憂鬱な日々

北から南から】■北の便り   

憂鬱な日々  南  忠男

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◇憂鬱な日々

 「教育基本法改悪」「防衛庁を省に昇格」と矢継ぎ早に「憲法を改悪して戦争に
参加できる国~美しい国」を目指してひた走っているようだ。民主党までが対案
を出したり、賛成に回ったりでは本当に情けない話である。

 今日は12月8日、太平洋戦争海戦65周年だ。当時私は8歳で小学校2年生だ
った。敗戦の年には12歳になり、立派な?軍国少年に成長していた。戦争が人
間の殺し合いであり、戦争で自分が殺されることにも、人を殺すことにもなんの
疑問も感じない人間に育っていた。

 ほんとうに憂鬱な日々が続いているが、「9条の会」の呼びかけ人の三木睦子さ
ん(故三木総理夫人)は89歳、鶴見俊輔さん(哲学者)は84歳とのこと。私は
73歳でこのお二人に比べれば未だ若い。「憂鬱な日々」なんて云って悩んでいな
いで頑張ろうか。

 札幌市の私立「北星学園女子中高」の中学三年生27人が~「国を愛する心は
人それぞれが自分から思うものであって、おしつけられるものではない」と指摘
し、安倍首相に「本当に私たちの将来のことを考えてくれていますか? 返答を
ください」と求めた。~「11月17日付け北海道新聞」と報じられている。私た
ちの孫の世代の子どもたちだが、こんな賢明な子どもたちが育つ環境を守るよう
に私も頑張らなければならない。

◇1年以上も隠されていた「米軍戦闘機訓練による住民被害」
  防衛施設庁談「公表す立場にない」道庁談「発表する権限はない」

 青森県三沢基地所属の米軍F16戦闘機の飛行訓練による衝撃波で乳児がケガ
をするなどの被害が道南で発生していたことが北海道新聞(12月5日)で報道さ
れ、道民にはじめて知らされた。衝撃波で民家の窓ガラスが割れ、破片が生後3
ヶ月の乳児の顔に当たり、約1週間の傷を負わせていたことが4日に分かったと
のこと。

 事故が起きたのは昨年の9月9日午後零時半ころとのこと。被害のあったこと
は重大であるが、1年半近く隠されていた事実はもっと重大である。
 防衛施設庁は「事故原因を調べるのは米国側で、施設庁は公表する立場にない」
とし、札幌防衛施設局から報告を受けていた道庁は「道には発表する権限はない
~道危機対策局~」と話しているとのこと(北海道新聞)。

 「立場にない」「権限がない」というが、国は日本の領土と国民を守る立場にな
いのか。施政権まで放棄したのかと言われても仕方がない。道は住民の先頭に立
って、国とアメリカ政府に対し抗議すべきを、事実をかくして「権限がない」と
開き直るのは言語道断である。住民の生命と財産、安全を守るのが自治体の使命
ではないのか

 道のまとめによるとこの種の被害は、97年11月以降12件発生し、今回の分
を含めて5件が未発表とのことである。北海道では沖縄・嘉手納基地のF15戦闘
機を千歳基地に受け入れる準備が進められ、千歳・苫小牧の地元両市が訓練の受
け入れを決めているが、住民の安全の前提が崩れたのであるから再検討すべきで
ある。

 自治体としては道だけの責任でなく、住民の住んでいる市町村にも責任がある。
道庁に報告すればことが済むのではない。千歳・苫小牧両市は札幌防衛施設局と
文書で協定を結ぶことになっているが、訓練空域下の自治体はもっと広域になる
ので、これらの自治体も十分な説明を受け、協定を求める権利がある。

◇ダンゴ(談合)3兄弟と地方自治

 福島・和歌山・宮崎県の談合事件と同種の事件が私の住む旭川市の隣の深川市
でも発生し、市長が逮捕された。道内ではつい先ごろ美唄市の幹部職員が逮捕さ
れ、6月には長万部町長が逮捕されたが、いずれも談合である。

 県のダンゴ3兄弟については、都道府県に大きな権限が集中し過ぎた結果であ
ると、地方分権に竿をさすような意見が出ている。しかし、これらの事件が、地
方分権にとって障害になってはならない。権力のあるところに汚職がつきまとう
ことは、防衛庁その他の事件に見られるとおりである。

 問題なのは自治体に住民による監視や住民自治の機能がないことであり、地方
自治そのものが未だ道半ばということであろう。首長選挙での相乗りなどは民主
主義の放棄につながる。

 民主党は統一自治体選挙を明春にひかえながら、東京とおなじように北海道で
も未だ知事候補を決められない状態である。~日暮れて道遠し~と云うのか、頑
張らなければ・頑張らなければと自分を叱咤しながらも、憂鬱な日々はまだまだ
続きそうである。(12月8日~日米開戦65周年の日~記)
                        (筆者は元旭川大学講師)

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