが。

【三ツ谷】サッカーはJリーグが始まって何年か、韓国と中国と日本で対抗戦を
持ち回りでやっていたのですが、スポンサーがつかなくなってやめました。アジ
アといっても、東南アジアや日中韓はちょっと顔が見えますけども、西アジアは
中東もあるし、他の大陸に比べると、地域が広いだけでなく文化も宗教も違うの
で、まとめていくのはなかなか難しいと思います。選手の活躍がクローズアップ
されますが、それ以外に指導者交流などをキチッとやっているのはサッカーです。

 弱かった日本のサッカーが、突然Jリーグができて成功したのではなく、それ
までも指導者講習会をやったり、アジアの人たちと一緒に勉強したりするような
素地がつくられていたから強くなった。カズなどが日本代表を引退して、どうな
るかと思われたのですが、次々に新しい選手が出てきた。それはその前に日本の
サッカーが全国の拠点決め、強化システムをつくっていたので、一時のブームに
終わらなかったのです。他の競技団体もそういう仕組みをしっかり作ればと思い
ます。サッカーが強くなってきて、プロ野球がちょっと問題ですね。

 プロ野球というか、読売がセリーグを作ったのですが、野球の世界はサッカー
のように一つの傘の中に入っていない。プロ野球のほかに、高野連があります。
そのほか軟式野球連盟や準硬式野球連盟というのもあります。子供たちのリトル
リーグもあれば、王さんが作った世界少年野球というのもあって、全部バラバラ
です。

 それぞれ新聞社がバックにいてその宣伝に使われている部分がある。野球自体
はいいスポーツだと思いますが、組織がこうバラバラで、組織がそれぞれ自分た
ちのことしか考えていないようなのが問題です。そういうふうにしてきたプロ野
球の、というかセリーグのトップの人たちの考え方が、全く現実に合わなくなっ
てきました。

 巨人ばかりが強力選手集めていてはもったいない。お金があるチームが強いに
決まっている、というのでは白ける。プロ野球の仕組みが一番問題だと思います。
一強多弱です。その一強が弱くなって、何と巨人の放映権を日本テレビが手放し
ました。他のテレビ局が放映するかと思ったらほとんど放映しません。視聴率も
10%を切るようになりました。結局、自分たちで自分の首を絞めている。

 Jリーグはプロ野球を反面教師として、共存共栄こそリーグの繁栄という考え
方です。また、他のスポーツも楽しめるようにしたり、地域密着という考え方で
サッカー以外の活動もいろいろしているので、サッカー好きでない人も理解して
くれます。

【加藤】オリンピックの東京誘致問題についてはどうお考えですか。

【三ツ谷】イスラム圏で一度もやったことはないので、個人的には今回はトルコ
のイスタンブールに譲って、次の大会にすればいいのではないかと思います。東
京オリンピック開催を通して、被災地が完全に復興したことを見せたいと言って
いますが、そうではなく、東京でオリンピックを開くことで、何か世界のお役に
立つようなことができなければ、自己満足だけで終わるのではないかと思います。

 「こんな立派になりました、みんな元気ですよ」といったって世界中、大変な
ところは沢山あります。オリンピックを開催したら、他国は「まあ、それはよか
ったですね。経済大国だし」みたいに思われるだけですよ(笑)。被災地は大変
なんですから、復興にお金をまわしたほうがよいと思います。

 それと、日本のスポーツ界は、オリンピックやスポーツのいい面というものを
伝える努力をしていません。「オリンピックは選手が頑張ってメダル取るだけで
しょ」と思われているかも知れないのですが、元々は平和運動としての意味があ
るのです。そういうことを伝えていない。ただ「日本選手が活躍する場ができる
といいね」というのでは、「それだけですか」となって、説得力がありません。
それに石原慎太郎のような変なナショナリズムに利用しようとするのも問題です。

 オリンピックが始まれば、みんな関心を持つと思いますが、「スポーツって本
当にいいよね」とか、「オリンピックが本当に来てほしいね」と思ってもらうよ
うなことを、多くの日本人に伝えてきたのですかと言いたい。例えばJOCが全
国の小学校に元オリンピック選手をどんどん派遣して、「オリンピックの素晴ら
しさとは何か」について語るとか、日本サッカー協会が「心のプロジェクト」と
いう活動を展開していて、サッカー選手だけでなく貴乃花のような人たちも参加
してやっているのですが、そういったことを積極的にやれば、ずいぶん違うと思
います。

【加藤】イスタンブールに譲るというのは大賛成です。イスラム圏では初めてで
すから非常に現代的な意義があるし、それに日本が貢献したことにもなる。

【三ツ谷】私は多くの外国に行きましたが、中でもトルコは一番好きな国、素晴
らしいところす。イスタンブールから、1週間ほどかけて、奥地のほうを車でぐ
るっと回って、地中海のイズミールという町まで来たのですが、行く先々で地図
を広げると人が寄ってきて教えてくれる。歴史的にも、明治時代に難破したトル
コ船の人たちを日本人が救ったということで日本とトルコは仲がいいのです。

 イラン・イラク戦争の際にテヘランにいた日本人が帰れなくなり、トルコの人
たちは自分たちが乗って帰るべき救出機を日本に譲ってくれ、日本人がみんな救
出されたことがあります。朝日新聞はその理由について、日本の経済援助の強化
がその背景にあるとの記事を載せたところ、駐日トルコ大使から「純粋に人道的
見地である」との反論が投書欄に掲載されました。

 日本人は忘れっぽいのですが、トルコの人たちは先祖が世話になった日本人に
何かあったら恩返しをしようという気持ちを皆が持っていたわけです。普通に考
えると、トルコの救出機に乗る予定の人たちが、「冗談じゃないよ、自分たちの
国の飛行機なのだから、自分たちが乗って帰りたい」というのではないかと思い
ますが、日本人のために皆がどうぞどうぞと譲ってくれた。

 トルコ国民は、皆が明治時代のことを覚えていてくれて、日本人はトルコの飛
行機で無事に帰ってくることができました。その時、日本政府もJALも救出機
を出すことはできなかったのです。

 トルコは食べ物は美味しいし、国民性がすごく日本人に似ています。欧米の人
は自分を強く押し出すようなところがありますが、なんか奥ゆかしいというか、
謙虚な感じがすごくします。
【加藤】お忙しい中、長時間有難うございました。
※このインタビューは2012年06月28日に三ツ谷事務所で行ったものです
が文責は編集部にあります。

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