新刊紹介 『もうひとつの世界は可能だ』

新刊紹介
今月はメルマガ「オルタ」の源名『オルタナティ―ブ』=『もう一つの』にちなんで 最近出版された2冊をとりあげる。-
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□ 『もうひとつの世界は可能だ』

-世界社会フオーラムとグローバル化への民衆のオルタナティブ-編者 ウイリアム・Fフイツシャー。トーマス・ボニア
-監修 加藤 哲郎 日本経済評論社刊(457頁)
     定価 2500円+税
───────────────────────────── 監修者あとがきによれば、この本は「世界社会フオーラム」(WSF)についての初 めての書物と銘打たれ「現代世界で進行するグローバル化の問題点を、世界の知性と 抵抗運動が一同に会して討論した稀有な記録であり、21世紀の希望と夢を『もうひと つの世界』というオルタナティーブに託して多様な根拠と分析から方向づけた ものである」とされる。

   監修者の加藤哲郎氏は一橋大学教授で20世紀の社会主義・共産主義運動の研究者と してつとに著名であるがインターネットによる非戦平和運動の活発な活動家としても 知られ早くから、この「世界社会フオーラム」を紹介してきた人である。

  著者の二人も『私たちは、本書を日本の政治的活動家の皆さんに捧げる。あなた がたの日本におけるたたかいの成功は、新自由主義的グローバル化と帝国主義に反対 するグローバルなたたかいにおける決定的な一部である。私たちはあなたがたの尽力 が私たちを奮い立たせ、本書があなたがたを勇気ずけることを心から望んでいる』と 熱いメッセージを寄せている。これを読めばこの書物の意図するものがおおよそ分か ろう。

 それにしても04年1月インド最大の都市ムンバイで10万人も世界から活動家が集 まって開かれたこの「世界社会フォーラム」について日本人は知らなすぎるように思 う。

 これについては、朝日新聞の「視点」で元国連大学副学長の武者小路公秀氏も指摘 されていたが、雑誌「世界」04年3月号に『世界は地の底から揺れているー世界社会 フオーラム報告シアトルからムンバイまで』と題する北沢洋子氏の論文も是非参照し たい。歴史的な世界同時反イラク戦争反対デモと反グローバリゼーション運動の世界 的なうねりについて詳しく書かれている。

加藤哲郎先生HP : http://www.ff.iij4u.or.jp/~katote/Homef.html

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□『もうひとつの日本は可能だ』 著者 内橋 克人

   光文社刊 (241頁)   定価 1400円+税
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著者は「匠の時代」「共生の大地」などの主著にみるように“並の”経済評論家と は視点が違う。  『「閉塞の日本」からの脱却には「徒労の経済」=「一喜一憂資本主義」を超えな ければならぬ。その胎動は始まっているのだ』『政治や企業が社会を変えるのではな く、社会こそ政治や企業を変えるのだ』 『人が人として尊重され、人間生存の条件 をより確かなものとし、会社は潰れても人間は潰れない社会を目指す』とオルタナ ティーブとしての「もうひとつの日本」の可能性を力強く読者に訴えている。