亡き夫との何かしら共通のもの
「オルタ」で加藤氏のご逝去を拝読して衝撃をうけてから、ひとことも申し上げられなかったのは、先の帰国時に転倒して腰の骨を折って以来ベッドを離れられずいたせいでもあり、さらに何故か加藤さまと亡き夫のなかに何かしら共通のものがあるような気がしていましたが、はっきりとは分からぬまま一日一日が過ぎていったせいもあります。
加藤宣幸氏と我が夫は、すこし時間がありましたなら、必ず東京かここクロスターで一献を交え、良き友人として長いおつきあいを始められたのではないかなどと、本気で思う事があります。それは古き良き日本男児にも、古き良きアメリカ男児にも共通する男らしさでもあれば、社会や家族の幸福を何より貴重なものと思い、その実現に邁進したよき時代の申し子でいらした加藤様にもわが夫にも、はっきりと存在していた人間肯定の姿勢であると想います。
現在の私はアメリカを荒らし回るトランプに辟易して、開拓時代のような瑞々しいアメリカが対決出来たらなどと考えますので、「オルタ」を引き継いだ日本の青年たちの一人一人が、決して遠くない夢を見ているアメリカ人男子と、新しい地球の輪を作り上げてくれる日のあることを信じたいとおもっています。
「オルタ」は、そして日本は、貴重な論客加藤氏を失われましたが、ますますみずみずしい「オルタ」が日成らずして登場することを祈り、信じています。
ニュージャージー州クロスター市にて
(翻訳家、「オルタ」編集委員)
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