■俳句 富田 昌宏
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物語り始まるごとくタラ芽吹く
少しづつ縮む身の丈山笑う
夏めくや廃校に立つ金次郎
釦(ぼたん)ほどの子牛の角や昼薄暑(はくしょ)
捨てかねる名刺数多(あまた)や夜の薄暑
早苗饗(さなふり)や今も空けおく父の席
辞書引いて指より眠くなる薄暑
南部風鈴復興願い鳴りやまず
街道の古き酒蔵燕の巣
地球儀を抱えしままの昼寝かな
(月刊 俳誌「渋柿」代表同人)
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