■俳句                      富田 昌宏

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   読初めや「天籟」「地籟」座右の書 
                    (天籟、地籟は主宰の句集)
    積ん読の高さ背の丈去年今年

   竹林の風金色や初日の出

   白髪も禿も生きざま初鐘

   ひもじさに耐へし戦後や七日粥

   脱ぐ仕草だけの会釈や冬帽子

   晩節といふ危ふさや股火鉢

   外ツ国の娘の絵手紙や福寿草

   七福神の数を咲きけり福寿草

   初春のエプロン真白なる妻よ

                   (作者は俳誌「渋柿」代表同人)

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