【俳句】  

富田 昌宏

療養日誌
  水田にはまり九死や落し水

(入院3旬)

  冷やかに受診の腕をさらしけり

  点滴の一滴ごとに秋寒し

  わが体わがものでなし霜の朝

  関八州に放つ後光や初筑波

  生かされて八十路半ばや大旦(あした)

  読初や「新老人の思想」など

  寒明けや杖を片手に試歩百歩

  臘梅や部屋に満身創痍の身

  寒明や招福干支を腰に下げ

         (俳誌「渋柿」代表同人)


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