俳句56

■俳句                             富田 昌宏

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黒南風(くろばえ)やロダンの像の黙深く

観音の御手に翅病む黒揚翅

子を生みに黄の蝶舞ふや合歓(ねむ)の花

物の怪の棲む闇深し七変化(七変化=紫陽花)

人生に句読点ありはたヽ神(はたた神=雷)

ネクタイを解くや首筋汗匂う

自分史を書くほどもなし夕端居

(蔵の町栃木)右読みの蔵の屋号や大西日

無窮へと鳩よ飛ぶべし原爆忌

(妻恋し)衣更へて遺影に近く座す一ト日

                 (俳句結社『渋柿』代表同人)

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