新しい沖縄党の可能性

【沖縄・侃々諤々】

沖縄県知事選の感想と意見
新しい沖縄党の可能性

              
富田 英司


■はじめに
 4年間、沖縄生活をして大病になり、いったん静岡の自宅に戻っていたが、県知事選はどうしても応援し、投票もしたいので名護のアパートに戻った。
 投票をすました16日夜、名護の勝手連事務所で地元の皆さんと一緒に開票速報を心配して待っていた。8時1分、テレビ画面に翁長氏の当選速報! 皆ビックリで大歓声! 喜びの余り椅子から転げ落ちる人! 感激の余り泣き出す人も! 我らの翁長氏が仲井真氏に約10万票差をつける圧勝であり、沖縄県民の喜びもひとしおであった。

■県知事選の意義を考える
 この県知事選をめぐって本土から、「翁長は自民党だ!」「安保容認派だ!」「承認撤回を明確に述べていない」など、翁長氏批判をする人たちがいた。これはあまりにも沖縄の状況を理解していない意見だと思った。「オール沖縄」がどんな経過を経て結成されたのか、2013年1月28日まさに「オール沖縄」メンバーで上京し、「建白書」を安倍総理に提出したその運動の積み重ねを理解していないからだろう。

 この「オール沖縄」に驚いた日本政府は、「沖縄県民を結集させない。分断させ対立させる」という植民地政策を押し進める工作に出たのである。それが、沖縄自民党国会議員5名に対する恫喝であり、仲井真知事を東京に呼び出し屈服させた。

 仲井真氏を支援した勢力を見ると、古い保守政治勢力(本土の自民党と同じ)と古い経済界(国場・大米建設という土建業界や沖縄電力という大企業)が応援。日本政府からの振興金増額などを期待する「沖縄振興体制」であり、植民地支配を託された支配層である。

 それに対して、翁長氏を支援した勢力は、新しい地域政治勢力(自民党から飛び出した保守と革新諸政党の協力体制)と新しい経済界(基地と観光は両立できない、基地経済からの脱却、沖縄自立経済の確立をめざす)が応援。日本政府から自立した沖縄をめざす勢力であった。

 参院国会議員を引退した山内徳信氏は、この県知事選の意義を次のように述べていた。
 「戦後69年という歳月をかけて培ってきた意識の変革で、真の沖縄をつくり上げていこうという歴史的な変化だと捉えている。…保守、革新ではなく、県民の生命財産、安全を守り抜くという、新しい沖縄党のようなものが誕生する可能性を秘めている。新しい歴史を切り開くこの選挙をチャンスとみるかどうかだ」(「琉球新報」から引用)。

 この「県知事選」の勝利で沖縄の諸問題が一挙に解決するわけではない。しかしこの翁長氏の勝利をバネにして、県民は翁長氏と共に「基地のない沖縄」「自立する沖縄」をめざして前進していく決意でいる。
 沖縄の新しい歴史を切り開いた県知事選であった。

(とみたえいじ:元静岡県高校教師、静岡沖縄を語る会、4年前名護市へ移住、60代)


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