俳句71

■ 俳句                       富田 昌宏

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(足尾銅山)
黒々と銅山(やま)の素顔や秋深く

秋深し離村碑の影長く長く

秋たくや那須の秘湯をのぞく猿

なぞり書く万葉仮名や実むらさき

蜩の声を栞に「源氏物語」閉づ

無住寺の門の主や秋あかね

(高野山)
石一つ墓とし拝む野菊かな

歩きつつ洩らす一事や銀杏散る

新藁を褥に牛の親子かな

稲刈機音快調や筑波晴

          (俳句結社「渋柿」同人代表)

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