【コラム】大原雄の『流儀』

私論・マイ「メディア史」(3)

大原 雄

 ★★ 地球は、危険な暑さの「鍋の中」
 
 近ごろ、都に流行るニュース。毎日、世界の各地から、地球規模の危険な暑さが報じられる「常態化」現象。
 
 6月。
 スペインでは、ポルトガルとの国境付近で、最高気温が46度を記録した。
 アメリカでは、ニューヨークで、ボストンで、それぞれ、39度を記録したという。40度を超える高熱では、人間は、意識を失ってしまうのではないか。
 以下の記事だ(朝日新聞7月2日付夕刊記事参照、一部引用)。
 ヨーロッパでは、地中海沿岸から熱波は北上している。
 
 気になった情報は、これだ。フランスの電力公社EDF に拠る、というクレジット。
 
 フランス南西部のゴルフェシュ原発では、6月29日、冷却水に使う河川の水温上昇のため稼働を停止したという。
 
 激しい暑さは、アメリカでも広がっている、という。
 中西部ミズーリ州でも、暑さでアスファルトが軟化したことが原因とみられる道路陥没事故が報告されたという。
 
 現地メディアによると今回の熱波はいずれも、「ヒートドーム」と呼ばれる現象が原因だという。上空の高気圧が、暖かい空気を「鍋のふた」のように閉じ込めてしまう、という気象危険現象が起きている、という。
 
 ★★★ 朝刊一面二面の大見出し/米、イラン核施設空爆/米が参戦 危機加速
 
 トランプ氏はホワイトハウスで国民向けに演説し、アメリカの参戦は「軍事的に大成功した、と報告できる」と、自慢する。
 
 「イランの主要な核施設は完全に破壊された」と強調した。6月23日付朝日新聞朝刊ほかメディア情報参照。
 
 2日後、25日付朝日新聞朝刊一面 
 
 ★★ 大見出し/イスラエル・イラン 停戦合意/
 直後に応酬見えぬ沈静化
 
 これが、メディアの文体だろうか。これでは、戦場の「軍事情報」であって、戦場に🧍報道人が見えない。これではニュース報道ではないのではないか。6月14日の、トランプ大統領のお誕生日の軍事パレードに続く、1週間後の、軍事情報。21日の空爆という奇襲作戦を先攻させて、「成功」と、強調するトランプは、勝手に誇示しているだけなのではないのか?国際社会は、トランプさんを国際社会の世界に巻き入れていかないトランプの権威主義ばかりが、目立ってしまう。これでは国際社会は自滅して行くのではないか。
 
 27日付朝日新聞夕刊続報、参照。以下、記事、一部引用。
 
 アメリカ国防長官らが26日、(略)空爆の効果が限定的だったとするアメリカメディアの報道に反論しようと、記者会見を開いた。(略)「歴史的に成功した攻撃だ」とトランプ流言辞を繰り返し強調した、ようだ。
 その際、国防長官は「新たな情報はほとんど示さなかった。」という。何のための会見なのか。ニュースのない情報を繰り返すだけ。大きな見出しを立てにくいから、見出しも小さい。紙面に掲載される情報量も少ない。ナイナイ、ずくし。
 
 例えば、最近では、6月28日付夕刊(朝日新聞)。典型的なケースと見た。
 まず、27日のホワイトハウスでの記者会見。
 
 トランプ:(イランにウラン濃縮活動を続ける能力があると情報機関が結論づけた場合、再び空爆するかと問われると「もちろんだ。疑問の余地はない。必ずだ。」と答えた。
 
 「もちろん」ということを3回繰り返すためだけの会見。メディアの枯渇以外のなにものでもない。こういう権力者の言動を監視しつつ、ジャーナリストは、どういう記事を世界に発信すべきか。ここは、メディアの登場が期待される場面ではないのか。
 
 トランプ:(投函したSNSで、)ハメネイ師の「怒りと憎悪、嫌悪に満ちた声明」を受けて全ての作業を即座に中止した」という。つまり、トランプは怒りに任せて事態を解決に向けて汗を流すどころか、逆に投げ出したのだろう。国際政治のトップレベルの政治家がこれでは、地球に生きる人類は困ったことになる。
 
 この問題は、超大国のアメリカとそれをコントロールするトランプ政権が自由貿易秩序に加え、軍事面でも国際的な規範から「意図的に」逸脱したという発言辺りが、正鵠ではないのか。まことに心細い限りだ。
 
 ★ ★ ★ 朝日新聞26日付一面の中見出し
 
 イスラエル:「歴史的勝利を収めた」
 
 イラン:「同様の言葉で勝利を主張」
 
 トランプ:「広島や長崎の例は使いたくないが、あの戦争を終わらせた点では本質的に同じことだった」と「主張した」という。その後、トランプの発言に対しては、厳しい批判の声が続くが、権威主義国家の指導者は、トランプの後を押しているように見える。
 
 トランプに異を唱えるどころか、取り巻きのように、トランプ政権におべんちゃらを言っているだけではないのか。その証拠に権力者たちは、皆、己の手柄噺ばかり、強調したがる。
 
 こうした中で、広島市議会が、トランプ発言巡り決議。
 「原発正当化、容認できない」という声が、上がって来たのである。
 
 何か、トランプの発言は、付け焼き刃の浅知恵で、ペラペラしゃべっているだけのように、私には聞こえる。
 
 いずれにせよ、これらのニュースの中には、「作られたニュース」の可能性が高いのでは?
 オールドメディアのジャーナリストの皆さんよ!
 しっかりして欲しい。
 
 何が、ファクトか。何がフェイクか。ジャーナリストならではの視線で、いつもにも増して、きめの細かい取材を期待したい。
 
 アメリカの報道:「アメリカの情報機関の初期評価では、イランの核施設の重要な部分を破壊することはできず、イランの核開発計画を数カ月遅らせたにすぎないとの見方を示した」
 という。情報機関職員ということは、アメリカの「スパイ」のことだろう。
 
 ここでは、情報機関職員が、政治家以上の卓見力を発揮する。
 
 素材としての情報と素材を消化しての、ニュース原稿の内容を精査して、分別せよ。
 大事な時に、トランプ政権のアメリカには、有能な人がいないんだな、と痛感する。
 それに気づいている人々は、政治家を除けば、大勢いるのではないのか。なにか、腑抜けたアメリカ社会。
 
 「ものを見る目を持て!」。中学生時代に恩師から贈られた言葉が、頭の中で響き渡る。
 
 朝日新聞のニ面の時事刻刻の紙面の大見出し/急転 薄氷の停戦
 
 苦しまぐれの見出しを立てた、工夫の跡が、ありあり!
 トランプ政権の綱渡り外交を「演出」の『即席合意』と、揶揄する。イランは、予想以上の劣勢、イスラエルは、「目標達成」、といずれも、苦肉の見出しで、この場を凌ぐ構えのようだ。
 
 大掴みながら冒頭から、朝日新聞記事を中心にオールドメディアが報じた中東情勢をまとめてみた。
 
 ★★ 大規模軍事パレードは、トランプの誕生日!
 
 アメリカの空爆が軍事パレードの、1週間後に実際に実行に移されるとは? 
  アメリカの首都ワシントンで、14日になんと軍事パレードが展開された、という。命じたのは、トランプという大統領。アメリカの陸軍創設250年記念の一環だというが、この日は、トランプの「79歳の誕生日でもあった」という。
 誕生日に、タンクの玩具が欲しい、とでも、小さな帝王は、だだでも、捏ねたのか?
 
 特大の蝋燭に火を灯したのは?
 トランプ側近の国防長官か、副大統領か?
 
 このパレードに対し、アメリカ各地では、抗議集会が、相次いだという。フィラデルフィア、ニューヨーク、ヒューストン、ロスアンゼルスなどで開かれたという。主催者側は、開催箇所は、2000ヵ所以上に上ったとしているという。
 
 新聞の写真を見ると、パレードには、主力戦車「エイブラムス」が、列をなして進んでいるのが認められる。添えられた記事には、上空に「大型ヘリCH 47 やアパッチ攻撃ヘリ・ブラックホークも飛行した」とある。午後6時過ぎ、ホワイトハウス前に設置されたステージでは、トランプが姿を見せると、「大砲の音が鳴り響いた」という。
 
 「トランプ氏は演説で『我々の兵士は決して諦めず、降伏しない、彼らは戦って、戦って、戦って、そして勝って、勝って、勝つ』と強調」したという。
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 この記事は、朝日新聞6月16日付朝刊ほかを参照し、一部引用した。トランプ演説の中の「勝って、勝って、勝つ」という台詞は、誰かが使っていなかったか。トランプの「勝つ」には、相手兵士を殺す、という強い憎悪が含まれている。誰かが使ったのは、スポーツの試合である。スポーツマンシップが、底に流れている。
 パレードに対する抗議者には「非常に強力な武力で対処する」と、トランプは宣言している。言論表現に対する敵意をむき出しにした「民主主義」大統領などというものは、いないのではないか?
 
 アメリカのメディアは、トランプやトランプ支持者の声に注目し過ぎて、「弱い」アメリカ人の声を伝えきっていないのではないか、というように私には感じられるがどうだろうか。
 弱い声こそが、民主主義の子、アメリカの声なのではないのか。
 
 例えば、こんな声である。こういう声もメディアは、拾っている。
 
 「声を上げない限り、事態の悪化は止まらない」。
 「アメリカに言論の自由は、もうないかもしれない」。
 
 ★★ 「お詫びする」という勇気
 
 今月号の「オルタ広場」では、メディアのお詫びから、記事を書きたかった。冤罪報道でのメディアの責任である。
 
 まず、メディア界の現場に居た老(元)記者の一人として、6月12日付朝日新聞朝刊記事を踏まえて、私も、「おわびします」の列に加わる。各紙、皆、同じお詫びの決意表明。以下、リードと記事の概要。
 
 ★ ★「不適切な判断 お詫びします」
 
 以下、概要を引用。
 「大川原化工機をめぐる冤罪事件で、朝日新聞は当初、警視庁の発表や見立てに沿って報じました。会社側の主張も取材したものの、紙面・デジタルの記事に反映していませんでした。起訴取り消しを受け、逮捕時などの記事を速やかに修正すべきでしたが、相嶋さんのご遺族から指摘を受けるまで対応できませんでした。今回、会社側の反論を報じなかった判断は報道の姿勢として不適切で、迅速に名誉回復を図れなかったこととあわせて、大川原化工機の関係者のみなさまに深くおわびいたします。」
 東京社会部長の署名入り記事である。
 
 事件報道では、事件事故の発生初期の段階では、警察が発表した情報を前提とせざるを得ない面があることは、私も、そういう職場で働いていたので、承知しているが、取材を重ねていれば、どこかで、これは事実の報道ではないかもしれない、という気付きを体験する段階があり、警察機関の監視を続け、容疑をかけられた側の主張を丁寧に伝え、それをいち早く指摘しなければならない。「推定無罪」の原則に則り、継続的な取材に努め、名誉回復に徹しなければならない。メディアの記者をしていれば、そうした不甲斐ない取材に巻き込まれたことがない記者など少ないのではないか。大川原化工機の取材は、私は体験していないが、冤罪事件に加担するようなことがないように人権感覚を日々磨いて行きたいと思う。
 
 「不適切な判断 おわびします」という社会部長名で書かれた記事の見出しの重さは、朝日の場合、「訂正して おわびします」という不断のお詫びの繰り返しの上に追加されたという苦い思いをメディアで働く若い記者の皆さんも忘れないでほしい。
 
 このコラムでも、嫌味なくらい新聞の片隅に追いやられるようにしか掲載されない訂正お詫び記事。考えてみれば、この連載コラムは、新聞記者の中でも、都会では珍しい地方記者に記述が集中し過ぎたかもしれない。しかし、地方記者というキーワードは、当時、中学生の私にとって、やはり魔法の呪文のようなものであったからだろうし、地方記者というものを知らなければ、私は記者には、なっていなかっただろうと、今も思っているのである。少なくとも私が知っている記者で、「地方記者」、確か、「続 地方記者」の本を読んで、記者の道を選んだと言っているジャーナリストに池上彰さんがいる。彼と一緒にNHK報道局社会部の大部屋で、遊軍記者として仕事をした。並んだ机で原稿を書いていたこともある。
 
 ★ 大川原加工機の社長・大川原正明さんの言葉の重み
 
 テレビの画像ニュースを何度も見ていて、大川原社長について思うことは、いわゆる「人質司法」という、私たちのような無辜の国民が警戒すべき蟻地獄が足元に広がっている危険性に警戒しながらも、どこまで、抵抗できるだろうか、ということであった。
 
 大川原社長の恨み節に、暫し耳を傾けたい。落ち着いた口調で、自分を客観視しながら、筋の通る訴えをしている。その話ぶりに、感動した。冷静、沈着。
 
 「朝日新聞は、私たちが最初に逮捕されたことを報じた記事で、容疑を否定しているという会社の見解を載せてくれなかった。警察の発表を一方的に記すだけでした。」
 
 「無実を訴えることが不利になるというのは、人質司法だと思います。自分自身が反論できない中で、(略)、違法なことはしていない、と訴えていました。新聞記事でこうした主張を載せていただけなかったことに、不信感を持ちました。(略)警察は、認否を明らかにしなかった。否定していたことは、ちゃんと言わなきゃだめだと思います。メディアもそれを求めないといけない。」
 
 この部分の談話内容は、短い文章ながら、実に重みがある。否定している話の中身を詳しく知っているのは、誰よりも自分自身である。私は、記者たちからよりも、大川原社長の、冷静な短文にマスメディアに公理のようなものを学ばせさせられている。
 
 朝日新聞でも、経産省の担当記者は、大川原社長の容疑を否定する情報を記事に盛り込んで出稿していた。せっかく真実の一廓に記者が辿り着きながら、情報を「字にすべき」(ニュースと、すべき、という、価値判断を誤り、結果的に掲載されなかった」という。誰の判断か?
 誰がニュース原稿を潰したのか。
 
 この部分の記事は、朝日新聞6月12日付朝刊記事をベースに私なりに深く読み込んでみたのだが、精査に耐えているだろうか?
 トランプ政権が相手では、それも、一筋縄では行かない。
 
 ★★ US スチール買収承認、日鉄が普通株100%  米政府に黄金株
 
 黄金株?
 政治と経済が、大綱引きをした果てに、買収話がまとまったらしい、くらいにしか判らない私には、見落としがある。トランプは、アメリカのバイデン前大統領が出した「買収禁止命令」を修正。「国家安全保障上の脅威は条件を満たせば十分に軽減される」とし、日鉄とUSスチールがアメリカ政府との間で国家安全保障協定を結ぶことを条件に買収容認へ道を開いたと「三方一両得」の落語噺のような記事を朝日新聞は、6月14日付夕刊トップで掲載した。
 
 担当記者さん、担当デスクさん、担当編集委員の皆さん、分かり易い記事が朝日の紙面を飾ってくださるのを待っています。
 
 陰の声):
 「NHKの方が、まだ、判りやすかった、かな。NHKでは耳で聴いて判る文体を磨け、と言われていたからかなと思う。黙読、黙って字を読む文体とアナウンサーの持つ声帯を介して発せられる声という生の文体、これも研究成果が、いろいろ発表されていることだろう。
 
 政治と経済の話に「黄金株」が出てきた。大波に乗って、大きな桃が流れてきた。
 
 ★ 黄金株:拒否権付き種類株式
 
 その後、黄金株の説明。経営の重要事項に拒否権を持つ「黄金株」をアメリカ政府に発行し、アメリカ側がUSスチールに一定の影響力持つ枠組みとなる」ことだという。
 いやあ、頭の中が混戦し始めた。これじゃ、判らぬ。
 
 そこへ、続報が届いた。朝日新聞6月15付朝刊記事。
 
 「日鉄側の経営の自由を縛る安保協定や黄金株は、買収容認に転じるにあたり、過去の発言との整合性をとり、トランプ氏のメンツを守る意味合いもあったとみられる」という。なるほどあくまでも「安保協定」と「黄金株」というお土産付き。それを一般読者に判りにくくさせるための、政治と経済の妥協の調整の果てということか。
 
 その懸念。やはり、安保か。安保:戦争懸念が、今後、トランプ政権は、さらに「広い分野で持ち出される恐れがある」という専門家の指摘がある。黄金株を支配するのは、トランプの、「戦争」感=「漁夫の利」感いうわけだ。大金持ちが、さらに金の匂いを嗅ぎつけて、騒いでいるのか。
 
 衣の下に、鎧(よろい)というわけか。
 
 ここ掘れ、ワンワン!
 
 いま、世界の戦争感は、トランプに個人的に、牛耳られているというのか?
 
 ★ 「生放送中の国営放送攻撃」
 
 18日付朝日新聞朝刊、一面トップ。国営放送攻撃の続報。以下、続報(一部引用)。
 「イスラエル軍は16日夕、イランの首都テヘランの国営放送局を生放送中に攻撃した。同局によると、職員3人が死亡した。(以下略)。
 
 17日付朝日新聞夕刊の一面、左肩上の見出し「イラン国営放送を攻撃」「イスラエル 生放送中に火災」。
 つまり、イスラエルがイラン国営放送を攻撃生放送中に火災発生」というわけだ。
 
 一瞬、「NHK 生放送中に火災」などというスーパーが、ガラス張りのスタジオをぶち破って、飛び出してきたら、というフェイクなニュースがリアルに見えたような気がするから怖い。
 
 僅かだ、数十年前、日本でも似たような光景があったのだ。昭和の二・二・六事件。放送局では、それ以来、外部の人が建物の内部に入ったら、迷子になるように廊下から部屋へ通じる通路には、案内の札をつけていないという。
 この放送局では、地方から転勤してくると、転勤者が自分の新しい職場を探しているうちに迷子になった、という。笑えない、笑い話も、リアルに感じられた時代もあった。この時代、今だって、どう急変するか、判らない。それほど、現代という時代は、危ういのではないか。
 
 6月21日、トランプさんは、アメリカ軍がイランの核施設3カ所を「空爆した」と発表した。それまでの外交交渉の方針を転換させた、という。
 
 と、思ったら、
 
 6月23日午後6時、トランプさんは、「イスラエルとイランの間で「完全かつ全面的な停戦が合意されたと、投稿した、という。トランプは、世界の人々の心を 弄んでいるのか 、と怒られるよ。
 
 ★★ いつもの、朝日流「訂正して、おわびします」
 
 今月は、定番「訂正」が、ないのかなと思っていたら、出てきた、出てきた! 残念。
 27日付朝日新聞。
 ▼25日付経済面の(略)労災に関する記事で、「東京都労働局」とあるのは「東京労働局」の誤りでした。
 ▼26日付オピニオン面「論壇委員が選ぶ 今月の3点」で(略)筆者名が「竹信美恵子」とあるのは「竹信三恵子」の誤りでした。」
 今月はほかにも同レベルの訂正があったが、省略した。
 
 
 朝日新聞は、社内で何か決定的なことが進行しているのではないのか。
 何か、新聞の紙面づくりシステムに、根本的な欠陥でもあるのか。きちんと、読者に説明した方が良いのではないか。
 
 ★★ 高校時代は、学内新聞部の「記者体験」
 
 新聞記者も専門化してくると難しい原稿を書くようになるものだ。ーーー新聞記者になる道は険しく、遠そうだ。という、弱音を吐いている場合ではない。
 
 旧制府立高校系の都立高校に入学した私は、一年生の時から、新聞部に入部した。「新聞部記者」として、幼いながら記者体験が始まった。と言っても高校生の新聞発行体験である。以下の項は、ほとんど記憶に基づいて書くので、誤記もあり得る。誤りに気付かれた方は御教示下さると嬉しい。
 
 私が通った当時の都立高校は、制服を決めているところが少なかった、と記憶する。「制服無しの伝統を守れ」というようなテーマで特集を組んだこともある。当時、新聞部の部員が愛読していた雑誌は、月刊誌では岩波書店が刊行していた「世界」、未来社の「展望」、週刊誌では、朝日新聞社が刊行していた「朝日ジャーナル」であった。高校時代は、これに加えて、河出書房が刊行していた文藝雑誌「文藝」を付け加えたい。高橋和巳は、新人作家として、もう出てきた時期ではなかったか。
 
 高校時代の思い出では、通称「ジャーナル」と呼んでいた「朝日ジャーナル、によく似た週刊誌大の雑誌を文化祭記念特集号として、兎に角、在学中に刊行できたということであった。
 高校時代も、3年生になると、大学受験競争が始まる。現役合格を狙うなら、遅いくらいだ。クラブ活動の主役は、2年生以下の後輩に譲っていたから、制服自由論争も、朝日ジャーナルの体裁やレイアウトを真似た雑誌の文化祭記念豪華(その後、廃刊になったが、原本として、新聞部内の資料室にでも保管されていないだろうか、という思いが残る。この時の新聞部の顧問教諭は、日本史担当の網野善彦教諭であった。網野先生は、新聞部の生徒たちの編集方針には、ほとんど口出しをせず、私たちの方針を静かに見守ってくださった、ように記憶している。制服自由論の時は、学校の校長側が、制服着用論を前面に押し出してきた時に、初めて困った声で、学校側との対決色を強めて行く動きのあった私たちの動向に、処分者が出ないようにと心痛されていたようであるが、私たちも、
 言論路線は先鋭化させたものの、実力抗争までは踏み込まなかった。
 
 当時、新聞部の先輩には、「民青系」の卒業生がおり、時折り、後輩たちの新聞作りを指導する、という理由で、姿を見せていた。
 民青系とは、日本共産党系の青年・学生系の組織「日本民主青年同盟」の略称。1923年4月5日に創立されているというから、その歴史は100年を超える、伝統のある組織ということだ。
 15歳から30歳までの青年層で構成された団体で合法的な活動を全国の大学や高校、職場で繰り広げていた。高校の先輩は黒い詰襟の、いわゆる学生服の上下を着て、下駄を好んで愛用していた、ように思われる。大学に通っていたのかな。今なら、どういう雰囲気の青年だったのだろうか。インターネットの情報では、今も、7000人のメンバーが、地域、職場、高校・大学などで活躍している、という。
 
 我々が大学に入る頃というと、1965年から1970年だから、世の中も、騒々しい雰囲気を強めて行く時代だった。
 
 大学は、学部の建物(校舎)よって色とりどりの、旗(はた)盛り。などと書くと、小中学校の運動会みたいになるが、これは誇張が過ぎるとしても、教室のある建物の出入り口はバリケードで封鎖されていたりして、教室に入れなくされていた。
 
 (続く)
 
 (ジャーナリスト)

(2025.7.20)
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