【編集事務局便り】209

■前号を発信後、4月25日に5月の大型連休の時期に東京を含め4都府県を対
象に発令された緊急事態宣言は延長もあり、また対象地域も広がるなど、なかな
か収束の兆しが見えません。

■今月は元朝日新聞のアメリカ総局長でいらした野村氏から「日本はどんな国を
目指すのか―いまの難民政策が生み続ける悲劇」ご寄稿いただきました。
今や、都会でも農畜産現場でも、外国人の働く姿は日常的になっています。
その身分は、「技能実習生」や、「留学生」など様々ですが、その待遇は課題も
多く、また、海外にルーツをもちすでに日本に定住している親の元、日本で生ま
れた子供たちも、適切な日本語教育環境などが行き届かない場合も多いとのこと。
いろいろなつながりがあり、日本で生活する人たちが、将来かえって反日の感情
をもってしまうことも危惧されます。
そのようなことのないように、基本的な「政治の意思」を明確にして、人道に配
慮した法律改正などにも期待したいところです。

■また羽原氏から、明治期の新聞「新聞集成 明治編年史」を編纂した津和野出
身の編集者中山泰昌氏の生涯とその記録を追う記録をご寄稿いただきました。
コピー機のない時代に、膨大な量の新聞記事をご夫妻で東大に通って、記事を書
き写し、挿絵をトレースして編纂した「新聞集成 明治編年史」は、索引巻を含
めて全15巻。当時の新聞資料をまとめたものとして大変貴重なものとして重宝
されているとのこと。そのすさまじい情熱に圧倒されました。
現在は、国会図書館のサイトで、検索すると、戦後林泉社から発行された復刻版
のものが、索引集も含め、全巻をインターネット確認ができるうえ、PDFをダウ
ンロードもできオフラインでも読めるようになっています。
第一巻 https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1920323

■ミャンマーの軍部によるクーデータから早くも4か月。市民の犠牲が増えてい
る状況がいたましい。今号では、荒木氏による「ミャンマーは真の連邦国家に脱
皮か悲惨な内戦かの岐路に」において、「国軍統治に抵抗する民主化勢力」が
「統一政府(NUG)]の樹立を宣言したこと」についてご考察いただいています。
解決の道はどこにあるのか、目の離せない状況が続いています。

■在日のインド、パキスタン等の方に日本語を教えている坪野氏から「「近く」
と「遠く」のコロナの話し⑤」で教え子たちの新型コロナ感染拡大が続いている
状況が報告されました。感染した方の症状が軽く済み、インド型コロナ変異株が
が広がらないことを祈るばかりです。

■コロナの状況をアフリカで実体験する大賀氏からは、「コロナは世界史の大事
件だ。たまたまこの時代に生きあわせてしまった者として、ゆるされるかぎり、
このアフリカから歴史を実感し続けたい。」と今月もケニアの状況についてご報
告いただきました。

■5月半ばにもかかわらず、九州では早くも梅雨入りが宣言され、東京でも「梅
雨入り宣言」されていないものの、急に湿気の多い、雨交じりの気候になりまし
た。
「中国単信」で「中国茶文化紀行」をご寄稿いただいている趙慶春氏の今月の
「花茶の世界」を読み、以前盛夏の沖縄で暑いジャスミン茶(さんぴん茶)を喫
したことを思い出しました。早い時期から蒸暑さが続くと、つい冷たいものを多
くいただきがちですが、体を冷やす可能性があります。

まだ続きそうなコロナ禍下、熱い花茶などをいただき体調管理をしながらでも、
状況が落ち着くのを待てる人は「待つ」。一方、この状況で経済的にまた精神的
に追い込まれそうになっている方には、政府の施策や民間の援助などが及ぶこと
を願っています。
みな様どうぞ万事お気をつけてお過ごしください。(MK)
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