俳句106

■俳句  富田 昌宏

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  被災地の 石に声あり 曼珠沙華

  紅き帯 畦に解きけり 曼珠沙華

  刀身に 粉打つ無我の 夜長かな

  縄文顔 弥生顔あり 新酒酌む

  求愛も 晩夏もありて 虫しぐれ

  栗落つや 絶叫のごと 口裂いて

  助さんの 肩から咲きて 菊人形

  石仏の 掌は憩ひの座 赤とんぼ

  烏瓜 夕日の色を 深くせり

  今年米 積みて農夫の ひとり言

         (月刊俳誌「渋柿」代表同人)

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