【沖縄の地鳴り】

福島みずほ議員 参院予算委で辺野古土器発見と工事強行で質疑

<015年11月11日 参院予算委員会>


○福島みずほ議員 辺野古で土器や石器が見付かっております。文科大臣、文化財保護法九十四条に基づき、沖縄県が今後遺跡に指定した場合には、文化財保護のための手続が進むということでよろしいでしょうか。

●国務大臣(馳浩君) 二点申し上げます。
 文化財保護法上、埋蔵文化財が所在する土地において国の機関等が工事を実施する場合には、都道府県教育委員会は、埋蔵文化財の保護上特に必要があると認めるときは、国の機関等に対して協議を求めることができることとされています。
 二点目、その協議の結果、工事計画の変更も選択肢としてあり得るが、やむを得ない事情で計画変更ができない場合においても文化財の記録を取るための調査を行い、工事を実施することが通例であります。

○福島みずほ君 この文化財保護法にのっとってしっかりやられること、そして、工事が、もちろんやる場合もありますが、工事をやることでこの土器や石器、文化財保護ができないという事態も起き得ます。しっかり土器、石器が見付かった時点で工事をストップすべきだ、いかがですか。

●国務大臣(馳浩君) どこでどういうふうな土器、石器が発見されたかという報告がまだ文部科学省に上がっておりませんので、その報告が上がった段階において、事実に即して、またこれまでの通例も踏まえて丁寧に対応したいと思います。

○福島みずほ君 是非工事をストップしていただきたい。土器や石器も含め、文化財保護法にのっとってしっかり文科省がやってくださるように心からお願いしますし、そのことを防衛省も官邸も尊重してくださるように申し上げます。

 沖縄辺野古のことですが、先週も辺野古に行ってきました。

 沖縄は新基地建設反対です。名護市長選、名護市議選、そして沖縄県知事選、衆議院選挙、全て沖縄新基地建設反対の候補が勝ちました。沖縄はノーです。
 総理、沖縄が嫌だ、嫌だ、嫌だ、新基地建設反対と言っているのに、なぜ工事を強行するんですか。

●内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、多くの米軍基地が沖縄に集中している、この現状を変えなければならないと思っております。中でも、住宅や学校に囲まれ、市街地の真ん中にある普天間の固定化は断固避けなければならないということでありまして、これは政府と沖縄の共通認識であると考えております。辺野古への移設によって普天間は、これは全面返還されるわけでありまして、一日も早い返還を実現することこそがこの問題の原点であろうと、こう考えています。

 この辺野古以外にあるかということについては、これは福島委員も連立政権に参加をしておられましたからよく御存じのとおりであろうと思います。最低でも県外ということで、鳩山当時の総理大臣が四十数か所の場所について移設可能性を探ったと。しかし、結局辺野古しかなかったということであります。その結果、言わば普天間から辺野古に移るための辺野古での工事が遅れることは、一日普天間の移設が遅れていく、危険性の除去が遅れていくということにつながるわけであります。我々政治家の責任は、現実と向き合いながら一つ一つ確実に危険性の除去を進めていく、そして同時に負担の軽減を行っていくということではないでしょうか。

 この辺野古への移設についても十九年間動かなかったわけであります。しっかり工事を行っていけば五年間で完成し、言わば移設が始まっていくということにつながっていくわけであります。(後略)

○福島みずほ君 沖縄の人たちはそんなこと一ミリも納得しませんよ。一ミリも納得しませんよ。私も、沖縄辺野古に新基地建設を、造るという閣議決定に署名を拒否して大臣を罷免になりました。沖縄の人たちを裏切ることはできませんし、沖縄の民意はノーです。沖縄の人たちは分かっているんですよ。たかだか少し返還をされても、というか、沖縄の新基地建設、辺野古のは新基地建設であって移設ではないということ、それから、最近も報道がありますが、アメリカの海兵隊撤退を検討した後、復帰直後、日本の方が沖縄残留を望むとか、様々な報道があります。沖縄の民意をなぜ踏みにじるのか。佐賀では、オスプレイへの慎重というのが出ればオスプレイの受入れをさせないわけじゃないですか、佐賀には。沖縄はなぜ踏みにじるのか。地上戦を経験した沖縄でなぜ更に踏みにじるのかということに関して沖縄の人々は納得をしておりません。

 総理にお聞きをします。沖縄県知事の公有水面埋立承認取消通知書、お読みになりましたか。

●内閣総理大臣(安倍晋三君) この通知書は担当の大臣宛てに出されたものでございますが、報告を受けております。

○福島みずほ君 この取消しは違法だと総理はおっしゃっています。どこが違法ですか。

●国務大臣(菅義偉君) この取消書について、私たちは、前仲井眞知事がこの承認の判断をした、そのことに瑕疵はないというふうに考えております。

○福島みずほ君 海面の埋立ての承認の権限を持っているのは県知事です。そして、それを取り消した。そして、総理、沖縄の声を聞くと言いながら、この通知書の中身さえ読んでいないんですか。何が問題といって知事が取消しを求めたか、読んでいないんですか。

●内閣総理大臣(安倍晋三君) それは大臣宛てに出されたものでありますから、私は当該大臣から報告を受けるのは当然のことでございます。
 それとともに、これはまさに手続においては仲井眞知事の時代に淡々とこれは進めてきたわけであります。十分に精査をしながら進めてきたわけでありまして、それに瑕疵があったというふうには考えていないわけであります。

○福島みずほ君 ひどいですよ。きちっと、なぜ今の知事が取り消したのか、それをきちっと議論し、納得するように、環境問題や様々なこと出ていますよ、それを検討すべきじゃないですか。知事は埋立ての承認の権限を持っています。だとしたら、知事は取消しの権限も持っているはずです。瑕疵があると考えた知事が取り消せば、埋立ては、承認は無効になります。なぜそれを聞かない。国と地方公共団体は対等じゃないですか。どうしてこんな形で踏みにじるのか。

 先週、沖縄で全国ドメスティック・バイオレンスシェルター会議がありました。私は、この今政府がやっていることは沖縄いじめだと思います。沖縄に対するある意味DV政権。嫌だ嫌だ嫌だと言っても殴る、言うことを聞かない、読んでもいない、そして、現知事が言っても、その取消しは違法であると言い放つ。それはおかしいですよ。

 沖縄は、第二次世界大戦中、本土決戦を防ぐために捨て石とされ、四分の一の住民が亡くなりました。沖縄の人々は、今度もまた捨て石にされるのか、また更に恒久的な基地を押し付けられるのか、怒っています。今、警視庁からたくさん機動隊が来て、近くのホテルに泊まり、地上戦を生き残ったおじい、おばあをごぼう抜きしている。沖縄の人たちの神経逆なでして、怒っていますよ。

 政治が何のためにあるのか、民主主義を踏みにじったこの戦争法の強行や、沖縄の声を聞かない、こんな民主主義を踏みにじる内閣は大問題であり、退陣すべきだということを申し上げ、沖縄の声を聞けと申し上げ、私の質問を終わります。


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