【催し案内】

<津久井やまゆり園事件を考える相模原集会>

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  ◆◇ 津久井やまゆり園事件を考える相模原集会への呼びかけ ◇◆

 2016年7月26日早朝に殺人事件が発生しました。19人もの重度の知的ハンディがある人たちが殺されました。傷を負った人は23人(他に職員の3人が負傷)です。重度の知的ハンディがある人たちの生存を否定する行為でした。
 この事件にかかわる問題点は上記のほか、①大規模収容施設ゆえに大量の殺人事件がもたらされた。➁事件の被害者は匿名にされ、社会的存在として認められなかった。③安倍首相は、この事件を「精神病者によるもの」とし、対策の強化を指示し、法律の改定が図られた。④設置者の神奈川県当局は「事件に負けない」とし、早々に、80億円をかけての建替え方針を打ち出した。

●重度の知的ハンディがある人が地域で生活できる社会へ
 地域生活の実践を行う人たちは、やまゆり園事件がはらむ問題点の解決のために、各地で議論を起こしました。
 私たちは、2月27日に、神奈川県知事に対して、やまゆり園の建替えをやめ、跡地を慰霊のための施設を含めた公園を整備するとともに、地域生活のモデルとなるような建物整備を提言しました。
 今日、重度の知的ハンディがある人を含めて、地域生活を営むことに対しての支援が制度化されています。重度訪問介護を利用して地域生活を実現している人は各地にいます。早稲田大学教授の岡部耕典さんは、息子さんが14才の時から取組んで、自立生活を実現しました。
 津久井やまゆり園のような事件が起こらないための解決は、重度の知的ハンディがある人たちがあたりまえに地域生活が行えるような社会になることです。
 日本で実現してきた自立生活は世界的な潮流でもあります。

●被害者とその家族の声に
 一方、私たちは、津久井やまゆり園の家族会前会長の尾野剛志さんとの懇談を重ねました。尾野さんの体験を聞くとともに、地域生活に向けての取り組みの必要性を尾野さんに語り掛けました。尾野さんは、私たちに一定の理解を寄せてもらえましたが、20年に及ぶやまゆり園での息子さんの生活から、園への思い入れは強いものがあります。当事者やその家族にとっては、やまゆり園はよりどころでありました。津久井やまゆり園で生活をしていた人たちは、大半が長期に施設で生活してきた人たちであり、何十年も慣れ親しんできた施設に戻ることへの希望があります。再び、施設での平穏な日々が続くことを望んでいます。この人たちに、「園を出て地域生活を始めましょう」と語りかけても、その話が心に届くものではありません。それぞれの事情があって、津久井やまゆり園への入所となったものです。

●じっくりと話し合い続けることで理解しあうことが大切
 その立場を尊重したうえで、何より当事者がより良い人生を築いていくために、どのような生活のあり方が良いのかを考え続けることで、解決が見出さるだろうと私たちは期待しています。

2017年5月1日津久井やまゆり園事件を考える集会
 よびかけ人  佐瀬睦夫(社会福祉法人県央福祉会理事長) 鈴木治郎 堀利和 西定春

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