写真紀行 東方快車の旅16

写真紀行 東方快車の旅   田島 正

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祁連山脈を超え河西回廊を渡る列車の旅-1 ─
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 シルクロードの入り口に横たわる祁連山脈を越えゴビ砂漠を渡るの鉄路の旅を 試みる。 ウルムチから蘭新線を利用してで蘭州までさらに西安までを隴海線に乗り継ぎ 全行程2600キロを「東方快車」号は東風4型ジーゼル機関車が牽引して走った。 「東方快車」の編成は政府要人の公用車輌を外国人の旅行者のために軟臥車(2 等車)、高級軟臥車(2人用コンパートメント仕様の1等車)、夕餐車(食堂車) 酒車(バーつきのラウンジ車)などと内装を改装したもので酒車にはピアノや日 本製のカラオケまで配置された豪華列車だったが外観は一般の車両と変わらない。

 夜行列車で乗車して早々に夕餐車で豪華な夕食を賞味することになった。この夕 食は「正餐」と書かれたメニューで御飯を入れると15種類の料理の名前が並んで いた。例えば「油爆魚片」で爆は高温の油で少し炒めること、「干燒魚」の燒は 炒めたあと茹でるなど四川の料理に多い。「蛋皮魚巻」の蛋は卵の意味で、蛙の 肉を薄く切って盛り合わせた料理の名前は「葱油白・」で蛙であるとは感じさせない。

 「肉」は中国料理では豚肉を表していて「香」や「椒」の文字が現われた ら七味の一種で料理されていると思えばいい。 朝食の席には「早餐」と書かれたメニューが置いてありなんとなく慌ただしい 感じで早々に列車は柳園に着いてしまった。 敦煌には車で140キロ、二時間半ほどで砂漠の美術館「莫高窟」に着く。 ここでは鳴沙山や莫高窟の風景より莫高窟の東側に展開している広大な砂漠地 帯が気に入ってしまった。 

  一人で歩き回ってしまい久しぶりに開けた風景の広さを満喫することが出来た。

 石窟内部の見学には持参のペンライトが必要だったが全ての石窟の入り口が東 を向いているのに気がつき早朝の朝の直射光で内部を観られたらと思った。 敦煌から柳園駅に帰る。 ここから蘭州までの間には標高2800メートルの祁連山脈を越えるため蘭州駅で はジーゼル機関車がSLに交換されていた。 途中嘉峪関では万里の長城の西端を見るために下車するのだが蘭州まで乗車時 間が24時間を越す列車の長旅が始まる。