ネットで知る最近少し気になるあれこれ 10月〜11月

河口 宏司?

 アメリカ大統領選挙まで1年になり、民主党の予備選挙も11月20日には第5
回Debateが10人の登壇者で開かれる。毎回、参加者同士のディベートでの対応
の仕方が、直後の世論調査に反映することが知られているので注目したい。

画像の説明

 12月19日には、第6回Debateがカリフォルニアで開かれるが、民主党全国委員
会(DNC)が参加条件CRITERIAを毎回強化し続けていて:①四回以上全国的世論調
査で最低4%の支持率を得るか、早期選挙が実施される4州で二回以上6%以上の
支持率を得ること(世論調査期間は10月16日から12月12日まで)②献金者が20万
人以上であり、各州800名以上の献金者が必須。③世論調査機関は指定の16社
のみ。このDNCによるCriteria設定が、民主党エスタブリッシュメント側の意向
に沿った不公平なものだとの指摘も、反戦をうたうハワイ出身のTulsi Gabbard
候補者側から出ている。この厳しい基準を満たして12月に登壇するのは、現在
(11月19日)までには6名だけになっている。
 民主党ヒラリークリントン側とマスメディアの煽ったモラー元FBI長官が特別
捜査官に就任して2年近く続いた捜査は空振りで、ロシアの2016年大統領選
に介入により”ロシアの手先トランプ”が当選したとする“事件”は根拠のない
との結論を得た。 

 しかし、新米司法長官バーBarrの指揮下で2019年3月からモラー捜査に並行し
て始まった第二の捜査が11月22日に終了し、感謝祭後12月2日に約500ペ
ージ以上のレポートを公開する。また、その捜査責任者である司法省Office of
Inspector Generalの長であるM.ホロビッツ(Horowitz M.)の上院司法委員会公聴
会が12月11日に開かれることが発表された。このIG(Inspector General)の捜査
は、ミューラーレポートがタッチしなかった「何故・誰によって”ロシアゲート
”事件が仕組まれたのか?」という問いに答えるための捜査だったので、非常に
興味深い。特に、FISA(Foreign Intelligence Surveillance Act外国情報監視
法)により米国民を捜査対象にする場合は、FBIトップの承認と裁判所の決定で、
監視・盗聴ができるという制度を悪用し、長期間にわたりトランプ選挙期間中か
ら当選後もトランプ陣営をターゲットにしていた疑いがあったが、この捜査で明
らかにされる。               
 
 下院では民主党主導のEvidenceの全くないままで進行している大統領弾劾準備
審議が12月12日に最終日の予定だが、11日の上院でのIG公聴会が、トラン
プタワーでの盗聴なども含めて報告されるとすれば、大きな反響を呼ぶであろう。
すでに、上院司法委員会議長のL.グラハム(Graham Lindsey)は、トランプ陣営の
アドバイザーCarter Pageに対するFISA申請書類審査の操作(FBIトップの関与)
も明確になるものと期待するといい。司法長官バーBarr W.も、ホロビッツ捜査
は、トランプ大統領選挙の2016年から、米国民を外国のエージェントに仕立て上
げてトランプ陣営の動向を広範に捜査したかどうか、FBIが法律で定められた捜
査活動をしていたかどうかについての捜査であると言う。モラーレポートが、ト
ランプとロシアの結託の有無を捜査した片手落ちの捜査であったが、この捜査の
捜査が出て初めて全貌が判明することと期待したい。            
 余り評判にならなかったが、この双方の捜査にも大いに関係があったFBI捜査
官P. STRZOK(ストラク)が原告になり司法長官W.Barrを被告とする裁判の判決が
11月18日にあり、判決文も興味深い。
https://www.scribd.com/document/435813620/Peter-Strzok-DOJ-Motion-to-Dismiss-11-18-19#fullscreen&from_embed

 これは、ヒラリークリントンのベンガジ事件捜査やプライベートEmail
adress (server)使用による国家機密漏洩事件などを担当したFBI特別捜査官が、
ロシアゲート事件でも主役級の役割を果たし、特に、司法省のトップ法務責任者
の愛人Lisa Pageとの40,000件のメッセージが、上記IG捜査で押収されて、その
中で「トランプが万が一当選しても、保険はかけてある!」などと豪語して、モ
ラー捜査でも実際の捜査を担当していたが、各種の違反が見つかり解雇された。
この裁判は、解雇の無効を訴えたもので、司法省側の解雇の正当性に関する記述
述が面白い。

IG Horobitz
IG Horobitz 捜査官
 最近は、日本関係のYou Tubeも見るようになって、最近お勧めするのは、ジャ
ーナリストの上杉隆氏の上杉たかしチャンネルYouTubeで、
①既得権益とは?メディア編(初級)
②既得権益をぶっ壊す!中級編「歴史の波状」(メディア編)
③【上級編】既得権益とは?(メディア編)官報複合体などを解説しているのが、
分かりやすい。

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