【オルタのこだま】

オルタ140号を読んで

豊間根 龍兒


◆【沖縄の地鳴り】
1.詩 弾を浴びた島/山之口獏
やはり、本土とは違う。のどかで、頑張っている。

2.安保関連法案と辺野古〜安倍政権への嫌悪感/平良知二
本当だ。憲法問題も沖縄問題も、すべてゴリ押し。どうして、修正など妥協の道を探らないのだろう。辺野古移設が唯一の解決策なのだろう。米国、本土への移設の可能性を探らないのだろう。

3.支持率逆転が招いた辺野古工事中断と岩手県知事選不戦敗け/仲井富
細かく支持率の分析をしていただいた。「説明不十分」が多いが、これは正直、十分理解に至るのは難しいと思う。法律用語が難しい。さりとて、紙芝居で納得できる代物でもない。国民との信頼関係が壊れた今となってはこの道から抜け出せないと思う。国民が反対しているのに、議員が賛成しているのもおかしい。選挙制度で国民と議員が乖離してしまった。

4.第一回辺野古協議:翁長知事との一問一答(抜粋)/沖縄タイムス
翁長知事、どうも、もどかしい感じを受けていたが、これを読むとなかなか突っ込んだいいことを言っている。なんでこれを菅官房長官とだけでやっているのだろう。掲載は、なんで「沖縄タイムス」だけなのだろう。国会で参考人として呼んでもらい訴えられないのだろうか。野党はそのようなお膳立て出来ないのだろうか。大手新聞に売り込めないのだろうか。全国行脚すればいい。拒否されたら、それも報道してもらえばいい。全国民に考えてもらえるだろう。

5.資料:普天間飛行場代替施設建設事業に係る公有水面埋立承認手続きに関する第三者委員会 検証報告書要約版
これを素人に分からせるのは難しいと思う。手続き上の瑕疵を指摘して、これで差し止めを求めて行くのだな、という程度の理解で納得する。信頼しているから。

◆「言動不一致」の安倍談話/羽原清雅
何で今ごろ談話を発表するのかと思っていたが、今では発表してよかったと思っている。私は安倍談話聞いてホッとした。言われてみれば不十分なところも多々あるが、海外からも今のところ大きな反発もなく、第一関門を通過したと思っている。これを出発点に、九ちゃんの歌ではないが、今後は「態度で示して欲しい」。

◆安保法制を最優先に戦術転換/岡田充
いろいろな読み方があるなあ。封印解いたって体制は変わらないと思う。だから、折角の談話を生かすためにも、解かないで和平交渉進めて欲しかった。どうなるか。ハラハラさせられる。

◆「迷走」の果ての「狡知」/木村知義
先にも言ったように、聞いていて、ここまでひどいとは思わなかった。海外でもそんなにひどくは受け取っていないのではなかろうか。その後を見ても、お互い細い道を探っている気がする。

◆アジアと日本の未来は期待できる/朱建榮
若い世代との接触の機会がない。これではいけないと思うが、機会があってもどう付き合っていいか戸惑うだろうな。このような連続講座で世界に目を開くのは大変いい。貴重な機会だ。アメリカとの関係を含め、しっかり先を見て行くことですね。法整備で貢献しているとは知らなかった。違憲問題は困ったことだ。戦時中の言葉を思い出す。「無理が通れば道理が引っ込む。」

◆アメリカの隷属の道具となる安保法制とTPPは同根/篠原孝
TPPの交渉、このような状況だったとは知らなかった。ここでもアメリカのお先棒担がされていたのか。かなり、日本も主張するところは主張していると思っていたが。戦前のドイツの位置にアメリカが座っているとは驚きの譬えだ。このまま行けば、日本はアジアの孤児になる。

◆【戦後70年を考える(4)私にとってのアジア】
1.安倍は日本をアメリカに「殉死」させる気か/久保孝雄
「JIBs」か、他の国はみんな離れて行ってしまって、今や、日本がアメリカの第一の子分か。世界のやくざだな。参った!

2.今からでも遅くはない、戦争責任を徹底的に追及しよう!/大類善啓
私も、叔母と従兄弟を明治座で亡くした。もっと早く、敗戦の見切りを付ければよかったのだが、国民は何も知らされていない。戦況悪化は薄々感じていたが、口にも出せなかった。本当に日本人の手で戦争責任を追及していない。二度と繰り返さないためにも、戦争への道から敗戦に至る道を解明したい。

3.改めて朝鮮戦争の「開戦責任」を問う/矢吹晋
裏の裏まで読む奥の深い考察に恐れ入る。改めて、各国首脳の思惑を読む大切さ知らされる。今の日本も綱渡りをしてきて、今があるのだなあ。

4.私にとってのアジア/小島正剛
子どもの頃の経験、影響大きいなあ。教えられます。「加害者側は、時に不条理と思うことがあったとしても、何度でも詫びねばならない。そして彼らの心情に寄り添うことだ。」 心に沁みる。

5.戦後70年に想う/山田陽一
「現実の米中関係は軍事的対抗関係よりも、むしろ、協議・協調関係に重点が移っている。」
うっかりすると、日本だけが置いてけぼりを食う。貧弱な外交、先が思いやられる。

6.私の戦後70年談話/南雲智
「足を踏みつけたものとして相手の立場を理解せよ。」ここが原点だと思う。

7.戦後70年を迎えて/棚田由紀子
戦争体験談と一口に言うが、海外での体験談こそ貴重だと思う。先に書いた「相手の立場を理解せよ。」という意味で。

8.21世紀に生きるものの英知を発揮しよう/村田忠禧
尖閣諸島に対する見方、一方の言い分だけでは判断を誤りますね。言われるように領土問題を早く乗り越えて先に進みたいですね。

9.私の戦後70年秘話/木下真志
そうですね。みんな思い出したくない経験を乗り超えて、父が、貴方がある。

10.私にとってのアジア/早川勝
日本は、多数の国と多重・多層のネットワークを作り、相互信頼関係の中で得手の面で貢献し生きて行かなければなりませんね。

11.私の戦後70年談話/大河原雅子
戦後生まれの人が思い思いにデモに加わる。そうして語ってくれる。頼もしい。
8月30日の「安保デモ」、イギリス、ドイツ、アメリカ、中国、韓国などのメディアで取り上げられたという。これですよ。「安保」だけでなく、「憲法9条護持」も取り上げて貰い、世界全体の運動にしましょう。

12.日本の降伏は原爆が契機ではない/アナトール・コーシキン
確かに、軍部にとってソ連の参戦はショックだったと思う。しかし、これが降伏の主要な理由とは知らなかった。

13.戦後70年—わたしはこう考える/石郷岡建
九死に一生得たお父様の遺志を継いで、アジアでの秩序つくりを訴えて欲しい。戦後70年談話がそのきっかけになって欲しい。

14.私の戦後70年談話/横山泰治
日本社会党の動きに関与してきたんだ。紆余曲折あって今がある。過去の経験踏まえ、少しでも組織強化に力貸してやって欲しい。

15.天皇制が異常発熱した皇紀2600年に朝鮮に生まれて/柏井宏之
根が深いようだ。原田伊織「明治維新という過ち」やら、坂野潤治「西郷隆盛と明治維新」を読まなくてはならないようだ。大河ドラマの見方も変わって来るなあ。

◆【コラム】
1.海外論潮短評(95)アフガニスタン戦争/初岡昌一郎
明るさ見えてきたというが、何かややこしい。オバマの任期を見据えたり、中国やロシアが係わっているとは驚き。それに派閥争いやら、利害関係が絡み合っているのだな。いづれにしても早く争いがなくなって欲しい。

2.宗教・民族から見た同時代世界〜被災したネパールの人々の宗教:ヒンドゥー編/荒木重雄
3王国もあるのか。中心広場自体が寺院の複合体とは見ごたえありそう。ヒンドゥー教自体が社会規範であり、職業も決まって来るとは生活そのものだ。絶対権力を持つだけに王位継承の争いは激しいな。生き神「クマリ」は見てみたい。火葬場と沐浴場が同じ川というのはちょっと敬遠したい。

3.中国単信(24)一つのジョークから見える中国の変化/趙慶春
徹底した廉潔運動だな。いいことではあるが、やるとなったらここまでやるのが怖い気がする。

4.風と土のカルテ(19)斑点米と農薬とミツバチ大量死/色平哲郎
こんなことがあるのだ。言われる通り、始めに斑点米をはじけば問題ない。虫に食われる米の方が味がいいということはないのかな。

5.日中の不理解に挑む(18)日本を訪れると日本が好きになるワケ/棚田由紀子
日本では普通の光景ですね。動機はいろいろあるにしても、外国のそっけない応対に比べ、和やかな気持ちにはなる。少しでも日本を楽しんでいって欲しい。

6.大原雄の『流儀』山は、動くか。〜いま、石橋湛山を読む〜(5)/大原雄
中味が濃密で大変面白い。先に出てきた「明治維新という過ち」と共に見直してみたい。「日米開戦の正体」もだな。湛山、僅か2か月で総理辞任とは何としても惜しい。その後が岸信介とは運命だな。勧告文突きつけられても居座ったとは、血は争えぬものですね。「あの時、新聞が無ければ第二次大戦は起きなかった」とは、当時、如何に国民が乗せられてしまったかということだなあ。

7.槿と桜(12)暑気払い/延恩株
日本とは違い、いろいろなものを食べるのですね。それも食べる日が三日もある。犬料理にはちょっと参るが、考えてみれば習慣の問題ですね。それよりなにより、あの辛さには参る。

8.酔生夢死〜学習効果/岡田充
時々、茶々入れて勉強意欲を鼓舞してくれる。年寄りの頭では付いて行けないけれどね。
「戦争に行きたくない。」戦争だっていろいろある。やらなくていい戦争で誰でも死にたくないと思うだろう。犬死だものね。

◆【北から南から】
1.中国・深セン便り『SARSの時のこと(3)—板藍根—』/佐藤美和子
人への頼みごと、本当に文化の違いだなあ。軽く断れる神経を持たないと暮らしてゆけない感じだ。外交交渉にもこういう習慣が影響するのかな。
難しいな。

2.フランス便り(18)フランスと移民・難民問題/鈴木宏昌
フランスの移民問題を詳しく教えて頂いた。フランス革命以来の伝統として「平等の権利」を守っているとは、やはりすごい。EUの中で各国それぞれの対応をしているのも興味深い。まあ、大変な中で、うまくやっていると言えるのだろうな。世代が移行する中でスムーズに融合が進むのだろうか。注目してゆきたい。

3.ミャンマー通信(30)/中嶋滋
90の政党があるとは驚く。それにしても軍が関与したトップ争いの中で、国民も政策も見えてこない。貧困脱出第一と思うのに、軍が勢力保っている必要性、どのくらいあるのだろう。

4.フィリピンから(7)日比の技術の結晶、リコーペンタックス/麻生雍一郎
カメラに詳しくないからペンタックスがどのような位置にあるかよく分からないが、昔ながらのやり方で、色まで変えてニッチ層を掴んで頑張っているとはすばらしい。フィリピン人は器用なんだ。

◆【アメリカ報告】アメリカの格闘する奴隷制度の長い影(1)/武田尚子
アメリカではドライバーがガンなどを身に着けていると罰せられるのだろうか。常に身に着けていると思ったのに。武田さまが、80ドルの罰金を払った交通違反にも驚く。でも、今まで40年も無違反で来たというし、日本人旅行者がレンタカーで楽しんだという話を良く聞いたので、最近特に厳しくなったということであろうか。引用された書簡からは力不足で、強烈な印象受け取るまでには至れなかった。

◆【自由へのひろば】被ばく医師・肥田舜太郎が語る福島と広島(1)/山口光男
恐ろしい話。途中からは怖くて読めない。日本中が汚染されているという。でも、どうしようもないなあ。ご本人が98歳まで生きているというから少しは安心する。

◆【記録から未来へ】日本の労働映画に新しい光をあてるために/鈴木不二一
最近、映画に詳しい人の話を聞き、にわかに映画への関心深まっている。上映されているなら見てみたい。多分、懐かしさが込み上げてくるだろうなあ。

◆【書評】『マルクスと日本人—社会運動からみた戦後日本論』/井上定彦
歴史を知らないので、理解するのが難しいが第3勢力結集に役立つ内容のようだ。研究して欲しい。

◆【読者日記——マスコミ同時代史】(20)2015年7〜8月/田中良太
おっしゃる通り、玉音放送とは比べられないと思います。主旨が違う。重さが違う。玉音放送は、鶴の一声、二言三言でよかったと思います。原点は「原発推進」、なるほど、筋道が読めてきますね。東電が安倍を首相に押したのか。

◆【旅と人と】母と息子のインド・ブータン「コア」な旅(15)/坪野和子
疑問にお答えいただき有難うございます。右手だけでちぎって食べるとはえらく器用ですね。日本人の箸使いと似ているのでしょうね。尻拭きが地球温暖化防止に貢献とは恐れ入る。いろいろな宗派があっても仏教は共存できるのだ。「9条」と共に世界に輸出したい。

◆【川柳】/横風人
私に最もしっくりきた句: 時経るに 高まるNOの 安保法

 (筆者は稲城市在住・元団体役員)


最新号トップ掲載号トップ直前のページへ戻るページのトップバックナンバー執筆者一覧