~生協パルシステムのめざすもの~

■ 「食と農をつうじたパルシステム社会変革」

~生協パルシステムグループのめざすもの~ 唐笠一雄(とうがさ かずお)

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  パルシステムグループは、1960~70年代に首都圏で共同購入型生協が連帯を重
ね、今日では、1都8県、10会員生協、年間1800億円の供給規模、組合員は100万
人をこえ、社会的な存在に成長しました。

 2010年ビジョンでは、基本理念「心豊かなくらしと共生の社会を創ります。」
、事業理念「環境と調和した事業を進め、協同の力で組合員の暮らしに貢献しま
す。」、組織理念「多様性の共存を大切にし、協同連帯の輪を広げます。より多
くの組合員の参加と、社会に開かれた運営を実現します。」を掲げて、2010年ま
でに21世紀社会(グローバル化・IT化・高齢化・成熟社会)に対応できる生協
、新時代の相互扶助システムをめざす生協=「21世紀型生協」をめざしてきまし
た。そして、個人対応型事業を主軸に、組合員のくらし課題解決のサポート機能
を持ち、組合員自らを動かす、組合員参加が高い生協づくりを進めてきました。
現在進行の第5期中計は、2010年ビジョン達成に向けた最後の3ヵ年の取組み
です。

 グループでこれまで主張してきたことは以下の通りです。
(1)グループは、オンリーワン型生協をコンセプトに、食・環境・たすけあい・
商品・サービス等において、高付加価値の事業・運動を展開し、全国のコア生協
グループとして役割を果たし、日本の生協運動を発展させます。

(2)グループは、組合員の生涯のくらしのパートナーとなる生協、循環型社会促
進に貢献する運動を進める生協、人と人との協同を広げる生協、組合員自ら動か
す生協をめざします。

(3)グループは、高い志をもって、これからの時代にチャレンジしていきます。
・「協同」(たすけあい)という価値を世の中に広げていきます。
・30年培った生協のインフラを開放して、地域社会のセーフティーネット構築を
進めます。
・生協の本質である購買組織の役割を発揮し、組合員自ら望む商品を作り出す運
動を強化します。
・パルシステムブランドを浸透させ、商品事業、業務品質、社会貢献など本質に
おける評価を高めていきます。

 第5期中計は、パルシステムの生協モデル(無店舗事業+くらし課題解決機能
+地域再生)を文字通り具体化する3ヵ年と位置づけました。「商品づくり」を
最優先し、「積極事業成長」、「組合員参加を高めた運営」、「くらしサポート
の強化」、「地域再生」の5つのテーマを掲げ、事業と運動を展開しています。

 又、10年前に設計した個人対応型無店舗事業。それを支えた商品案内(3媒体
)、情報システム、物流インフラ、会員生協と連合会の役割分担などのフレーム
で、今日まで大きな成果をあげることができました。他の生協に先駆けたパルシ
ステムの様々な試みは、日本の生協界全体の個配事業構築に貢献しました。
しかし、今後は、このフレームの現状維持だけでは、大きな時代の変化や組合員
のくらしの変化に十分に対応できません。2010年以降に対応する次期のフレーム
づくりを論議し、策定する必要があります。

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I.2010年代、パルシステムグループは何を目標にし、役割を果たすのか 
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◆【世界に果たす役割】
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1.世界の平和、環境、貧困、食料の問題解決に取り組む。


・国際協同組合運動の一翼を担い、世界の農林漁業、消費者、信用、保険など
あらゆる分野の協同組合組織、政府、NGO、諸団体と連携して、世界が直面す
る諸課題解決に協力していく。
・市民相互の国際交流を促進し、市民が連帯し、戦争を起こさせない世界のあ
り様を追求していく。
・政府間の援助だけではなく、市民による相手国の人々の意向を重視した、友
好親善、草の根協力活動、フェアトレードを進めていく。


2.アジアにおける生協運動を広げ、アジアの人々のくらしに貢献する。


・これからの世界はリ・オリエントに。世界の軸は、米英のアングロサクソン
から、中国やインドなどアジアへ移り始めているという時代認識をもって、アジ
アにおける食の安全、環境保全型農業、CO2削減、消費者問題などに取り組ん
でいく。
・韓国の生協との交流・連携を深め、中国での生協づくりに協力し、日・中・
韓の生協連携をつくり、東南アジア諸国の各生協も含めたアジアの生協ネットワ
ークを構築する。
・環境活動、平和活動などアジアで生協が果たす役割は多く、アジアの生協間
の人的交流を促進し、生協に携わる若者層を増やす。

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◆【日本社会に果たす役割】
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1.「食と農」をつうじた「パルシステム社会変革」を進める。


・安全・高品質な食の供給、農畜水産業の産直強化、食料自給率向上に貢献す
る。
・食問題に一番精通する専門集団として、実践、提案、調査研究、流通改革に
取り組む。
・食と農を結ぶ産直を広げ、米政策の構造改革、 飼料自給促進、資源管理型漁
業に取り組む。


2.協同の価値を日本社会に広げていく。


・200年来の協同組合運動の目標である、協同の価値が根付いた人間社会のあり
方を歴史的に継承し、人と人との「たすけあい」活動を広げていく。
・パルシステムが進める生協運動は、たすけあいの人間関係を拡大し、協同型
地域社会(コミュニティー)の創造をめざし、成熟化した日本社会の制度と空気
を変えるトップランナーの役割を果たす。
・協同とは、考えや利害が違っても、目的達成のため力を合わせること、組合
とは利害を同じくする人々が集まること。協同組合は異なる2つの要素を合わせ
持っている組織で、生協は生活が頭についた協同組合であり、その特性を生かし
、くらし全体をテーマにした課題解決型の生協をつくる。
・今後の日本の統治機構改革に対応できるよう、行政セクター、企業セクター
から、協同セクターを拡大した社会構造をめざす。


3.パルシステムの「たすけあいシステム」で社会貢献を行う。


・「食と農の事業システム」、「くらしサポートシステム」、「地域再生シス
テム」の3つのシステムを具体化し、組合員にとってはくらしの力強いパートナ
ー、社会においては地域のセーフティーネット、食と農の分野では日本のフード
システム確立(畑から食卓まで。生産-製造・加工-流通-消費-廃棄-リサイクル
)の役割を果たす。
・生協は相互扶助が原点。多様性の共存を強さに、21世紀のたすけあい=相互
扶助システムを実現する。
・日本における市民運動、社会運動の発展に貢献する。地域再生、消費者被害
、政策反映のロビー活動、社会的問題を避けないで取り組み、オピニオンリーダ
ーとしての生協づくりをめざす。


4.持続可能な環境保全・資源循環型の低炭素社会づくりを進める。


・地球環境保護の取り組みを強化し、自ら温室効果ガスの発生抑制を進めるだ
けではなく、エネルギーの安全性や資源の枯渇、食料問題を踏まえ、低炭素社会
移行への提言や実践を行う。
・CO2排出量削減を事業面、運動面で展開する。脱原発に向け、再生可能エネ
ルギーを増やして供給源の多様化を促進する。廃棄物削減と資源の有効活用に取
り組む。

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◆【地域社会への貢献】
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1.パルシステムモデルを広げ、日本の生協運動発展に寄与する。


・パルシステムは「無店舗事業+くらし課題解決機能+地域再生」を持った生協
をめざし、事業と運動をバランスよく組み合せ、地域社会や組合員に貢献してい
く生協になる。
・無店舗事業のイノベーションを率先して実践し、「個人対応型くらし課題解
決事業」を実現し、新たな生協モデルを提示する。
・無店舗事業 + 運動重視の生協群を増やし、全国ネットワークを形成し、全国
の生協再編をリードする。


2.生協の社会的ポジションをさらに高める。


・日本の各界とのパイプづくり、政治分野でのロビー活動を進め、生協の発言
力を強化する。
・従来の生協万能主義という閉鎖型生協モデルから、社会的企業や団体と積極
的にアライアンスを組み、文字通り、生協をプラットホームにした社会に開放さ
れた生協モデルを創造する。


3.くらしと地域のセーフティーネットになる。


・他の協同組合、NPO、NGO、消費者団体、労働組合とネットワークを構
築し、平和、社会保障、雇用、地域再生などの社会的課題に取り組む。
・消費者運動の再構築に取り組む。適格消費者団体の資格をとり、行政から、
消費者被害や消費者相談の業務を受託し、地域社会の相談センター機能になる。

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◆【組合員のくらし、職員、生産者、取引先への貢献】
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1.組合員一人ひとりのくらしにおいて、一番頼りになる機能をつくる。


・食・健康・金融・雇用・情報・社会参加など、組合員自らが選択して自分づ
くりに役立てる、いわば個人サポート機能をつくり、一人ひとりのニーズにあわ
せて様々な手助けを可能とする。
・組合員の生涯のくらしのパートナーとしての機能を日常のシステムとして実
現する。組合員のLTV(Life-Time-Value)の最大化をめざし、
組合員にとって一生欠かせない存在になる。
・パルシステムは、個人の参加(利用・情報・ボランティア)が大きな協同(
人と人とのたすけあい)を創造するしくみとなる。


2.組合員の食の安全とくらしの安心を守る。


・安全な食の供給、食生活の見直し活動、共済を含むくらしの保障制度拡充、
住まいの安心、老後の生き方支援などに取り組む。
・個人対応は、その人のくらし課題解決に役立つものに。組合員が望ましいと
考えているライフスタイルを実現するため、個人対応型の商品・サービスを提供
する。


3.世のため、人のために役立つ、身近な参加のチャンネルになる。


・カンパ協力(災害、NGO、生産者など)やポイント活用のしくみを有効に
役立てる。
・ボランティア協力を広げる。自らできることを身近な存在である生協のチャ
ネルを通じて表現する。
・組合員の意見や声を伝える。生協運営はもちろん、政治やマスコミへ意見反
映し、消費者及び生産者の代弁を行う。
・くらしの中にある不安、困りごとについて、協同した力によって解決を訴求
する。
・組合員による地域社会を変えていく様々な取り組みを支援する。


4.職員、生産者、取引先とともに将来をつくる。


・グループの業務一体化促進を踏まえて、パルシステムの業務を担う職員の人
材育成、労働環境整備を改革する。
・激変する環境変化に適応できるよう、事業のパートナーである配送委託先、
パルシステム商品をつくる生産者・取引先との連携を深め、ともに発展していけ
るよう、相互の体質改善を進める。

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II.そのために役立つパルシステムグループをどう構築していくのか
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◆【事業改革の実施】
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・事業と運動の相互発展・組み合わせこそ、企業には真似できない生協の強み
である。その考えをもっと貫いていくことが今後の生協には必要である。
・「事業が運動をつくり、運動が事業をつくる」、「生協の事業と運動の組み
合わせ発展」×「他とのコラボレーション」=社会的貢献+非営利セクター拡大
の考えを堅持する。

・パルシステムインフラを開放し、地域のセーフティーネット形成に貢献する
。このためには、生協をどうするかでなく、インフラ(35年間培った市民財産 -
人のネットワーク、商品、物流、代金決済、社会的信用など)をどう社会的に
活用するか提案していく。

・パルシステムは個配(個人宅配)と違う。ビジネスモデル=「差異化 」+ 「
回収エンジン」と言われる。現在の個配で言うと、「差異化(個人へ配送 )」+
「 回収エンジン(配送料200円+配送委託)」になる。パルシステムは、「差異
化(個人のくらし課題解決)」 + 「回収エンジン(組合員の信頼+事業効率)」
を追求する。

・これまでは明らかに個配は事業システムで成長してきた。2010年代は経済環
境が違ってくる。新たな事業システムを開発できるか、高齢化・単身世帯層への
対応など新たな発想で何かを生み出せるかどうか。又、事業成長が鈍化した際に
、事業の質(一人当り利用高、商品力、組合員の支持、世間からの信頼等)をこ
れまで以上に作り出せるかが鍵になる。


1.次世代事業の開発を行う。


・今後のユビキタス時代ではコミュニケーションスタイルの大きな転換が進む
。コモディティな商品を無店舗で、しかも予約スタイルで行うビジネスモデルは
世界でも稀である。21世紀型の更に進化した個人対応型システムを先端で創造す
る。

・2010年以降で実現する次世代事業システムがある。将来の生協事業システム
をどう考えていくのか。以下のような切り口が考えられる。
A=現在の無店舗事業システムを一部改善しての事業展開
B=インターネットでの新規展開
C=くらしサポート分野での展開
D=他とのコラボレーションによる事業開発
E=その他(新規分野、地域再生、地産地消、受託・・・)の可能性。

・次世代事業システムは、「本システムの改革+α」「本システムとは全く違う
発想での新規分野取組み」になるか。
・又、組合員全体をマスとらえた事業展開や企画提案でなく、共通ニーズごと
のクラスター別対応、究極は一人一人の個人対応を、テーマによっては踏み込ん
で具体化することにチャレンジする。
・実感のある無店舗事業を。媒体の進化。紙からの脱却。注文システムを通じ
たコミュニケーションテクノロジーの導入。そしてその環境を通じて新たな互助
の事業モデルを地域に展開していく。


2.サブシステムをつくる。


・現行の週1回の集中型の無店舗事業システムは利点もたくさんあるから支持さ
れてきたわけだが、欠点も多い。小回りがきかない、イレギュラーに弱い、個人
対応の追求に限界、インターネットは受注方法ツールの域を出ていない、など。
・現行無店舗事業の改善ではできないものは、新たにサブシステムとして位置
づけて、発想を変えての構想づくりを進める。
・サブシステムは本システムを補完するシステムで、本システムでは取り組み
が難しい課題を実現するためのしくみ・方法を創造する。今後のパルシステムの
独自取り組みを具体化するための支援システム。独自取り組みとは、組合員参加
企画、地産地消、地域再生、法人供給、セカンドステージなど。


3.単身者世帯マーケット向けの事業システムを開発する。


・少子高齢化や福祉の切捨てが進む社会の中で不安が拡大する。パルシステムは
新たなコミュニケーションシステムを共益閉鎖型から開放型へ移行する実験に着
手し、その成果を地域に提供する。
・新たな対象は「YUMYUM」前と「Kinari」以後。双方とも従来にな
い所得階層。従来型では事業になりにくい層だが、ここは社会矛盾の蓄積層。子
持ち標準世帯が縮小する中、パルシステムが得意とする「食」を中心にサービス
を含む事業システムをこの層向けにも開発する。


4.事業高3500億、組合員200万人の事業規模をつくる。


・2010年以降の事業成長計画を策定。単独で展開する事業の他、パルシステムイ
ンフラを活用して他とのコラボレーションで取り組み事業を考える。
・供給エリアの組織率10%をめざす。
・2500億以上の事業規模を想定した今後の設備投資計画を策定する。
・パルシステムが展開する事業で、製造・流通・小売り分野において先駆的役
割を果たす。
・生協のメンバーシップによる無店舗事業というインフラは、次世代の流通構造
を先取りする。新たなビジネスモデルとして社会インフラに成長させていく。


5.くらし課題解決事業を創造する。


・パルシステムの差異化となる、くらし課題解決機能を強化し、確立する。パ
ルシステムはくらしの課題解決(ソリューション)事業体へ転換し、組合員の生
涯のくらしのパートナーとなる。
・この分野の取り組みは、事業型(黒字収支で軌道に)、社会貢献型・組合員
サービス型(費用負担)に分かれる。費用負担型は、組合員・地域社会からの信
頼、パブリシティー、ブランド効果は除外して、支出基準を持つ。
・これからの消費動向として、自分が望ましいと考えているライフスタイルを
実現するために商品・サービスを購入する傾向が強まる。その人のくらし課題解
決に役立つ個人対応の事業を準備する。

・具体的には、
(1)くらし相談センター発展 → 生活サポート生協と合流、消費者庁の相談業
務受託
(2)共済・保険の総合展開 → くらしの安心、くらしの総合保障、生涯設計
(3)健康サポート・福祉・医療の取り組み → 社会福祉法人、たすけあいボラ
ンティア
(4)個人対応型のサービス事業 → 困った時の対応
(5)老後の生き方を支援(健康、財政、自己啓発、住居環境、旅行・趣味)、人
々のニーズに応えるサービス、個人向け(ライフスタイル支援型)など
(6)現在ある店舗の活用 → 地域限定の役割・機能、○○拠点スペース、食育
発信、地産地消商品販売所、産地アンテナショップ、地域サブシステム・・・
(7)その他、くらし課題分野の新規事業開発 → 他とのコラボレーションで

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◆【商品・産直分野での先駆性を発揮】
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1.日本の食料自給率を高める。


・農林漁業は、国民が生きていく上で必須である衣食住を賄う産業であり、か
つ、自然環境の保全など多面的な機能を発揮し、国民のくらしに貢献する。日本
国内で作れる農産物はきちんと作る体制(生産者の生計が成り立つ)をどう構築
するかが重要で、政治的な諸政策も含め、検討する。
・特に、食料自給率向上の課題については、これまでの産直活動を生かしなが
ら、さらに踏み込んだ取り組みを行う。 
・米問題の抜本的改革に取り組む。米政策の構造改革を。米の消費拡大と減反
・生産調整問題、後継者育成、所得補償、麦・大豆の作付け拡大、飼料米・米粉
の活用などに積極的に取り組み、それを保障する農業対策を政府に進言する。 
 
・日本の水産業・漁業者と連携し、海の環境を保全し水産物の持続的な利用を
実現する事業や運動に取り組み、日本の漁業を強化し、魚の消費拡大、沿岸漁業
、資源管理型漁業など水産資源を長期的に考えていく。
・畜産飼料の海外依存を減らし、国内の飼料自給率を向上させる。特に、とう
もろこしに代わる飼料として、米の活用に力を入れる。
・農地問題の抜本改革を政府に促す。


2.食と農をむすぶ産直を広げる。


・食の安全、食料自給率向上、農畜水産業再生、資源循環型社会促進や食育、
食づくりなどの観点から、これからの商品・産直・環境の事業・運動の戦略を組
み立てる。
・この間取組んできた産直事業を更に進化させ、農地制度や国土計画、都市計
画、税制も含めた農業のあり方~食料論を制度として考え、実現していく運動を
進める。
・日本の食料問題解決に取り組む産直を広げる。産地・自治体との結びつき産
直で農業・地域再生の産直モデルを全国で展開する。
・地産地消、旬産旬消を推進する。
・パルシステム自らが農業に参入し、モデルをつくる。
・日本の食と農を発展させるためのファンドを創設する。


3.アジア経済圏での資源調達を検討する。


・2010年代はFTA・EPAが本格始動する。特にアジア圏内での農産物を含めた貿
易はボーダレス化する。アジア含めた食・農供給体制を検討する。
・アジア経済圏確立に向けた大きな時代潮流を視野に入れて、パルシステムの
アジアネットワーク(産地開発、メーカー提携、物流提携、生協づくり支援、飼
料、製造工場、生活用品、人材確保、文化交流など)を広げる。そのために、現
地駐在の拠点を設置する。


4.食の見直し運動を強力に展開する。


・パルシステムの食育運動を広げる。食料自給率の向上は、食のあり方と大量
廃棄社会を変える。生命育成(食と農)を基本においた新たな社会システムをめ
ざす。
・「米」という優れた主食をもち、食材の種類が豊富で、「うまみ」文化を獲
得してきた日本の食が、いかに豊かで日本人のカラダに合っているかについて、
「日本型食」の実践を通じた「おいしさのとらえ直し」を促す。

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◆【地球環境を守る取り組み】
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1.地球温暖化防止に貢献する。


・CO2総量削減を事業面、運動面で展開し、持続可能な環境保全・資源循環型
の低炭素社会づくりに貢献。2020年度時点のCO2総排出量を2000年度比で○○%
削減する温暖化防止自主行動計画を策定し、対策の本格展開をすすめる。
・環境問題は、食料とエネルギー問題が根底にあると認識し、パルシステムの
事業・運動両面から、様々な取り組みを進め、生協ならではの環境活動を展開し
、地球環境問題解決に努力する。


2.食料問題の解決に取り組む。


・日本の第一次産業の衰退は、危機そのものである。それは、組合員の「食」
そのものへの脅威でもある。パルシステムは、その生産手段の回復のために、特
に海を守り、森を守り、川を守る。農林畜水産全般にわたって商品政策を見直し
、組合員の暮し方提案も含めて、コンセプトを提案していく。
・くらし方の変革だけでなく、農業生産と食のあり方、産業のあり方の転換と
捉えて、21世紀のモデルを提案する。
・人間だけでなく生物環境や植生も含めた地球環境全体の問題として捉え、生
物多様性国家戦略などと連動した新たな社会的システムの確立をめざす。
・食料自給、地産地消、フードマイレージ、バーチャルウォーター、Non-
GMO問題を統一した課題として捉え、食の大切さ、農とつなぐ生命の大切さを
、従来の金銭的価値で量る富から転換した価値観として広めていく。


3.エネルギー問題の解決に取り組む。


・20世紀=「大量生産・大量消費、電力・石油の大量消費によるCO2排出、資源
争奪のための戦争の世紀」から、21世紀=「持続可能な発展による環境維持、平
和の世紀」に転換していく。
・資源循環型社会、原発に頼らない脱原発社会の創造をめざし、再生可能エネ
ルギーを増やし、供給源の多様化を促進。環境対策・技術の開発、総合的なエネ
ルギー政策を政府に要求。
・安全性、経済性からも、核燃料再処理、プルトニウム利用、プルサーマルは
中止を求めていく。

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◆【グループ運営の改革】
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  2009年度に向けた、業務体制を連合会・4生協の一体化でどこまで踏み込んだ
体制をつくれるかが鍵に。そのことが会員生協・連合会・子会社を含めた人事再
編で、グループの次世代リーダー育成を進め、業務体制のレベルアップにつなが
る。そのために何を改革するのか。大義名分(志を含めた)を打ち出し、その実
現に一人ひとりの職員や組合員が関わっていることでモチベーションを高め、実
行に向けた組織的な空気を醸成していく必要あり。「なんでもやってみよう」と
様々な事業のインキュベーションを風土とし、この間の成功体験を捨てて、「変
える!」といことを大きなコンセプトにした業務組織をめざす。


1.業務は一体化、組合員組織は地域型の生協組織モデルをつくる。


・業務は一体化(業務のオペレーション統一)、活動は地域にねざすこと(組
織体制整備)を基本にしたグループ連帯構造・運営方法を実現する。
・特に首都圏での生協間競合・生協再編は熾烈を極める。業務統一が遅れれば
グループの存亡に関わるとの危機感を強く持って、パルシステムを担う業務構造
を確立する。
・生協の機関運営を支える組合員の組織を地域ごとにきちんとつくる。総代選
出など生協の間接民主運営制を支えるしくみは生協法上からも不可欠であり、地
域ごとに組合員の組織が必要。ただし、組合員組織の活動や地域の範囲を検討し
、組合員のライフスタイルや地域状況にあった運営方法を考える。
・労働状況が厳しくなる。職員人材の量的確保、生協業務を担う人材育成をグ
ループ全体で行う。


2.会員生協連帯は組合員目線で進める。


・将来を見据えて、「事業の連帯」と「運動の連帯」を、会員生協が共同して
どう考えていくか。新たな質の生協連帯モデルを創造する。
・いずれにしても、会員生協は組合員で構成される。組合員の運営参加を高め
、地域活動を強化する組織体制を確立し、地域再生を進めることで社会貢献を行
なう。
・県を越えた会員生協合併は、組合員組織・活動をどう行っていくのか、その
ことを最優先した中で、最終判断を行う。


3.今後の組合員組織・活動のあり方をつくる。


・商品・産直分野における組合員参加を高めた生協運営のしくみと場を確立す
る。
・パルシステムグループの運動展開による社会貢献、市民自治の地域社会づく
り・相互扶助促進、非営利セクター拡充、社会問題への新しい解決策提供をめざ
す。
・グループの運動課題である、産直、福祉、子育て支援、食育展開、住まいの
安心(家庭での震災対策)、生活ファイナンス(市民同志による自立支援取り組
み)、環境取り組み(石けん運動、くらしの場でのCO2削減)、消費者被害対
策、ロビー活動など進める。
・テーマ別生協づくりや、NPOとの連携など、社会的活動展開を他団体と進
めるしくみとして検討していく。
・地域の再生に貢献する。雇用の場創出、都市と農村の連携、子育て支援、セ
カンドステージ、住まい耐震化、福祉介護、50~75才までに対応できる協同組合
運動創出など。
・現在の30代女性の動き方が次の生協を担う。生協組織もそれにずれないよう
な活動をつくる。
・学生を地域生協の活動に取り込むことも検討する。
           (筆者はパルシステム連合会 専務理事) 

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