俳句105

■俳句  富田 昌宏

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  富士不動東洋城の忌なりけり(東洋城=「渋柿」の創始者)

  樫の瘤擦れば秋の声洩るる

  鋤き起こす土秋声を発しけり

  長き夜や吾を虜にする源氏物語(げんじ)

  ペン胼胝(だこ)をさすり箸割る走り蕎麦

  一条の飛行機雲や鬼やんま

  秋蝶の羽を休めて裸婦の像

  蔵の街猫も影曳く月夜かな(栃木市)

  露天湯に浮かびし月を掬いけり

  重陽や八十路は人生道半ば(重陽=九月九日)

         (俳句結社「渋柿」代表同人)

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