【コラム】あなたの近くの外国人(裏話)(79)

バングラデシュ暫定政権になってから発覚してきたこと③

坪野 和子

0.建国の父(?)シェイク・ムジブル・ラハマン
  銅像撤去のみでなくムジブル・ラハマン・ハウス炎上

 2025年2月5日(水)にシェイク・ハシナ前首相の実家であり記念博物館であるムジブル・ラハマン・ハウスが炎上した。いや、集団破壊の上、放火されたのだ。
 以下、動画を掲載する。多分英語を選んでいるはずだが、間違ってヒンディ語やベンガル語を挙げているかもしれないが、様子は想像できると思う。

画像の説明
  https://www.youtube.com/watch?v=vfkY1E-5Se0

◆BBC[確実に英語]
  https://www.bbc.com/news/articles/cqld7x1n22do
 これはわかりやすい。
◆The Hindu インドメディア
  https://www.aljazeera.com/news/2025/2/7/why-a-bangladesh-mob-burned-down-home-of-independence-icon-mujibur-rahman
 こういうの、野放し?しかも例の「革命」から半年経っている。若者はコントロールされている?
◆アルジャジーラ※歴史的解説付き
  https://www.aljazeera.com/news/2025/2/7/why-a-bangladesh-mob-burned-down-home-of-independence-icon-mujibur-rahman

1.バングラデシュ人は弱小国感が強い

 そもそもジンナー(パキスタン)がインドから独立しようとした[貧しい+イスラム地域]ところに、分離したかったガンジーの共謀から始まったことなので、もともと汚職体質があった旧インドと変わりない。パキスタンから独立しても国土が狭いのに人口が多い。インドの食糧貿易(政治的なことより民間農産物や牛)、安全保障はアメリカ、そして日本の技術支援(インフラなど)と人材教育、ロシアは独立の際に支援しているのでシェイク家(ハシナ首相一家)と懇意、中東からの原油や天然ガス、そして海外送金と、なにかしら外国に頼っているのだと考える人が多い。そしてそれによって裏金や利益を得ているのだと言いたい(※私の周囲の意見)ようだが、根拠がない。メディアも政府御用達、外国に頼ることで私腹を肥やしていると、どこまで言えるのか。

 今回のハシナ首相逃亡・暫定政権で、それを証言した・証言させられた人たちの発言によって、さらに政府にむさぼられたといった感じが、今までの独立系メディアや仮面をかぶっていた反体制メディアやSNSでの暴露が続出してきたので、それ思った通りだと、不満を持っている人たちが、自分たちが貧しいのは今までの政府がおかしいからだと。そして、ハシナ政権でイデオロギーや自国の利益でなく、外国援助から得た資金を懐に入れて海外の銀行へのマネーロンダリング。今回、マネーロンダリングに関しては、ほぼ明らかになった。やっているだろうとは思っていた国民も「え?こんなに?」という驚きを隠せないほどだった。

2.日替わりで新しい話しが出てくる③ 50年の年月で情報

 前回、1975年8月15日にクーデター坪野 和子に参加した元軍人のおじいさんたちが生き証人として証言をし始めたといういことを述べた。特にシェイク家(ハシナ氏の一族・実父ムジブル・ラハマン元大統領首相)や陸軍ワッカル氏の政府私物化について、隠し資産や宗教や反政府派の迫害指示など古い話しが次々と出てきた。ただ50年前なんで、その当時のことが風化しているので、現状が当たり前だと思っている人たちがいて、その当時を知らない若者たちは、過去についてどの情報を信じていいのかわからないようだが、それよりハシナ政権政府は最も信用できないとのことだ。しかし、真相がわかっているのは故人たちであることも感じているようだ。

3.日替わりで新しい話しが出てくる④ 内部告発 役人たち、ずっと黙っていた

 今の暫定政府で事務方を務めている役人は、ハシナ政権当時のまま変わっていない。簡単に旧政権の公務員を辞めさせられない事情があるからだ。役人を一気にクビにしたら訳が分からなくなる。辞めさせた職員が何か握っていたら今後の事務処理は混乱する。まずはきちんとした事務処理方法や書類の所在。役人たちが握っているのだから。それを整備しないとならない。ところが賄賂・裏金を搾取していたので何も話そうとしていないのだそうだ。これでは先にすすめない。

 以下はメディアではなくオフラインのクチコミやSNSで噂されている。あくまで噂である。暫定政府は内部告発…というか、密告を奨励し、誰がどういう風に賄賂・裏金を着服していたか、今や密告争いに変わっている。暫定政府としては、これまでの事務処理がどういう流れでどういう処理を決定したのか不明であると同時に、かわりに、密告をさせているとのことだ。彼はあれをした、これをした、は普通だったと思う。
 かつての公務員にとって「密告」が自分の生活にかかっているので虚偽報告もありそうだと私は考えた。内部告発が必要な状況なら「あぶりだし」もあっていいのかもしれない。強要でないなら仕方ない。そして、事務手続きや書類を円滑にさせようとしているのだとのことだ。
 そもそも、今回最初に浮き上がった問題は公務員試験受験資格者を制限したことに始まる。祖父が1975年8月15日にクーデターに参加した元軍人であれば、優秀な若者には機会がなくなる。現職役人たちがハシナ氏の傘下でいられれば「いい子いい子していれば」安泰だし、副収入も得られる。今のところ、90度くらいの政変だろうな(※取材した方の表現)。

4.政敵カレダ・ジア氏とハシナ氏の現状

 BNP代表で3回トップを争ったハシナ政権より前の首相。おばちゃん同士の争いと、バングラデシュ人は娘が担がれている揶揄、または逆に女性が活躍するイスラム教の国(※インドのインディラ・ガンジーも仏教、ヒンドゥ教スリランカもパキスタンも女性トップが存在する、日本やアメリカは女性トップが未だにいない)。カレダ・ジア氏は現在ロンドンで医療を受けている。膝の問題だとのことだ。取材当時、ドバイからチャーター・エンブレム。ロンドンにいる。現在ハシナ氏は行方を明らかにしていない。

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画像の説明
https://ameblo.jp/amalags/entry-12887425579.html

(2025.3.20)
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