■俳句                   富田 昌宏

────────────────────────────────────

田仕舞の叩く農衣や小鳥来る

ブランデー滴らし紅茶や朝寒く

寄ればまたはじまる世評梨をむく

空蝉のすがる裏木戸押し開く

肩書きの取れて田に座す豊の秋

コンバイン御して国盗りゆく如し

夜ぞ長しパズルの鍵に惑わされ

文机も吾も古りけり深む秋

                                                  目次へ