【コラム】大原雄の『流儀』

★ ホワイトハウス・城のお出入り禁止は、どっち?

大原 雄

 2月28日報道各社の情報を読んできて、最新号では、戯画を描いて、皆さんにも見ていただいたりしていたら、アメリカのトランプ大統領が、素顔のまま出てくる事態となった「ホワイトハウス・城」物語。戯画の主人公としてではなく、リアルな生身のトランプ大統領は、アメリカメディアが取材している前で、同席している部下のアメリカ副大統領バンス氏とともにゼレンスキー大統領を相手に口論を始めたというのだから、困ったものだ。これでは、状況の留め役無しにことが進み過ぎ、ホワイトハウス・城物語の主人公は誰?、どこへということにならないか。戯画よりリアルな現実の方が展開が早すぎないか?という懸念が拡がらざるを得ない。お城へのお出入り禁止は、物語を離れてしまうと、現実的にはいったい誰がターゲットになってしまうというのか? このケースの場合は、トランプかな。トランプ自身が演出していたトランプ自画像を自分の手で壊してしまったようだ。プーチンは、陰で薄笑いしている。絵に描いたような場面ではないか? ゼレンスキーは、放送された画像では、それほど、興奮していない。抗う人の辛抱強さだよね。良く判らないのが、アメリカ・メディアか、受け手のアメリカ国民か。感度が悪いような気がするね。
 
 ★ 情報の積み重ねも進行中。朝日新聞2月27日付朝刊記事参照、以下一部引用。
 アメリカホワイトハウスのレビット報道官は25日の会見で、大統領に同行する代表記者団の選定について、「これからはホワイトハウスの報道チームが決める」と述べ、政権が自ら行うと発表した。という。これまでは、メディアで作る「ホワイトハウス記者協会」が選定していた。これについて記者協会は、「自由な報道の独立性を引き裂く動きだ」と反発しているという。(これは、ホワイトハウスの取材ルールの問題の改悪に止まらない。)これをうけてAP、ロイター、ブルームバーグ(マーケットニュース)の通信社3社の編集幹部は26日「通信社の報道に信頼を置く人々、企業、世界金融市場への信用性の高い情報の普及に悪影響を及ぼす」と抗議する共同声明を発表した、という。声明では、「独立した自由な報道機関から政府の情報を得ることが民主主義には不可欠だ」と強調している、という。
 
 そこで、継続取材が必要になるし、(報道機関連携での)広域取材が必要になる。ウクライナとロシアの戦争は、「停戦」の交渉の仕方によっては、もっと普遍的な問題を暴き出すことになるかもしれないと思う。とりあえずは、プーチンだ、トランプだに止まらない権力対民主主義の裏表の原理という大きな問題に向き合わなければならないだろう。何せ、民主主義は、裏表、つまり二重性格者だからね、扱い難い。
 これぞ、まさに、次の命題である。
 
 ★ 政治の裏表構造をキチンと論じるべし。きちんとやらないと、新聞がいら無くなるし、新聞に掲載する通信社の情報もいら無くなるし、テレビもインターネットも使う情報がいら無くなる。情報不在の、のっぺらぼうの情報荒野対権力を独占したバケモノだけがウロウロしている、というような社会になっているかもしれない、ではないか。
 
 例/★ メキシコ湾はメキシシコ湾であり、アメリカ湾である、と論じること。
 
 大事な情報の発信源が偏っていて、権力者が自分の都合のいい情報を一方的に流している。それでいて、半分のアメリカ人はアメリカ大統領を支持しているという。
 雇用が増えた。給料が上がったなど、アメリカの施策は特定の支持者の意に沿っているのか。本当にうまくいっているのか。アメリカ人は、こういう人物を指導者として尊敬できるのか。なぜなのか?
 私が今、そう思うのは、日本人の多くは、そういうアメリカ人のように感じている人が少ないのではないか、と感じているからだ。アメリカ人って、こんなにダメな人が多かったかな。
 
 朝日新聞3月5日付朝刊記事参照。「トランプは、ウクライナへの軍事支援の一時的な停止を指示した」。と言っても、メディアは、皆同じ意味のことを書いているよ。トランプは、嬉々としているようだね。本音、丸出し。「最も直接的な受益者はロシアのプーチン大統領だ」とは、ニューヨーク•タイムズ。
 
 アメリカ人は、100年生きても、公共的な、あるいは社会的な人間になりきっていないのかもしれない。
 だが、いずれにせよ、私は今のアメリカを信用しない。頭っから信用しない。個々のアメリカ人には失礼だが、彼は、大国の大統領の器ではないだろうと私は思うからだ。怒りっぽくすぐに猛々しくなるじゃ、ないのか。我慢がでいないんだね!
 
 ★ 戯画・世界三兄弟物語
 
 私は以下の「想定」をして、この小文(台本のようなもの)を書いている。現在の、いわば、世界三兄弟の話だ。政治的な風流譚、戯画とでも言ったところか?
 こちらの想定も、大雑把なのは承知の上である。根拠などは、限られた情報と偏った情報、誤った書き手が生み出す情報の中には専門外の知識しか入っていないかもしれない、杜撰な知識を切り売りしたりしながらも、裏町の人々のご機嫌を伺いながら、その日の糧を稼いでいるのかもしれない。きょうから明日へと命を繋いでいる男たち。その男は、ジャーナリストを自称するだけの非力な男たちもいる。見てきたような嘘も平気でつく。それが、この男の生業(なりわい)だ。瓦版屋。メディアという激流の原点。激流は源流でもある。だから、猛々しいのだろうか?
 
 ★ 「見出し通信」から、読めるもの。以下の如し。
 
 注)見出し通信とは、引用者の造語。見出しからだけでも伝わる情報のこと。あるいは、馬鹿丸出し情報!
 
 三男に批判を強める長男、長男に、にじり寄る次男。三男は、蚊帳の外。
 
 私も同業者だから見方が厳しくなるのかもしれない。
 
 私は、新聞記者になるのは中学生の頃からの夢だった。そして、高校、大学と東京都内で勉学し、現役で報道機関の取材職として入社したのだから、メディアへの就職を誇りにして生きてきた。だから、自己卑下しているように見えるなら、それは謙遜しているだけだと思ってくださって、結構。
 
 今回描くのは、戯画。風流譚。幻想世界に登場するの男たちの物語。登場人物の名前(仮名、経歴、性格などは今回のためのフィクション。責任は、私も含めた執筆者たちの筆力の豊かさか、脆弱性にありと解釈している)などは以下の通り。
 
 タイトルは、御伽噺らしく、「ホワイトハウス・城(じょう)」の物語」とでもしてみようか。タイトルには拘らない。戯画は、戯画らしく。別タイトルなら、政治喜劇らしく。「裏表・世界三兄弟」などというのも検討に値しそう。遊び出すと、ドンドン横道へ逸れるのが弱点。
 
 では、開幕。以下、フィクション。
 
 ★ 三兄弟のひと組目/
 
 一人目。主要人物・通称「アメリカ」は、アメリカ生まれの、金持ちだが、賑やかな、わがままな長男とでもしておこう。
 
 二人目。通称「ロシアン」は、ロシア生まれの、(ずる)賢い次男。長男アメリカの所業を斜め後ろでいつも見ている。対応策をいつも考えているようだ。防犯カメラのような男。寡黙だが、遠くからじっと鋭い目付きで人間を見ている。記憶力抜群、敵に回すと、本当に怖い。悪知恵が回るからだ。未だに、モスクワから来たスパイ。
 
 三人目、通称「大統領」は、ヨーロッパ生まれのシテイーボーイがよく似合う、大統領役を得意とした本物のコメディアン、真っ正直だが、割りばかり食っているような三男坊。
 大統領をやる前には、テレビドラマでお国の大統領を演じていたのではなかったか。
 はてさて、大雑把ながら配役は済んだ。新しい物語は、動き出す。
 
 大統領は、3年前、ヨーロッパ演劇のコメディーで大統領役を演じていた、と記憶する。いわば、虚構の「政界入り」した直後には、彼の支持率が高かったのではなかったか。
 彼については、当時から暗殺説も、時々出ていた。兄弟喧嘩の末に、次男が三男を謀殺する。殺される三男は国民の英雄中の英雄。大統領を演じるようになっても、不正なことには手を出さず、どこかの大統領のように、職責末期に逮捕されたり、有罪になったりすることはなさそうだ、と思う。
 
 この三角関係の兄弟、実は、目下、兄弟喧嘩の真っ最中。豪快な兄弟喧嘩で、いわば、国取り物語級の喧嘩をしているのだ。国を盗む。その力関係が、崩れかかっているようだ、と私は感じている。
 
 「どう、崩れかかってきているのかって?」
 
 答えは、兄貴たちと、仲の悪いことが原因よる三男坊の虐め・追い出しか?
 だとしたらホワイトハウス・城kの出入り禁止は、ズバリ、大統領が原因かもしれない。
 
 ヨーロッパ政治の専門家が、2月23日投票・開票のあったドイツの選挙結果に伴うヨーロッパ全体の右傾化という趨勢について懸念を示していたのが気になるので、このエピソードも記録しておきたい。
 
 極右化の代わりに欧州理事会(欧州連合の、いわば首脳会議)が機能しなくなり、「自国第一主義」というポピュリストらがあちこちで少数政党として連立し、ヨーロッパを仕切るようなことにならないか、という懸念、嫌、危惧だという。EU (欧州連合)に反対する極右政権が誕生しかねない状況がある、という。私が描いた三兄弟の中でも極右化は、すでにある程度の実量のある現実的な課題である。風流譚には、まだ登場させなかったが、風流譚が御伽噺では無くなる極右政治家の連携が各地に生まれかねない状況も近づいていることを忘れないようにしたい。
 
 ★専門家は、警告していた。
 注意)概要まとめ、文責:引用者
 
 戯画版(世界三兄弟)
 連立政権・メディア・世論が右傾化する中で、穏健右派が票欲しさに極右の主張に引きずられずに頑張れるか、ということだろうか(東京大学大学院(欧州政治専攻・遠藤乾教授のインタビュー記事を読んで。
 
 以下参照し、一部記事より引用。文責は、引用者にあり)。
 
 朝日新聞2月23日付朝刊総合面4版は、2月24日のロシアによる侵攻3年の記事と関連がある。ウクライナの首都では今も連日、空襲警報が「響き渡る」と、伝えられる。一日中数時間続く。あるいは、夜から未明、早朝など、複数回発令される、という。最近脅威を増しているのが「ドローン(無人機)だ」という。被災住民を眠らせないロシアの作戦だ。さらに増えたのが、弾頭を搭載しない「おとりドローン」だという。隣人への嫌がらせ。隣人への愛情など皆無だと判る。近親憎悪か。
 
 ウクライナ侵攻開始3年の記録すべき2月24日の関連記事。国連安保理、26日付、朝日新聞がつけた「初決議」という見出しも、弱々しい。「ロシア批判なし米案採択」が、紙面に散りばめられているばかり。見出しに迫力がなさすぎる。見出しより状況が迫力がないというのが実相なのか。いや、ウクライナは、大変だろう。また、大勢が殺される。
 
 兄弟の三角関係に「二分割作戦」を持ち出してきたのは、次男のロシアンの戦術と聞いた。本当かな。ロシアンの、戦時立法の特別な作戦(戦時体制下では、憲法に関わる選挙をしない)を利用して、ロシアンをウクライナの三男に近づけないようにしている。それを利用して、ロシアンは、以前から大統領に選挙をやらせなかった(選挙で負けると新ロシアン体制を組みにくくさせられると警戒したのではなかったか)が、今は、逆にそれを利用して、選挙をしない大統領は独裁者などと長男のアメリカが音頭を取って攻撃している。ロシアンは、情報官僚のエリートだったたという。その頃のことだろう。政治家は、このような、ああ言えば、こう言う人たちこそが出世する、と嘯いていた。そういう官僚の典型ではないのか。大統領の兄貴は?
 
 情報官僚という類のタイプは!ロシアンが、最高だろうよ。
 
 一方、三角関係コントロールはアメリカの戦法という。 → アメリカ・ロシアン:対抗:大統領の三角形ともいう。この作戦は、いわゆる、「ホワイトハウス案件」ともいうらしい。ネイミングが、素早い。本当かな?
 
 三角関係で挟まれている大統領の反抗も、まだ効果を上げていない。というか、→ まだ、巨大な兄貴たちに抑え込まれて動けないでいるようだ。
 
 虚実皮膜の如し。嘘も方便、拘って使っていると、本当らしく見えてくるから、怖いよ、などと言っていたら、ウクライア議会で元気な声明が採択されたというニュースが出た。現実に戻って、戯画の外に出る。朝日新聞2月26日付夕刊記事参照、一部引用。
 
 「ウクライナ議会は25日、ゼレンスキー大統領の正当性について、国民や議会からは疑問視されていないとする採択をした。大統領選については、「公正かつ持続可能な平和が確立され次第」実施するとしているという。(略)。「ウクライナでは戦時体制が敷かれ、関連法の規定で大統領選を含む選挙が禁じられている。(略)。だが、ロシアのプーチン大統領や米国のトランプ大統領らは、ゼレンスキー氏の正統性に疑問を投げかけている」とあるが、
 
 日本で、以前にこの記事を読んだことのある記者は、当初から(3年ほど前)この記事を読んで、憲法と戦時体制の問題を心に刻んでいただけに声明採択の前に記者の特種として事実関係を指摘して欲しかった。メディアの責任とはこういう事実の指摘の積み上げができるメディアが、どれだけ育っているかを示すことにかかっていると信じている。
 
 朝日新聞はさらに伝える(前掲同紙掲記事を参照)。
 ウクライナ国民は「終戦後に選挙を行うべきだという見解で一致している」声明では強調された、という。
 
 メールマガジン「オルタ広場」3月号(つまり、お手元の今月号)のうち、拙稿の連載「大原雄の『流儀』」について、若干補足的に説明しておきたい。今月号も、情報源とした全国版ほか新聞紙は、通信社情報、朝日新聞社からは、2025年、1月から3月号を中心に刊行されたものを主として、深く読み込んだ。「深く」という表現も、主観的なものであるが、執筆者としては、いつもより取り上げるテーマを絞り込んで、さらに、メディアを巡る状況を「おお掴み」に論じるように心がけてみた。細かな断片的な情報も拘って追いかけてみた。時事的な論評を試みてみた、などなど。何せ、作家、ライター、物書き、と勝手に筆者の名称を替えてみても、要は個人事業者として、できるだけ事実を確認し、表現は個性豊かに、しかし、フェイクで足元を乱されないように注意しながら書き上げることが何より大事だろうと思っているので、その点は、ご理解を賜りたい、お許しいただきたい。以上、狂言作者の前口上のようなもの。狂言とは、嘘八百、虚実皮膜の如し、ということで、全てが繋がる。
 
 日米であれ、ヨーロッパであれ、世界の政治は、選挙取材との関係でSNSに手を焼いているようだ。民主主義の根幹部分を担う選挙が、今危うい状態にある。SNS と選挙権は、急にクローズアップされて来た重大な問題である。その割には、守備範囲が杜撰ではないか。SNSを偽情報が蝕む。
 SNS。ソーシャル ネットワーキング サービス。このサービス業が選挙報道を食い荒らしているように見える。
 明らかな偽情報がSNSで拡散され、選挙結果に影響する。していないか?
 瞬時に拡がる偽情報にどう対応するのかなど問題は山積している、という。目下は、SNS を悪用して、一儲けしようとしている「連中」が、あざとく動いている、という印象が残る程度だが、これで良いわけがない。
 
 ★★ リアル世界を握る「フェイク兄弟」に挟まれて
 
 三兄弟の二組目は、世界の三兄弟物語。
 
 1:アメリカ氏:自画自賛
 2:ロシアン氏:むっつり、密かに
 3:大統領氏:兄貴たちのイジメに抗う
  
 マスメディア系統の世界観の中で、まずは、アメリカという国家の大雑把な描写を試みて置きたい。第二次アメリカ政権下での本物の大統領の就任式が、アメリカ氏の人生にとってハイライトであった、ようである。8年前の第一次アメリカ政権発足体制よりも、今回は第二次アメリカ氏の思うままに政権構想がなされたのではないのか。4年間は無駄ではなかった。
 以来、アメリカ氏は、心がというか、魂が地に足がついていない、とも言う。体が空中に浮遊しているように見える。魂には、足がない、ということだ。確かに魂には足がないさ。
 
 アメリカの大統領選挙で実業家のアメリカ氏が、去年暮れから今年の初めにかけて大統領選挙に対抗した党派の女性候補と接戦しているのだとか、圧倒的に勝利し、大きな差がつくほどに離しているのだとか、と評価させて置きながら、勝利を納めたことにした民主主義国家・アメリカ世界は、新年から新しい価値観を打ち出した。それは、私の目には、民主主義国家というよりも利益・利潤を最優先する資本主義最優先国家(メイク アメリカ グレイト アゲイン)への、ブラッシュアップという方が素直なイメージを打ち出して来たのではないのか、というように実相がデジタルな仮想に映り込んできたようにみえる。
 
 まず、アメリカ大統領という国家観は、当初、アメリカという人物像としての滑稽譚の主人公であった。ストーリー上の主人公に過ぎない。
 
 つまり、いきなり、頭から高い関税の壁だか、網だかが被せられてジタバタすればするほど喜ばれた。不自由な国家は、自由な国に化粧直し(イメージ・アップ)をさせられたのではないかと思うが如何であろうか。「無理なほどの自由」は、アメリカ氏にとって、自分たちだけ享受すれば良いという自由だろう。権力で着飾った自由、とでも呼ぼうか。
 
 アメリカのホワイトハウスは、関税という網が被せられることで、事実上、「お出入り禁止」同然の国も生まれ出たように見受けられる。まず、アメリカという国家は、(メイク アメリカ  グレイト アゲイン)というキャッチフレーズの下に衣替えさせられようとしている。
 
 つまり、国内をグレイトな共和主義と自由な民主主義に二分する方法で、国を分割したように見える。国内を二分割し、次いで国外を二分割する。まず、二分割ありきなのではないか?トランプの権力観や民主主義観が具体的に描き出されるのは、三兄弟の喧嘩が終わってから描き出される国家像で細密化されるのではないだろうか?
 
  ★ SNSメモは?:悪用されていないか。書き手が、未消化なので、誤用は多いかもしれない。もっと、勉強します。
 
 三兄弟のひと組アメリカ、ロシアンなど兄貴の権力者がすでに悪用していないか。どうか。していないはずがないよね。それこそが権力の味なのだからなあ。
 
 日本の、どこかの自治体の「長」を選び出す選挙も、不審火の炎が燃え上がり、なかなか鎮火ができず、いつまでも燻っているように見える。
 
 県知事選挙は、公共の選挙の典型(スタンダード)を示す公職選挙。
 ソーシャル、虚偽情報の拡散防止、ネットワーキング、表現の自由、サービス、選挙への影響など。当初、スクリーンの向こう側に隠れるように鎮座していたSNS は、思った以上に若い世代に浸透していったのではないか。
 
 ★ マスメディアも二分割化されていた。
 
 二分割されるマスメディアにとって、大事なのは、「大メディア」と「小メディア」のバランスではないのか。その配置、マンパワー、体制。大事なのは、二分割化される状態の判定方法の確立だろう。
 その時、大事なのは、ネットワーキングという一点で、大小が接点を正当に維持し引き続き宜しく頼みます、と関係を維持し続けることができるかどうかということである。
 
 マスメディアにとって、「networkingー繋ぐ」ということは?、いったい、何か?
 どういうことなのか? 今後とも、追究したい。
 
 私たちは、ついきのうまで、確かになにかと自分を、あるいは、他人と誰かに均等に繋ぎ」をつけようとしていた記憶がある。いったい私はなにを繋ごうとしていたのだろうか。
 
 人間を繋ぐ、と言えば、それは、何か。ヒミツの宝物。
 知らないことを知っている、という情報収集力の力強さ。従来社会では、小は大に繋がれる、というのが常識であった。常識、そう、アメリカが最近、盛んに言っている言辞のことである。常識、標準、強制の目標。繋がりの連鎖は、どこまでも続く。
 
 私の印象では、メディアの機能は、まだ、変わらないのではないか、と思われるが、如何であろうか。
 まず、記憶をする、ということはなにか。人間は、このような記憶の運用として、組織の劣化が始まるとする記憶力。対抗する想像力。補う覚醒の記録。抗う記録の強さ。繋ぐ力。側で騒ぐ。繋ぐ力からこうした活用が始まる。
 
 ★ 今号の本論:メキシコ湾という出船・入船の機関
 アメリカさんからすると、禁句にしたいらしい「メキシコ湾」という用語。「アメリカ湾」を神経質に弄るホワイトハウス(!大統領府)からお出入り禁止となるとは、いかなる愚策か?
 
 メキシコ湾に浮かぶ海の名前が、アメリカのホワイトハウスの住民の手によって、
 メキシコ湾からアメリカ湾に変えられたという言葉狩り。
 要は、そこにアメリカのメディアの雄、AP通信がからみ、新たにアメリカの大統領(飛び石で、通算第二期目の大統領になった)アメリカ氏が、大きな体躯を見せて来たから、おもしろがられているらしい。
 
 アメリカ大統領が、動く。この大統領は、願わくば全ての交渉ごと、つまりはビジネスを、取り引きに、ディール(我がこと、つまり私事)に分解しようとしたいようだ。アメリカ大統領は、行動が単純にできているようだから判りやすい。
 
 一方、ロシアン大統領が、全てを満足ではないにしろ、自分たち少数者が世界の選ばれた権力者(エリート意識)の既存の価値観(願わくば、全ては我が儲けにならんことを期待する、というように極めて単純な価値観に近い感じで着地できる、ということからか、あまり喧嘩はしたがらないらしい。いわゆる、金持ち喧嘩せず、という古典的な行動哲学を実践する人々である。
 
 こうして見てくると、人間は、というか、人類は判りやすいのだね。愚直なほど同じ誤りを繰り返得すばかりだ、ということだけれども、判りにくいのも、やはり人間だ。判りやすくて、判りにくい。文学に泉があるとしたら、泉が枯れることなく文学が湧き続ける源泉は、まさにここにあるのだろう。判りやすくて、判りにくい。判りやすいから、同じ間違いを繰り返す。判りにくいから同じ間違いを平気で繰り返す。
 
 AP通信には、アメリカの老舗の通信社として国際的な政治、経済、外交をリードして来たプライドがあるだろう。世界のかつての西側世論のリーダー 、ホワイトハウス(アメリカの大統領執務室)は、白い城。ホワイトハウス、白い城がアメリカ氏のプライドをかけて報道の規制を跳ね返すだろう。喧嘩を買うために喧嘩を売る。そもそもジャーナリズム精神には、そういうところがあるから、権力から見れば、時に手強く、時にややこしい、扱いにくさを発揮する。
 
 メキシコ湾は、400年を超えて受け継がれて来た歴史がある。それでいて、メキシコ湾はアメリカ湾の代用にはなりはしない。AP通信は、独立したジャーナリズムの機関だ。メキシコ湾をアメリカ湾の、どうのこうのというものではないであろう。地元から見れば、メキシコ湾は永遠にアメリカ湾であり、アメリカ湾は日常的にメキシコ湾である。
 そう考えれば、アメリカ氏(長男)は、さして金を使わずにディールできるのではないか。
 
 それにしても、人類のデジタル化の変化には、凄まじいものがある。
 
★SNS というメディアは、日本の江戸時代にはなんだったのだろうか。私の脳裏に浮かんできたのは、まず第一には、目安箱→ であった。
 江戸の庶民と将軍をホットラインで結ぶ。発想が大胆で、インターネットへの接続クラスの大胆な発想ではないか。
 
  いきなり、当事者が情報を発信する。
 そういう客観的な情報ではないかもしれない。
 しかし、日常と違う情報に注目するという権力者の発想が大事だと思う。
 メキシコ湾も、目安箱。出船、入船の、目安箱だったのではないか。
 
★「究極の二分割主義」とは、 男と女という二分割に身を委ねることだろう。
 
 人類の歴史など、そもそも、男と女の関係が始まる、ということではないか。
 
 これも、(メイク アメリカ  グレイト  アゲイン)。
 
 なのではないのか。
 男と女が出会い、新しい人間関係が始まる。
 
 いま、世界の男女比は、大雑把に言えば、次のようになる、という。
 
 男と女の区分は、以下の通り。
 平均的な年齢。
 
 男30代:男性は若い方が多い。
 
 
 女40代:女性は、中年が多い。
 でも、社会の規範は、まだまだ、少数派の男性優位。
 マチズモ:男性優位主義が、蔓延っている。
 
 この人たちの中には、学生時代の就職時、氷河期を過ごさざるを得なかった人たちがいる。
 今も、不安定な生活に苦労している。今の関心は、将来の「低・年金」問題があるという。国会の論戦、甘いぞ!
 
 皆さんに伝えたいテーマは、多数ある。
 
 以上、「オルタ広場」迷走中ながら、「大原雄の『流儀』」は、健在、奮闘中。
 
 今日は、これまで。
 
 
 ジャーナリスト
(2025.3.20)
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