2016年参議院選挙に向けて政治団体としての「安保関連法の廃止の会」の設立と選挙運動

【投稿】

2016年参議員選挙に向けた政治団体としての「安保関連法の廃止の会」(仮称)の設立と選挙運動

堀 利和


 2015年9月19日に成立した安全保障関連法が、憲法第9条に抵触したものであるとともに、かつ、一国会でどうしても成立させなければならないほどの日本を取り巻く国際情勢、軍事的、政治的、外交的緊急な状況に今ないことは明白である。にもかかわらず、安倍政権は国民の多くの反対の声を押し切って、強引に、強行採決を行った。この暴挙ともいえる政治状況に対して、一日も早く本法を廃止に追い込まなければならない。

 そのためには、2016年に行われる参議員選挙に向けて、一人区において「安保関連法の廃止の会(以下、廃止の会という)」(共同代表)を政治団体として設立し、国民・市民運動として選挙戦を展開することを提案したい。

 なにゆえか。「おおさか維新の会」を含めた与党陣営に三分の二の議席を与えてはならないからである。そのためには、一人区において「野党統一候補」というだけでは選挙戦の見通しが立ちにくく、また維新の党から共産党までの野党の基本政策、たとえば原発、TPP、消費税などを勘案すれば、その「統一候補」の擁立はきわめて困難と言わざるを得ず、したがってここに設立を提案する「廃止の会」においては、本法以外は党議・会派拘束はかけないという政治手法・政治的立場をとることとする。良識の府としての参議院「廃止の会」の議員は、自らの信念と良心に基づいて他の基本政策の賛否を選択すべきところとなる。それによって、基本政策がバラバラだという批判をかわすことができる。こうして、独立した政治団体としての「廃止の会」は、安保関連法の廃止という重要な目的に専念できる。

 この政治手法・政治的立場はすでに89年の参議員選挙において、当時社会党と民社党、総評と同盟という関係の下で「連合参議院」という政治団体・会派(議席12)を誕生させている。その政治手法と政治的立場を今回もまた参考にすべきと考える。これが現実的であろう。各野党の基本政策の違いや直接的な政治力学の観点からも妥当な措置である。

 あわせて、選挙運動を「廃止の会」として戦うことは、市民、シールズやママさんの会、学者など、主権在民の選挙、国民運動として展開できる。市民が主体となって選挙戦を前面に担い、一方、政党や労働組合などはそれを後方から全面的に支えるという構図である。それによりマスメディアも「野党統一候補」というのではなく「廃止の会」として報道せざるを得なくなり、わかりやすく際立った発信力となる。選挙戦も、国会周辺に集まった12万人の総がかりの決起集会、各地域の集会も再現可能になる。また、18、19歳の若者・新有権者に対してはシールズの活躍が大いに期待でき、一方自民党のような若手国会議員の活用や大学を会場にした大物議員の講演などとは、全く異なる選挙戦が戦える。

 もちろん「廃止の会」においても、たとえば福島県においては脱原発、沖縄県においては辺野古移設反対などの重要政策が特に強調されることを容認すべきであろう。地域それぞれの事情に配慮することはまたいたって重要なことである。

 その上で、何よりも安保関連法をめぐっては、「おおさか維新の会」を含めた与党陣営VS「廃止の会」・野党陣営というわかりやすい対立軸、選挙戦に持ち込むことが可能となる。どちらが争点づくりに成功するかで勝敗が決まる。

 なお、一人区の候補者選出にあたっては、その選挙区でもっとも当選に結び付く候補にするとともに、あわせて、候補者全体の人選はできるだけ各党の衆参の議席比に近づけることに配慮する必要もあろう。 

 これが来年の参議員選挙に向けた戦略である。安保関連法の廃止、それだけを中核とした「廃止の会」を設立して、勝利する。
 以上が私の提案です。 (2015年10月)

 (筆者は元民主党参議院議員)


最新号トップ掲載号トップ直前のページへ戻るページのトップバックナンバー執筆者一覧