「全国社会運動資料センター」設立の提唱

■【運動資料】

 「全国社会運動資料センター」(仮称)設立構想(案)について     
                             羽原 清雅
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*趣意
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  ・活字離れの時代になり、さまざまな分野で書籍類の比重が落ち、各種の記録
が失われる傾向が強まっています。とくに戦後の政治の大きな核であった社会党、
労働組合などをはじめ、住民、平和、農民などの社会運動については、各方面の
関係者たちの書いたもの、あるいは研究者によるものなどがかつては多数に存在
していましたが、急速に消えつつあります。さらに、それらの文献を総体として
集積する施設や機関はほとんどありません。
  ・一方で、この分野に関心を示す若い世代、あるいは海外の研究者は少なくあ
りません。一定の時間を経て、あらためて研究対象としての興味を高めているよ
うです。また、社会党が民主党、社民党へと分散し、労働運動も総評から連合に
変わる、その歴史や意味合いなどについて、かつてはとかくイデオロギー的に捉
えられがちだった視点を離れて、より客観的に見直そう、といった機運も出てき
ています。
  ・また、政治関係のみならず、社会的な運動自体も時代の流れとともに発展し
たり、廃れたりしながら、歴史のなかで大きな動きを示して、権力、社会、世相
などに大きな影響を与えてきました。平和、安保、住民、生協、女性、農民、国
際交流など、それはきわめて多岐にわたっています。いわば庶民側の歴史でしょ
う。ただ、こうした運動は折々の必要に迫られたり、あるいは一定の役割を終え
たりして、消えていくことも少なくありません。そうした運動の性格上、これら
の記録類は消えやすく、歴史等の研究においても顧みられなくなってしまいがち
です。
  ・そこで、このようなジャンルの資料、文献類を集め、将来にわたって活用す
るとともに、かつて社会的に重要な役割を果たしてきた軌跡をとどめられるよう
な機能を持ちたいと思います。

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*分野
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  ・社会運動は多岐にわたります。すべてを同時進行させていくことは作業的に
もむずかしいと思われます。そこでまず、第一段階では、「政治」にウエイトを
置いて、社会党、社民党関係などの当事者や研究者等による書籍類を軸に集積し
たいと考えています。ついで、第二段階で、社会運動の各分野にわたる全般的に
文献、資料、記録などの集積に手を広げていきたい、と思います。
  ・第一段階では、具体的には、党史、社会・社民党研究、政党・政治史、関係
者の著作や全集、人物論、地域の活動史、党や派閥などの刊行物、年鑑、内幕も
のなどです。
  ・総評、連合などの労働運動については、集積を続けている大原社研など他の
機関もあるので、これらとの調整を図りつつ検討します。
  ・対象となるのは、戦後が中心になりますが、戦前の無産政党などの動向に関
するものも含みます。
  ・活字以外の写真や映像関係も大切であり、将来的には保存の対象に組み入れ
て生きたいものです。さらに、かつての政党や組織などの内部的な文書類などの
集積保存を考えていかなければならないでしょう。

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*組織
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  ・大きな課題となるのは設置の場所の確保、ついで資金の調達、そして管理能
力を持つ人材の確保、そのうえで利用者に提供するための対応などです。
  ・設立場所の確保が第一の課題になりますが、そのめどが立った段階で、当面
は「全国社会運動資料センター」の発足準備会を設けます。書籍文献などの確保
策、カンパ募集などの資金対策、各方面へのアピールなどの検討に取り組みます。
  ・また、設立場所が固まりましたら、その周辺在住の司書資格のある方、教師
出身などリーダーシップがあり事務処理能力のある方など、数人のボランティア
に参加を呼びかけます。交通費などは支払いますが、基本は趣旨に賛同するボラ
ンティアで運営します。

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*収集 
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  ・党関係者をはじめ運動に関わってきた人々、さらにこうしたジャンルに関心
を持った人たちに、書籍、資料などの提供を働きかけます。もし政党などの組織
団体等の関係者の協力が得られるなら、各地で呼びかけに加わってもらいたいも
のです。
  ・問題のひとつは送料ですが、これは原則として提供者側に負担をお願いした
いと考えています。当初の資金繰りはかなり苦しいと思われるためです。
  ・他の図書館などがこの分野の図書類で、複数のものを保有したり、不要なも
のがあったりすれば、無料提供してもらうよう働きかけます。
  ・新たに刊行、作成される書籍、文献類については、極力寄付してもらうよう
努力します。

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*整理
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  パソコン入力により登録、分類し、整理したうえで閲覧できるようにします。
郵送による貸し出しも検討します。

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*資金
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  ・個人的なカンパとしては、関心のある賛同の方、政党や労組などの関係者、
OBやOG、シンパなどにお願いします。
  ・組織、団体としては、政党、労組、地方組織、OB会などに働きかけますが、
関わりのある方に紹介してもらいたいと考えています。
                             2011年5月

    連絡先 羽原 清雅(162-0045 新宿区馬場下町40)
             090-5439-4216/03-3202-6726         
             khabara@mtd.biglobe.ne.jp

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