■市民参加シンクタンク紹介

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「シンクタンク」といえば学者・専門家・経済アナリストの機関で、一般の市 民にとっては近寄り難いとのイメージが強い。ここに紹介する二つのシンクタ ンクはそれと違って広く一般市民に参加を呼びかけ、門戸を開放している。単 なる社会人の学習組織・カルチヤースクールでなく、その成果を社会に提言し ている。いわば自立する市民が「考え・行動」しようとする機関として、とも に生協が設立する。 「生協」=生活協同組合は全国で約600組合2100万人が加盟し、今や「もう一つ の経済活動」とまで言われるまで発展したが、その生協が自ら築いたインフラを 社会に開放し、さまざまな人々との連携のもとに社会貢献の途を開こうとした 「シンクタンク」である。

□『21世紀コープ研究センター』
〔設立趣旨〕要旨  1997年首都圏コープ事業連合会(1都7県・62万人・供給高1317億円)は生協 の共同購入中心の無店舗事業を個人対応型事業「パルシステム」として確立。 共同購入・「班」によって代表されるメンバーシップ型生協から個人と地域に 依拠する開放型生協―21世紀型生協への萌芽をつくり、さらに2000年9月『21 世紀コープ研究センター』を首都圏コープグループのNPO型シンクタンクとし て発足させた。 IT化とグローバリゼーションの急速な進展によって人類は国家経済から小さ なコミニテーまで影響をうけ、コミニテーに根ざした伝統的生活基盤が揺るが されるとともに、かってない変革に直面し、環境・資源・人口・貧困問題など を地球規模で考え行動することを迫られている。 その反面、「暮らしの中からの社会変革を」を願う小さな声や地道な活動も 広がっている。こうした時代に安全で安心して生き生きと暮らして行くための 社会デザインとは何か。どのようなシステムを構築したら良いのか。そのため に必要なことは何か。  私たちは協同の精神のもとに多様な個人・団体とのネットワーキングやコラ ボレーションを通して生協が蓄積してきたインフラの社会的開放や社会的貢献 を地域社会やあらゆる分野のコミニテーに対し、さらに広く役立てるための学 習・研修・情報交流及び調査研究の実施または支援などを行い、豊かな市民社 会の実現に寄与するのを目的とする。

◎詳しい問い合わせ先: NPO 21世紀コープ研究センター 事務局 〒112-8586 東京都文京区小日向4-5-16ツインヒルズ茗荷谷      TEL 03-5976-6145 FAX 03-5976-6149 http://www.21coop-ken.org

□『市民セクター政策機構』
  市民セクター政策機構のめざすもの(要旨)
「自分で考え、自分で行動する」を基本スタイルに。 生活クラブ(16都府県25万人・供給高754億円)を母体とし、そのシンクタ ンクの役割を担う。生活クラブは政治をお任せにしない代理人運動、新しい働 き方のワーカーズ・コレクテイブ運動などに広がり、注目されているがこの背 景には自立と自律を基本とするあらたな市民的な生き方を求める人々がいる。 ☆問われる次の時代の生活像・社会像の提示。 今、世界の人々は自分の頭と身体で自身・家族・地域・国・社会・地球のあ りようを考え、組み立て直すことを迫られている。これに対し、日本人は混迷 のなかでアイデンテイを失い、未来への道標を失いつつあるように思える。そ の一方、「参加」・「自治」・「分権」をキーワードにした市民社会成熟への 流れも感じさせている。 私たちは市民社会の成熟過程を牽引する市民セクターの一翼を担いたい。 ☆各種の運動を支える基盤整備の組織として。 生活クラブや諸運動の具体的実践と連携しつつ「循環型社会」に向けた政策 や行動プランを描き、実績や成果を市民に還元することを目指す。 ☆〔生活・地域〕〔産業・生産地〕〔行政・政治〕情報の提供。 生活クラブが運動の中で蓄積してきたさまざまな情報を分析・提供する。 ☆共通する近隣食文化圏の持続的なアイデンテイテイ構築へ。 私たちの足もとに蓄積された生活や生産の技・知恵を見直し、すぐれた地域 の協同組織を掘り起こし、食文化的環境をを同じくする圏域を視野に入れた自 立・互恵・共生の視点にたった21世紀を築く調査・研究を進める。そして真 の豊かさと言える社会モデルを描く。 ◎詳しい問い合わせ先: 市民セクター政策機構 事務局 〒156-0044 東京都世田谷区赤堤4-1-5 TEL 03-3325-7861 FAX 03-3325-7955  E-mail:BYR17071@nifty.ne.jp