■歴史資料;

□決算委員会の小泉答弁(人生いろいろ)        

   第159回国会衆議院決算行政監視委員会
   第7号(2004年6月2日)
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○岡田委員 総理も自由民主党の総裁であれば、少なくとも、一本化、一元化の中に 国民年金も含まれるんだ、国民年金を含めた一元化が望ましいんだ、必要なんだとい うことぐらいは自民党の中をまとめてから、具体的な交渉をしていただきたいと思い ます。そういうこともせずにばらばらで議論したって、進むはずないじゃないです か。  時間が限られておりますから、最後、総理、数日来、総理御自身の厚生年金の問題 が取り上げられています。  私は、総理はこの際ちゃんと謝った方がいいと思うんですよ。いろいろ言いわけし ているのは見苦しいですよ、日本国総理大臣として。普通の人ならいいですよ。日本 国総理大臣が厚生年金制度を、実態はないのに、それを利用して、年金としての資格 に入っていた、やがては給付も受ける。やはりこれはどう考えてもまずいですよ。で すから、私はちゃんと謝られた方がいいと思いますよ。いかがですか。

○小泉内閣総理大臣 三十五年ほど前の、しかも議員になる前のことで、私は、何が おかしいのか、いまだにこれを問題にする方がおかしいと思っています。何のために 私が謝らなきゃいけないのかも理解に苦しんでおります。  私は、多くの方々のとうとい支援によって国会議員に当選させていただきました。 支援者の中にはいろいろあります。私の支援者の中には、身銭を切って小泉に何とか 当選させてやろう、そういう方々も多くいたからこそ当選することができたんです。  そして、社員はこうだと言いますけれども、人生いろいろ、会社もいろいろ、社員 もいろいろです。全部社員が同じように、一定の時間に会社に出て、一定の時間に会 社を退出して、そして机を並べている社員も多いでしょう。しかし、うちにいてもい いよ、あるいは、海外旅行してもいいですよという会社もあるんです。それでも社員 です。恐らく岡田さんの関係の会社だって、全部社員が同じように働いているという 社員ばかりじゃないと思いますよ。  私が落選中に極めて太っ腹の人情味のある社長さんにめぐり会って、ああ、小泉 君、一回ぐらい選挙に落ちてくじけちゃだめだ、私も応援してあげるからと、そうい うことで、あなたの仕事は次の選挙で当選することだと言って、極めてありがたい言 葉をもらって、熱心に応援してくれたんです。そういう極めて善意の、見返りを求め ない貴重な人々の支援があったからこそ私の今日があるのであって、今でも私はその 社長さんに感謝しております。  こういうことについて、何らやましいこともないし、何で謝らなきゃなんないの か。しかも、三十五年前のことが今のこの国会でそんなに議論しなきゃならない問題 なのか、私は理解に苦しんでおります。

○岡田委員 私は、一言だけ申し上げますが、今の総理の発言を、この方が日本国総 理大臣なのかと非常に寂しい気持ちで聞いておりました。  つまり、それは、太っ腹で支援してもらうのはいいですよ、ちゃんと法律にのっ とって政治資金の寄附をする。だけれども、これは、厚生年金制度という国の立派な 制度を、それを活用して、そして本来入ってはならない人が入ったという事件です よ。  もし、総理がそういうふうに開き直れば、これから同じような、日本国民がこう いった厚生年金制度を利用して、例えば、自営業の人が籍だけ会社に置いて厚生年金 に入る、入りたい人はいっぱいいますよ、有利ですから。そういうことに対してノー と言えるんですか。国の制度の根幹が揺らぎますよ。それが総理大臣の言うことです か。

○細川委員長 時間であります。質疑時間は終わりました。時間が参りましたので、 終わります。  以上をもちまして平成十四年度決算外二件についての質疑は終局いたしました。  内閣総理大臣は御退席をいただいて結構でございます。御苦労さまでした。

出典:http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_kaigiroku.htm