変えなきゃ石原都政

■変えなきゃ石原都政     塩田三恵子

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 石原知事の登場がそれなりに期待を持って受け止められたのは、黒い煤入りの
ペットボトルを振って行ったディーゼル車規制の発表だ。しかし、ロードブライ
シングなど継続すべき政策展開はみられず、トップダウンの都政運営と時代遅れ
の政治感覚(国際感覚・男女共同参画・分権等)、さらに教育基本法改悪を先取
りする都教育委員会の強権体質の背景にある教育委員任命権者である知事の責
任は大きい。 
 
 2007年度東京都予算案の審議を経て、2期8年の石原都政が終わろうとして
いる。今期の公約であった1000億出資して開業した「新銀行」は思惑がはずれ
危機的状況にある。加えて側近浜渦氏の重用や四男への特別待遇に見られる都政
のファミリー化は知事としての末期的状況が表面化したものだ。
 石原都政の長期構想として、かつて「東京構想2000」が策定されたが、「長
期構想は嫌いだ」とこれを放棄。ごく限られたブレーンで、新銀行などのサプラ
イズ政策を打ち出すようになった。結果、政策の総合的、体系的な展開ができず
場当たり都政の弊害を生む事態となっている。
 
国の外交マターである沖ノ島への漁業権確保に熱を上げたり、突然思い立った
ようにオリンピックの招致に予算をつぎ込むなど、都民のための政策というより、
知事個人の思い入れ政策がまかり通っているのでは都政の私物化と言わざるを
えない。
 
「知事の仕事は都庁に来ることだけではない」と、週2、3日しか登庁しない
ため、職員は刹那的な政策や知事の目をごまかすことに汲々とし、政策に一貫性
や発展性がなく、全てが中途半端なままとなっている。
 
さらに、知事自身の国際感覚は、都民の利益はもちろん、国益をも損なってい
る。中国、韓国に対する露骨な敵視発言をくりかえしながら、国際性が問われる
オリンピック招致をめざすという倒錯した感覚に、都民は疑念を募らせている。
 
三選出馬を表明した石原知事は、知事選を見据えた昨年末「10年後の東京・
東京が変わる」を発表。重点8項目中4項目が都市整備に関するもので「水と緑
の回廊につつまれた、美しいまち東京の復活」などのフレーズに彩られ、ついに
「環境重視への転換か」と思わせておきながら、具体策は「3環状道路の整備
で・・・快適で利便性の高い都市を実現」など、道路整備が全面に出されている。
  
東京は、3300万人という世界最大の都市圏と、それを支える発達した鉄道
網という点でまさに巨大都市のモデルと言われている。1人当たりの交通で消費
する二酸化炭素(温室効果ガス)は、工業国中で最も低い水準を維持しているの
であり、この点で、知事が長期計画で描く「10年後の東京」には、疑問を呈さ
ざるを得ない。石原都政の本質が露呈した今、新しい知事の誕生は切なる都民の
願いである。
 
浅野史郎さんが出馬を表明した。生活者ネットは「ようこそ浅野さん」と大歓
迎し全力で当選のために力をつくしたい。すでに生活者ネットの「東京構想」を
浅野さんに渡し「市民マニフェスト」策定を提案した。共に都政改革を進めてい
きたい。
                (筆者は東京・生活者ネット運営委員)

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