■俳句; □ 富田 昌宏

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 躓づきて老いと向き合ふ今朝の秋

 秋出水農夫の背の震へをり

 秋の蝉落ちては五体投地めく

 穂芒に風なぎ重さありにけり

 かりんの木がむしやらに実をつけにけり

 天高し僧も蕎麦食ふ深大寺

 虫しぐれ手ぶらの客を囲みけり

 賞罰のなき履歴書や文化の日