俳句97

■俳句                             富田 昌宏

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 初春や金粉入りの銘酒注ぐ

  兄弟七人みな健啖や七日粥

  防空壕掘りしこの手や鍬始め

  核兵器持たぬ日本や四方の春

  耕転機音巻き上げて寒日和

  死に神に居留守使ふや寝正月

  干大根風が曲って過ぎにけり

  寒鯉の一瞥(べつ)に会ふ巴波(うずま)川(栃木)

  築山の石それぞれに冬の貌(かお)

  去年今年土間に吊せし農日記

(俳誌「渋柿」代表同人)

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