■俳句;
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□ 太田 澪々子(博夫)
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〔近 詠〕
米寿なほ立志の誓い松の芯
米寿にして揃うわが歯や田螺和え
石を投げ闘いし日の血のメーデー
「歯には歯を」なくせ憲法記念の日
池に浮かぶ睡蓮平和な地図を画く
「イラク戦やめろ」と苺噛みつぶす
どくだみや主婦なき家の十字の灯
青春は未完成交響楽麦の秋
草いきれ兵たりし日の匍匐行
曇天に微動だにせず風見鶏
蔦からむ音楽堂の蝉しぐれ
秋観音千手はいらぬ筆一本
昭和史読む青春惜なし吾亦紅
善人なほ悪人も往生曼珠沙華
惜命のなき自爆テロ蛇穴に
秋風や「死んでもいい」とうそを言う
ふくろうや漢(おとこ)は弱音吐くことも
冬の蜂止まりしはわれあばら骨
〔中越地震二句〕
余震続く丸く伏す児の雪催い
活断層鎮めやさしく大根引く
木犀の金銀あれば足る暮らし