今井 正敏'17

■投書             今井 正敏

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 オルタ16号の西村徹大阪女子大学名誉教授の『笑える幼稚と笑えぬ錯乱―森喜郎と小泉純一郎』は司馬遼太郎と日本浪漫主義派の元祖保田與重郎の国原(クンナカ)の自慢から稿を起こして森首相の「日本は神の国」発言、小泉首相の靖国参拝問題を取り上げ「森の幼稚は笑えた。小泉の幼稚は笑えぬ」と一刀両断に論を展開されている。まさに骨太の堂々とした論稿には心から同感の拍手を送りたいと思います。

 それにしても、「諸君」や「正論」などの右ウイング雑誌が「中国の横車を許してなるものか」「小泉首相は今年こそ8月15日に参拝を」「国家の死者儀礼に他国は口を出せない」などと参拝賛成論の声を大きくしている。賛否両論の交錯するなかで小泉首相の「適切な判断」がどう出るのか。

 私の推測では、小泉首相のシナリオは出来ているのではないかと思われる。私見では、それは「必ず参拝する」(石原都知事は「彼は8月15日に参拝する」と明言している。)ということを前提に書かれている筈だ。そのポイントは多くの人が言うように彼の性格(他人に言われても考えを変えない)と信念(ブッシュの忠犬になるのが国益の第一で、これに比べれば中国・韓国との関係などは大きな問題でない)にある。

このポイントにからんで問題が二つある。その一つは北朝鮮の6者協議開催問題、もう一つは明年9月の首相退任とポスト小泉問題である。彼は、この二つを睨んで「参拝の時期」を決めようとしているのではないだろうか。

 そして、今年は中国が言う「抗日戦争勝利60周年」にあたるので見送り、明年「適切」な時期に行こうというのではあるまいか。

 さて、この筋書きが進められた時、中国・韓国はどう動くか。予測するのは難しく冷静に見守る他にないが、ただ強く強く小泉首相に求めたいのは、多くの人が長い年月をかけて営々と掘り続けてきた友好の井戸を埋めてしまうような愚を避けてもらいということに尽きる。