編集後記22

■編集後記

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◎「オルタ」も22号が出ることになり、手近かな“ミニメデイア“として少し
”認知”されたのかと自惚れる。それは11月20日のプーチン大統領来日に合わせて
望月先生の「北方4島問題によせて」、12月の最高裁弁論に向けて力石先生の「小
田急問題意見書」、最近の「石原都知事暴言」についての仲井反論、大詰めの
「WTO」についての富田提言などタイムリーな原稿が次々と編集部の依頼でなく入
稿したからである。

◎今年は第二次日韓協約100年、植民地解放60年、日韓基本条約40年、そし
て「日韓友情年」と日韓関係にとっては節目の年であった。「オルタ」として
も先号では小田川先生に「南北接近の実感」を、この号では西村先生に「韓
国と私」、金天鶴先生には「仏教からみた日韓の関係」を寄稿して頂いた。
これだけでは「日韓」の重大性に比べ、取り上げ方がいかにも少ない。これから
は、多くの論稿を、韓国側の視点も踏まえ、しかも「政治主義」に偏らないよう
にして繰り返し載せたい。

◎11月12日・東京で『2005ノーベル平和賞に1000人の女性を』―「野村か
つ子さんのノミネート記念の集い」―があった。この全世界的な運動につい
ては「オルタ」17号でも紹介したが当日は200名近くの参加者で、盛り上が
った。とくに野村さんとともにノミネートされた沖縄の高里鈴代さん、子供
の権利を守る運動の安藤由紀さん、慰安婦訴訟の宋神道さん、社会派シンガ
ーソングライター横山久美子さん、難民救済運動の相馬雪香さんなど長年に
わたって地味な活動に取り組んでこられた方々との交流が出来たのは嬉しか
った。それに韓国や米国の消費者運動家がわざわざ来日されたのも野村さん
の実績と人柄によるものだ。なお、この日の報告は「オルタ」としても協賛
し23号臨時版として配信予定である。

◎先日、友人たちと紅葉を探りに秩父にでかけた。今年は全国的に紅葉が遅く、
錦秋を堪能とはいかなかったが、案内をして頂いた神田さんの車で峰々を巡
って「秩父秋天」を楽しみ、夜は秩父困民党幹部が蜂起(1884年)前夜に集
結したというゆかりの鉱泉宿柳家に泊まり先達の苦闘に想いを馳せた。
よく知られているように秩父困民党事件は120年前に明治政府のデフレ政
策・軍拡増税そして世界恐慌による生糸輸出の激減という状況下で圧政と高
利に苦しむ農民数千人による武装蜂起事件である。結果は敗北に終わり、死
刑12名、無期刑など140名、罰金などは3600名を超え、参加者は「暴徒」
として断罪されたのである。
 これが『草の乱』として映画(神山征二郎監督)になっている。上映運動
に参加したいと思ったのは勿論だが、注目すべきなのは、その製作資金4億5
千万円がすべて一般市民の出資で集められ、総勢8000名に及ぶエキストラは
全員ボランテイアとして全国から集結したことである。まさに「市民の力」
が映画というメデイアで「民衆の歴史」を後世に伝えていく典型であろうか。
私達も、この活動に学び、市民のメデイアとしてのメールマガジン『オルタ』
を充実させ、拡げ、歴史と向き合う決意を固めたいと思う。
                        (加藤 宣幸 記)