編集後記24

■編集後記

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◎「マスコミの劣化」が声高に言われ始めて久しいが今年ほど「日本のマスコ
ミ」とは何かを考えさせた年はない。これについて「オルタ」は年末特集と
してレギラー執筆者による座談会を組んだ。民主党はマスコミが演出する「コ
イズミ劇場」に負けたといっているが、その「マスコミ」は小泉政権の完全
な計算ずくにやられているのである。
視聴率と免許制に縛られ白痴化番組を流しつづけるTVや巨大化しすぎた経
営を守り、部数を維持する為には大スポンサーに遠慮し、紙面作りはTVに
追従する薄味の新聞では視聴者・読者が離れるのも当然である。その間隙を
縫って新興ネットメデイア「ブログ」が大変な勢いで伸びている。勿論「ブ
ログ」には虚実が混じる。しかし、広告に頼らない分、政治権力や巨大な団
体からの圧力に距離をおける。最近、若い女性が開いている「ブログ」が人
気で40万以上のチャットがあるという。人気の理由は偽装建築事件がらみ
の個人や会社が某宗教団体に関係していると巨大マスコミが伝えない情報を
載せているからである。

◎巨大メデイアの低迷といえば最近あのハリウッド映画に元気がないという。
世界市場に巨額の資金を投じその早期回収をはかるというビジネススキーム
からは世界の人々の心をとらえる作品が生れ難くなっているのだ。それに比
べ、アジア映画は“韓流ブーム“ に見るようにマーケットとしてだけでな
く映画の質でも勢いがある。そのアジア映画界にこの11月、注目すべき動き
が始まった。日本・韓国・中国・香港がそれぞれ配給権を事前に買い取る形
で制作費17億円を分担出資し、監督・俳優・撮影・スタッフなども出し合い、
型破りの合作映画制作が開始されたのである。それをプロデュースしたのは、
日本なのだが、それも大会社ではなく、かって黒澤チームに属した一人の映
画人の力だというから愉快である。
映画は春秋戦国時代を背景とした戦争ものだが、題名『墨攻』の由来は守り
に徹して自らは攻めずに勝つという墨子の思想だという。それにしても蓄積
された莫大なアジアマネーが米国債をせっせと買うだけでなく、このように
域内で生きた使われ方がされるとき、アジア共同体への夢が近づくことにな
るのだと思う。

◎この12月2日、「オルタ」のレギユラー執筆者河上民雄氏の厳父河上丈太郎
氏の没後40年を記念する会が東京で催された。生前、日本社会党委員長とし
て活躍され、人格者として与野党を超えて畏敬された政治家である。『十字架
委員長』と綽名されるようにその生涯は「進んで名を求めず」を座右の銘と
されたとおり、ひたすら大衆のために全国を駆け巡られたのである。格差社
会えの逆行を許す小泉政権下で「議員になって料亭に行きたい」というチルド
レン達とは比べようもない大先達を静かに想う。

◎歳を重ねると、時の経つのを早く感じるというが毎月20日の「オルタ」定
期発信に取り組んでいると、さらに早く、まるでロケット並みの速さで1年
が過ぎたように思う。
 今年も、執筆者の御協力、読者の励ましを頂き臨時版2号を含め通算24号
を出すことができました。年末にあたり、各位のお力添えに心から感謝申し
上げます。良いお年をお迎え下さい。(加藤宣幸)

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