加藤宣幸先生 桃の花が咲いています

坪野 和子

1.加藤宣幸先生がどんな花がお好きなのか…存じません…が

 実は、私が加藤宣幸先生とはじめてお会いしたのはいつだか覚えていません。2011年9月に社会環境学会で「ブータンのGNHと仏教思想—王国憲法から読む—」と題した研究報告をした時から、加藤先生の先導で大先輩の皆さまとご一緒させていただいておりました。その後、「オルタ」にブータンのGNHについて拙稿を執筆させていただき、ありがたいことにご質問くださったかたがいらっしゃいました。良い機会を与えてくださったと感謝しました。

 014年5月から連載をもたせていただいております。毎月の連載の原稿を打つための作業は近くの県立図書館で行っています。最初の原稿を打ちに行ったとき…図書館の桃の花が満開でした。…ブータン国花はブルーポピーですが、仏教による平和と繁栄の花として多くの人に愛されています。ステキな連載開始でした。
 4年経った今、今日も桃が満開でした。桃の花は同じ幹に白とピンクと混合の花を咲かせています。1本の根幹から多様な花となって。メールマガジン「オルタ」…一人ひとりが声をあげて平和を創る…一つひとつの花が咲く。

 そういえば…同席させていただいたとき、いつも感じていたのですが、加藤宣幸先生って、ご自身の理想・信念を強くお持ちだけど、多様な意見や経験を聞き出すのがお上手で、なにかの話題から一人ひとりを引き出していらっしゃいました。また、2016年11月に東京曙橋チベット料理店「タシデレ」での私のライブにお越しくださり、私の知人たちとあっという間に親しくなり、このコミュニケーション能力を授かりたいと思いました。

 それと、多様さで重視されていると感じたこととして、女性に対する平等な視点をお持ちだったことです。何人かの女性のスピーカーがオルタでお話しになったとき、それは女性に対する態度でもなく、外に出る男性のような女という態度でもなく、極めて「人間」に向かう態度だったと感じました。女性にとっては加藤宣幸先生のオーラは居心地が良いのです。

2.天寿をまっとう・大往生

 「オルタ」では、沖縄の政治問題に触れることが多く、日本の政治に疎い私にはとても勉強になりました。私にとって身近なチベット問題と比較しながらいろいろな分析を見つけ、平和な未来に向けて何ができるのか、何をやめさせなければならないのか…考える機会を作っていただきました。…沖縄といえば、「おくやみ」新聞欄。「天寿をまっとうし永眠」という言葉。私は…私が…加藤宣幸先生がそうであったと信じたい。
 話しは自分のことになりますが、ある日、パキスタン人生徒とこんな話しをしていました。「日本は何歳までで仕事は終わりって年齢で決められるからね」と私が言うと、彼は「先生、パキスタンに来てパキスタンの学校で教えたらいいよ、パキスタンは死ぬまで仕事をする」「そうね、死ぬときは、あの人、前の日まで仕事していたのに朝ずっと眠ってしまってそのまま起きないんだ、って言われたい」…これを日本仏教では「大往生」というけれど、イスラームでは何というのかしら…?

3.「編集後記」「きょうようときょういく」

 加藤宣幸先生の「編集後記」を拝見するのが好きでした。メールマガジン「オルタ」は最後から読んでいました。「定年後は、きょうようときょういくが大切なんだよ」っておっしゃるかたがいました。その意味は「今日、用がある」「今日、行くところがある」とのことです。「編集後記」の多忙さアクティビティはその言葉を超えているのでは??

4.四九日

 私は、チベット仏教のお寺で勉強したので、加藤宣幸先生はすでに生まれ変わっていると信じています。今、おかあさんのお腹の中に宿って。子ども・少年・青年いずれかの時期に57歳年下の男子が多様で平等な視点で平和を願う何かを語っていたら、その子は加藤宣幸先生の転生だと思いたい…またお会いしましょう。

5.最後にいただいたメール

 やさしい男は強い信念がある男…。

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  原稿拝受しました。いつもありがとうございます。
  今年は寒さが厳しかったですが、お変わりありませんか。
  今日は日差しが暖かく少しホットしていますが、寒さも
  峠を越したと思います。
  オルタも頑張りますのでお力添えください。
  とり急ぎ原稿拝受のお礼まで。     加藤宣幸

    2018年2月12日 0:34
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 (高校時間講師)

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