俳句68

■俳句                        富田 昌宏

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風筋に野良着のままの昼寝かな

莚一枚植木屋さんの三尺寝

昼寝覚むや古代ギリシャの旅の果

先頭の蟻に大志のあるごとし

爆心地へ匍匐前進蟻の列

早苗田や筑波二峯の生みし風

風鈴や堰越す水の二重奏

炎天や影を消したるノッポビル

蝉涼し王義之(おーぎし)の書をなぞり写す

花合歓(ねむ)や小野小町の小さき塔

         (俳句結社「渋柿」同人代表)

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