編集後記37

■編集後記

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◎新年おめでとうございます。
今年も皆様のご支持のもとに編集内容を一層充実させたいと念じております。

◎「オルタ」新年37号の巻頭は私たちが直面する今日の世界について『グローバ
ル社会の革新を求めて』と題する『新春対談』を組み、竹中一雄氏と初岡昌一郎氏
に縦横に論じていただいた。対談は、地球上を吹き荒び、富の偏在が地域格差、社
会格差をますます拡大させるグローバリゼーションの本質を鋭くえぐり、さらに世
界の中のアジアという視点から日本が地球市民の一員としてこれにどのように向
き合うべきかという基本的姿勢についてその針路を提起する。お二人の対話に脈々
と流れる思考の基調は私たち「オルタ」編集部の主張とも重なり合う。
激動が予想される‘07年の年頭にあたり、この対談が提起する問題ついて自分自身
を省みながら「オルタ」の読者とともに社会の在りようについて深く考えたいと思
う。
 国民経済研究協会顧問の竹中一雄氏はかつて日本経済分析の第一人者として高名
を馳せられたが、同時に’60年安保の頃は当時の社会党書記長江田三郎氏のブレ-
ンの一人として社会主義を分かりやすく説くための『江田ビジョン』を発想され、
その後の村山内閣では行政改革委員会の常勤委員として委員長代理を務めるなど行
政改革や政府の各種審議会にも深くかかわられた視野の広い行動的な経済理論家で
ある。近年は主に中国・韓国・北朝鮮・ロシア・台湾・ヴェトナムなどを頻繁に訪
問され、現地の政府関係者・研究者と広く交流を重ねて情報を交換し、東アジアの
政治経済情勢を的確に分析され発言を続けておられる。

初岡昌一郎氏については、その人物像が16回にわたる連載「回想のライブラリー」
に余すことなく記されており、「オルタ」の読者には改めて紹介するまでもない。
国際基督教大学在学中から社会主義青年運動に参加し、そのご優れた語学力で国際
青年運動・国際労働運動などで幅広く活躍されたあと姫路独協大学教授になり外国
語学部長を勤められた異色の学者である。しかも自ら創設した「ソーシャル・アジ
ア・フーラム」を長年にわたって主宰されるなど世界に広がる人脈ネットワークと
豊富な情報量、そしてその行動力は驚くばかりである。
 「オルタ」新年号の巻頭対談は今回で3回目となるが第一回のメーンゲストは河上
民雄東海大学名誉教授で第二回は力石定一法政大学名誉教授であった。来年も引きつ
づき地球市民の立ち位置から「オルタナテーブ」を求める予定である。

◎今月号は連載中の『人と思想』富田昌宏、『随想』高沢英子、『オルタのこだま』
今井正敏各氏の三篇は臨時休載となったが、『臆子妄論』西村徹、『回想のライブ
ラリー』初岡昌一郎、『北の便り』南忠男各氏の論考はいずれも例月のように執筆
者の健筆が冴え、今年も「オルタ」の魅力ある読み物として読者に提供される。

◎「オルタ」は今年の3月で創刊満3年を迎えますが、これまでは編集内容の点検・
総括も十分にされないまま、まず出し続けるために、ひたすら走るという感じでし
た。しかし、 これからはより魅力ある「オルタ」になるために編集部としては、
次のような方針を決め、一段と編集内容の充実をめざしたいと考えています。

1)「オルタ」の基本的な性格は同人誌的なものではあるが、同人が書きたいこと
を書き放すのではなく、より社会性を持ち一貫性をもつこと。
2)紙面の構成が政治的論考に偏らないように留意すること。
3)編集会議の充実を図ると共に女性編集委員を増員すること。
4)内政・外交・経済・環境・農業・労働・消費者問題・地方自治などの分野毎に
専門の執筆者が担当できるようにすること。
5)外国を含む各地方からの現地報告原稿を重視し、より積極的に寄稿者を開拓す
ること。
6)議論の深まりを担保するため特集のテーマはできるだけ早めに決めること。
7)『エコノミスト』や『シュピーゲル』など外国の主要論調を要約紹介する欄を
もうけるようにすること。
8)予算がとれるようになれば、特派記者を現地に派遣し問題を掘り下げた取材を
すること。
9)特集企画などを別にして、現在の原稿は全般的に長文なので各執筆者に短くす
るよう要請すること。
10)編集内容の充実をはかるため読者・執筆者の声に一層耳を傾けること。

◎今日まで、原稿料なし、専従の編集スタッフなしで60人を超える執筆者の方々の
ボランタリー精神だけに頼りきり、ご無理を強いつつ、ここまで発信を続けること
が出来ました。お力添えを頂いた皆様に心から感謝申し上げると共に一層の前進の
ために今後ともご協力を重ねてお願い致します。
                   (編集部を代表して加藤宣幸記)