■投書  オルタ15号を読んで   今井 正敏

────────────────────────────────

 政財界での「憲法改正」論議のさなか「オルタ」15号の大田博夫氏の『押し付けでも平和憲法の良さは残せ』は「改正論議」の問題点がわかりやすく整理されていましたのでよい勉強になりました。

 「改正」のための最大の問題点は『実現のための高いハードルになっているのは両院の三分の二以上の賛成が必要であることだ』と指摘されています。これをクリアーするためには自民党は300議席以上確保する必要があるわけですが、現行の小選挙区制では自民党が300以上をとる可能性は低いと思われる。したがって「憲法改正」はこうした数字を見る限り「論議はすれども実は実らず」というのが実態なのではないのでしょうか。

 マスコミも「永田町では憲法改正の声が高く上がっているが一般国民の間からは積極的に改正を求める声は上がっていない」と報じています。多くの国民はこの改正実現のハードルが高いことを知っていますから、改正問題を冷静に受け止めているのではないでしょうか。

 この憲法改正問題を「国会の青年将校」と呼ばれていた時代から高らかに声を上げていた中曽根大勲位元首相も不謹慎な言い方かもしれませんが改正実現の日を目にすることは難しいのではないかと思います

 「上海デモ・マスコミなどのアホさにあきれる」を寄稿された仲井富氏――50年代から60年代にかけて社会党が元気だったころ、当時社会党の青年部長として活躍しておられた西風勲氏を通じて、仲井富氏のことはよく存じておりましたので(仲井氏は記憶されていないと思いますが)「反日デモ」について「たかが1万人のデモが連日、新聞・TVのトップ記事になるマスコミの「アホ」さ加減にウンザリするこのごろである。」との所信を読み、往年の意気軒昂の気概健在なりとの感を深くしました。

 「12億人の中国で、何かの問題をきっかけとしてデモや騒乱が起こらないのが不思議ではないか。(中略)デモが起きるということ自体が中国社会の成熟や民主化の方向の現れではないのか。大いに歓迎すべき健全な兆候である」という見解にたいし、全面的に賛成で大きな拍手を送りたい。

 この『オルタ』を通して、仲井さんの青年時代と変わらない、元気で明快な直言に接し感銘しました。「全国徘徊老人連盟」などと謙遜した名でなく「全国健康長寿連盟」とでも名乗られて、いつまでも元気で活躍されることを強く期待します。

(なお、富田昌広氏からも弟の潔が仲井さんを知っていて喜んでいるからと伝言がありました)