【沖縄の地鳴り】

編集後記・沖縄辺野古関連月表 2016.1.17〜2.15

仲井 富


<編集後記>

 1月から2月にかけての最大の動きは宜野湾市長選だった。前回900余票の差だったが、市長選二期目は現職が強い。大きな失敗がないかぎり佐喜真再選だろうと個人的には予測した。また勝ち続けるとどうしても緩みが出る。この辺で敗北しておかなければ6月の県議選、7月の参院選が締まらない。これでオール沖縄側も必死になるだろうと思う。
 何しろ安倍政権側にすれば後がない。ここで敗けるわけにはいかないから、金も人もつぎ込んだ。街頭に立ったのは小泉進次郎だけ。自公ともに閣僚も都議もそれぞれ地元の関連業界など一人一人に声掛けをした。学会は全国の学会員に沖縄県内の知人名簿を出させて、電話をかけ宜野湾市内の有権者に働きかけた。まさに地上戦である。対するオール沖縄側は街宣車、チラシ配りなどで圧倒したが、地方選挙では空中戦で勝つのは無理ということだ。

 とはいえ、安倍政権もボロが次々出始めた。甘利大臣の収賄疑惑での辞任、イクメン議員・宮崎謙介衆議院議員が不倫疑惑で議員辞職し、4月24日(日)の衆議院補選は北海道5区と京都3区の二つとなった。国の除染基準である年間1ミリシーベルトに「科学的根拠はない」と言い放った丸川環境相は発言を撤回して謝罪。島尻沖縄北方担当大臣にいたっては歯舞を読むことができずに教えてもらうなど散々だ。安倍政権を揺るがすのはアベノミクスの失敗だけでなくタガが外れた自民党閣僚や議員たちだ。とくに島尻氏の失態は、安倍政権が沖縄参院選だけを意識し、北方領土など真剣に考えていない人材起用だということを示した。第一次安倍政権の崩壊は閣僚の失言失態から始まったことを忘れているのか。

 民主党の枝野幹事長が沖縄を訪問し「今の強権的なやり方での工事は認められない」と発言したのは一歩前進だが、京都市長選、八王子市長選など自公民社民連合という既成政治勢力連合で勝ったといえるのか。これこそが有権者の批判を買い、東京、大阪、京都などで3年前参院選で議席ゼロとなった原因ではないのか。大阪維新を「ゆ党」と批判したが、民主も社民も地方選では「ゆ党」そのものといえる。こんなことは米欧の政党政治ではありえないことだ。

◆16・2・17
名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ前に17日早朝、新基地建設に反対する県・市町村議会議員を含む県内外の100人以上が集まり、工事車両用ゲートをふさいだ。機動隊による排除や工事車両の進入はなかった。

◆16・2・16
辺野古新基地建設への土砂搬出に反対する熊本県連絡協議会のメンバー7人が16日午前、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブのゲート前を訪れ、座り込む市民ら約60人を激励した。協議会の生駒研二事務局長は「共に頑張りましょう」と呼び掛けた。

北谷町議会(田場健儀議長)は16日午前の臨時議会で、米アラスカ州米軍基地所属の最新鋭ステルス戦闘機F22とF16戦闘機計26機が、米軍嘉手納基地へ暫定配備されたことについて、外来機飛来・暫定配備・訓練に抗議し、即時撤去を求める抗議決議と、意見書を全会一致で可決した。抗議決議と意見書は、両機種のほかにも、同基地にはAV8BハリアーやFA18など、約40機の外来機が飛来していることを挙げ「1970年代のベトナム戦争期以来の規模」と指摘。

◆16・2・16
沖縄県議会(喜納昌春議長)2月定例会は16日午前、開会した。翁長雄志知事は所信表明演説で「辺野古の新基地は造らせないことを引き続き県政運営の柱にする」と述べ、公約の実現へ決意を示した。

◆16・2・15
翁長雄志知事は15日、代執行訴訟の第4回口頭弁論で被告人としての本人尋問後、県庁で記者団の取材に応じ「沖縄の基地の過重な現状、それを是正できない日本の国の民主主義の在り方を見通して、いい形で客観的に判断願いたい」と、証言に込めた思いを述べた。判決への対応について「最高裁までいって負けた場合は、判決に従う」と、法治国家の行政機関として、最高裁判決を受け入れる方針を示した。

◆16・2・14
枝野幸男民主党幹事長は14日、前日に引き続き沖縄県内各地を訪れ、意見交換会や戦争跡の訪問など、各地を視察して回った。普天間基地の移転などについては、「今の強権的なやり方で工事をすることは認められない。かけ違いがひどくなっているのだから、一度ボタンをはずして出発点に戻って、県民の皆さんに寄り添った形で対話をすべき」と述べ、役割と責任を果たしていきたいと答えた。(民主党広報委員会)

産経新聞の14日の報道で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の移設先となる同県名護市辺野古近くの米軍キャンプ・シュワブのゲート前で先月、移設反対派がコンクリートブロックを積む事件があり、沖縄県警が威力業務妨害容疑で約1500個のブロックを押収したことが13日、分かった。

◆16・2・13
名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前では13日、早朝から約80人の市民が抗議行動を行った。午前6時50分過ぎには、座り込んだ市民を機動隊が強制排除。その間に工事用トラックなどの車輌が基地内に進入した。午前9時過ぎにも基地内から出ようとしたトラックが座り込んだ市民に阻止されたため、機動隊が市民を排除し、車両が基地の外に出た。

◆16・2・9
島尻沖縄北方担当大臣:「元島民の皆様の団体の、千島はぼ…何だっけ…(秘書耳打ち:はぼまい)え〜と〜、千島歯舞諸島居住者連盟、千島連盟ですね」
 北方領土の返還に向け、広報活動などを担当する島尻大臣は2月9日の記者会見で、北方領土に関するインターネット検定を紹介する際、資料にあった「歯舞」が読めず、近くにいた秘書官が読み方を伝えた。島尻大臣は沖縄北方担当大臣を務め、11月には北海道根室市の納沙布岬から北方領土を視察していた。

◆16・2・8
沖縄県は8日、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設先、名護市辺野古沿岸部での工事を可能とする国の決定は違法と訴えた「抗告訴訟」で、裁判の期日を速やかに指定するよう求め、那覇地裁に上申書を提出した。

◆16・2・7 沖縄タイムス
【平安名純代・米国特約記者】米議会調査局が先月20日に議会提出した報告書「米軍の沖縄駐留と普天間基地論争」で、仲井真弘多前知事が2013年に日本政府に要請した米軍普天間飛行場の5年以内の運用停止について「米当局は、代替施設が運用可能となる前に普天間を閉鎖するいかなる案も断固拒否した」と記していたことが分かった。

◆16・2・5
名護市辺野古の新基地建設の埋め立て承認取り消しをめぐる代執行訴訟で、福岡高裁那覇支部(多見谷寿郎裁判長)が提示した二つの和解案に対し、国側が応じず、判決を求める方針であることが5日分かった。和解案は原告、被告双方の合意が必要で、国が応じなければ和解勧告は不成立になる公算が大きい。

◆16・2・4
名護市辺野古の新基地建設に反対する市民らは4日早朝から、約160人が米軍キャンプ・シュワブの作業用ゲート前を中心に座り込みを行っている。これまで工事関係の車両の出入りは確認されていないが、市民らは同ゲートや第2ゲート前などで「大浦湾を守ろう」「ブロックを落とすな」などと抗議の声を上げながら資材搬入を警戒している。

◆16・2・2
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の県内移設計画を巡り、国が沖縄県の翁長雄志(おなが・たけし)知事に対して名護市辺野古沿岸部の埋め立て承認取り消し撤回を求めた代執行訴訟で、福岡高裁那覇支部が国と県に提示した二つの和解案の内容が分かった。関係者によると、一つの案は、国と県が訴訟を取り下げた上で、国は移設工事を中止し、両者が再度協議すべきだとしている。
 もう一つの案は、翁長知事に埋め立て承認取り消しの撤回を求める一方、国に対しては辺野古沿岸部に建設する普天間飛行場の代替施設を使用開始から30年以内に返還するか、軍民共用とするよう米国と交渉すべきだとしているという。

 共同通信社が30、31両日に実施した全国電話世論調査によると、米軍普天間飛行場を名護市辺野古に移設する政府方針を「支持する」は47.8%、「支持しない」は43.0%だった。夏の参院選後に憲法改正を進めることに「反対」は50.3%で半数を占めた。「賛成」は37.5%。

◆16・2・1
名護市辺野古の新基地建設に伴う埋め立て承認の取り消しをめぐり、沖縄県は1日にも、審査申し出を却下した国地方係争処理委員会(係争委)の決定を不服として、国を福岡高裁那覇支部に提訴する。翁長雄志知事の取り消し処分の効力を止めた石井啓一国土交通相の執行停止決定の取り消しを求める。2000年の係争委設置以降、決定を不服として、高裁に提訴するのは初めて。

◆16・2・1
名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前では1日午前6時ごろから、新基地建設を阻止しようと県内外から集まった約100人が雨の中、座り込みを続けている。同7時ごろ、警視庁と県警の機動隊員がゲート前に座り込んだ市民らを強制排除し、警察車両と鉄柵で囲んだ歩道に拘束した。市民らは「拘束する法的根拠は何か」と抗議したが理由は示されず、拘束は30分近く続いた。

◆16・1・31
県政与党会派や政党、労組関係者が、知事公舎で翁長知事ら県三役と選挙の総括に向けて意見交換をした。安慶田副知事によると、敗因としては立候補擁立の遅れ、現職の強み、相手陣営による辺野古移設の争点ぼかしの3点が挙げられた。

◆16・1・29
福岡高裁が和解案提示 翁長雄志知事と稲嶺進名護市長の証人尋問が決まり、突然、和解勧告案が示された29日の代執行訴訟の第3回口頭弁論。和解勧告という想定外の事態に県側のみならず、傍聴人も驚いて言葉を失った。裁判所の指示で詳細な説明は見送られた。受け入れるかどうかについて、翁長雄志知事も「まったくの白紙だ」との答えにとどめ、さまざまに意見をあおぐ姿勢も見せた。

◆16・1・29
東京都千代田区の衆議院第2議員会館前にて、「国の代執行許すな 辺野古埋立て反対!? 安倍政権抗議・沖縄県知事への激励行動」が行われた。

◆16・1・28
国と県が米軍普天間飛行場の辺野古移設問題や在沖米軍基地の負担軽減策などを中心に話し合う「政府・沖縄県協議会」の第1回会合が28日、首相官邸で開かれた。同協議会では基地負担軽減と振興策などについて、今後も継続して話し合うことで一致した。

◆16・1・26
島尻安伊子沖縄担当相は26日午前の閣議後会見で、翁長雄志知事が名護市辺野古の新基地建設に反対し、自らを支持する勢力を「オール沖縄」と表現することに対して、菅義偉官房長官が「実態とかけ離れている」とけん制したことに関し、「官房長官と全く同じ」との考えを示した。島尻氏は、自民党県連会長としての発言と説明。その上で「保守系の9市長が現県政とはやや違う立ち位置にいると認識している」と理由を述べた。

◆16・1・25
辺野古座り込みに100人が参加、厳寒のなかで、辺野古移設反対のシュプレールを繰り返した。

宜野湾市長選で再選された佐喜真淳市長は25日夜、BSフジの生放送番組「プライムニュース」に出演し、選挙公約として掲げていたディズニーリゾートの誘致に関し「できなくてもチャレンジしていきながら、誘致活動を進めていきたい」と、選挙期間中に比べて消極的な発言をした。

◆16・1・24
宜野湾市長選現職の佐喜真淳市長が再選。

◆16・1・21
市民の力が2日連続で辺野古移設工事を止めた! 〜辺野古ゲート前での400人座り込み大抗議(木曜行動)2016年1月21日(水)6時から、沖縄県名護市の辺野古ゲート前で、新基地建設に反対する市民ら300人による座り込み大抗議が行われた。

◆16・1・17
宜野湾市長選挙始まる。

 (オルタ編集委員)


最新号トップ掲載号トップ直前のページへ戻るページのトップバックナンバー執筆者一覧