■編集後記
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◎ この号は力石先生の寄稿を9.11の総選挙特集の意味でオルタ<19号臨時号>として発行することにしました。定期の9月20日発行のもは20号となりますので御了承ください。(加藤 宣幸)

◎ ハリケーン「カトリーナ」によるニューオーリンズの被災現場をテレビ報道で見て愕然とした。画面に広がる被害の激甚さや、人々の悲惨さ、不可避的に起きたであろう略奪とそれに対する無慈悲な対応の光景そのものではなく、そこに映っている人々がほとんどすべて「黒人たち」であるという事実に対してだ。白人の姿は数えられるくらいに少ない。

まるで、あの幾度も写真やテレビで見せられてきた<難民アフリカ>が、アメリカのど真ん中に浮上したかのようである。だがこれこそ世界帝国アメリカの核心部にある現実にちがいない。

この≪現実≫はアメリカの温暖化対応やイラク戦争と表裏の関係にあるというだけでなく、長期にわたって政治的に誘導されてきた「市場至上主義」と「格差社会」(むしろ二元化社会)の行き着いた先なのであろう。

 こじつけるわけではないが、これはいまアメリカ型をお手本にして「改革だ、改革だ」と浮かれているこの国の現実と、決して無縁な遠い光景ではない。(KK)