編集後記96

【編集後記】 

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◎ギリシャを発火点とした欧州の金融危機は、ひとまず小康状態になった。一時
はリーマンショックを越える衝撃になるのではと世界は固唾を呑んだ。この危機
は「統合欧州」がギリシャなどの南欧諸国を切り捨てるのか、逆に統合を強める
のか。「国民国家」はどうなるのか。私たちは文明史的な岐路に立たされたよう
に思う。かって共同通信特派員としてベイルートやウイーンの支局長を務めた榎
彰東海大学教授に「統合欧州はどこに行くのか」を寄稿して頂いた。

◎『命よりも経済か』ドイツ政府は原発の廃止にあたり、市民参加の視点も加え
つつ、経済・技術と倫理の両面について諮問した。そして再生エネルギーへの国
を挙げての取り組みは、専門家の予測を3倍も上回り、2020年までに自然エネル
ギーの割合を20%にするという目標はすでに達成し、新たに50万人の雇用も生ん
だという。(ドイツ人映画監督カール・フェヒナー)。ひるがえって日本は、菅
首相の首と引き換えに、ようやく再生エネルギー法を決めながら、肝心の買い取
り価格を決める委員会には法制定に反対した大企業の社長を委員長含みで委員に
任命しようとするお粗末さである。

◎『さよなら原発5万人集会』には、予想を超える市民が集まった。団体を軸とし
た60年安保に比べ、市民が主導する今回の動きにはより拡がりの可能性を感じる
が、原子力推進派との長い闘いには運動の持続性を担保したい。脱原発の持続に
署名やデモだけでなく、自然エネルギーへの実際的な取り組みを始めた生協がある。

 これについて生活クラブ生協東京の村上彰一専務理事から『生活クラブが風車
を建設した』を報告して頂き、さらに神奈川でエネルギー問題の市民運動に取り
組むNPO法人ソフトエネルギープロジェクト理事長佐藤一子さんには『自然エネ
ルギーに市民が自ら行動するとき』を御寄稿願った。また【運動資料】として、
スエーデン・エネルギー庁長官を8月に辞職し、ソフトバンク孫正義氏の「自然
エネルギー財団」理事長に就任したトーマス・コバリエル氏の『自然エネルギー
の可能性』(講演記録)を転載した。

◎緊急掲載として元朝日新聞政治部長の羽原清雅氏に『温存される日米地位協定
への沖縄の怒り~この不平等でなぜ「日米≪同盟≫」なのか』と対米従属姿勢を強
める野田政権を批判し【運動資料】にはPTT問題で前号に引き続き『批准された
米韓FTAの無効を求める韓国のデモ騒ぎ』を篠原孝議員のメールマガジンから転
載した。さらに【研究論叢】には深刻化を増す米国の格差問題について同志社大
学ITECアシスタントデイレクターの鈴木不二一氏に『アメリカにおける富裕層へ
の富の集中について』をいただいた。

◎オルタ95号坪野和子さんの『ブータンのGNHと仏教思想』はブータン国王の
来日もあってタイムリーな企画となったが早速読者からブータン難民問題につい
て質問があったので【オルタのこだま】欄で坪野さんに『ブータン問題補遺』と
して回答をお願いした。

◎11月21日福井市で旧社会党青年部OB会があり、初岡氏などと出かけ、西風・
高木・貴志・船場氏ら関西組と懇親。22日は初岡氏と越前丸岡城・一乗谷など戦国遺跡
を歩く。23日横浜市市民活動支援センターで参加型システム研究所主催の研究会
に出席、リヒテルズ直子さんから「オランダ型成熟市民社会を日本復興のビジョ
ンに~安心・幸せ社会のつくり方」を聞くが、その知見と熱意に共鳴する。26日
篠原令氏から最近の中国情勢を聞く。

 28日稲城市妙見寺で仏教に親しむ会29日昼東京プリンスホテルで江田五月交流
会。同日夜ホテルニューオオタニで中国人民外交学会訪日代表団歓迎パーテー。
30日世界平和研究所・中国人民外交学会共催の「国民レベルでの相互理解促進に
向けた課題」シンポジユームに篠原令氏と参加。12月3日明治大学で医療相談・
日本の食材についての社会環境学会公開セミナーに出席。4日虎の門ニッショ
ホールでの第2回社会連帯フオーラム「市民がつくる新しい絆」で堤未果さんな
どの討論を聞く。15日新宿で岩根邦雄氏を囲む会。17日サントリーホールで関野
直樹氏のチャリテーピアノ・リサイタルに家族で参加。18日
帝国ホテルで社会福祉法人竜岡会のチャリテー展示会に行く。
【お断り】今月の佐藤美和子さんの中国・深セン便りは休載となりましたのでご
了解ください。

◎今年は大変な年だった。3・11で亡くなった方々悼み、家を。土地を。職を。家族を
奪われた人々の苦悩を想う。新年は、絆を強め苦しみを乗り越え、ともに進みたい。

              (加藤 宣幸 記)

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