【編集後記】
◎私たちの『メールマガジンオルタ』はイラク戦争の不条理に反対の声を上げようと2004年3月20日に創刊し、今年の3月20日で159号(満13年)になった。創刊日はイラク戦争開戦日からちょうど1年目だったが、以来この20日を忘れず平和への祈りをこめて毎月20日の発信を頑なに守り、月平均約3万人弱の訪問者(グーグル調べ)がいる市民WEBメディアに成長できた。これは約360名の執筆者とWEB発信作業に参加して頂いた方々のお陰で、夫々大変なお力を込め無償でご尽力下さったことに深く感謝申し上げたい。
◎4月号から14年目の新しいスタートを切るオルタの第一課題は毎号の編集内容充実であり、第二にはかねてから模索してきた動画中心の新メディア創出がある。第一については、老練なジャーナリストの元東京新聞論説主幹・元代表・現相談役宇治敏彦氏。気鋭のベトナム研究者で京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究科准教授の伊藤正子さん。36万人の組合員を擁し「食・エネルギー・介護」に取り組む生活クラブ生協理事長加藤好一氏。英国を本拠として全世界にネットワークを築きホームレスの自立を応援する雑誌『BIG ISSUE』の主宰者佐野章二氏。映像制作者として各種メディア・映画制作に活躍する澤口佳代さん。在日本法律家協会会長として活動する横浜国大教授柳赫秀氏。同志社大学教授岡野八代さん。韓国の生協運動家金キソブ氏など、多彩な方々が今月から新しく執筆者として、あるいは転載許諾者やインタービューに応じて下さる形でご参加下さった。
◎第二の新メディア創出については、本号で澤口佳代さんが端的に述べられるように、私たちの『メールマガジンオルタ』と生活クラブ生協がバックして発行する雑誌『社会運動』さらにホームレスを応援する雑誌『BIG ISSUE』の3メディアが夫々の持ち味を出しながら連携し、10万人の視聴者がいる独立した新媒体の創出を目指すことになった。『オルタ』は無料の月刊WEBメディアだが、『社会運動』は生活クラブ生協が母体である市民セクター政策機構が発行する有料の季刊・紙メディアである。雑誌『BIG ISSUE』は本号で主宰者佐野章二氏が説明されておられるように、2003年創刊で今日までの実売数が約741万冊、ホームレスである販売者に10億9,451万円の収入をもたらしているユニークな月2回刊・紙メディアである。当面の計画としては、澤口さんをディレクターとして週刊で『トレーラー』という名称で発信し、4月から6月までをテスト版発行期間として多方面からの意見を頂きつつ、7月頃に本格的なスタートをきる方針である。十分な準備のない試行錯誤のスタートとなるが皆様の暖かいご支援を頂きたい。
◎一強に胡坐をかく安倍政権も森友騒動の広がりには慌てて逃げ切りを図るが、多くの国民は政府の説明にまったく納得していない(毎日新聞調査・03.11. 納得していない75%)。国有地の格安払下げ・不透明な小学校の許認可などで肝心な書類は破棄されたとし全体像は流行語にもなった『忖度』の闇の中だ。TVショーとして耳目を集めたのは偽証罪のリスクを背負いながら100万円の授受を証言した籠池発言だが、多くの海外メディアが注目したのは幼稚園児に教育勅語を暗唱させ、運動会で『日本を悪者として扱う中国・韓国は心を改めて』『安保法制国会通過よかったです』『安倍首相頑張れ』などと唱和させる森友学園の異常さだ。この戦前教育の復活という時代錯誤思想で大阪の右派(日本会議)人脈が安倍を担ぎ昭恵夫人を名誉校長にして幼小一貫教育施設を創ろうとしながら破たんし、安倍が『妻から先生(籠池)の教育に対する熱意は素晴らしいと聞いている』との国会答弁を180度翻したのが内ゲバの始まりで、これが事の本質だ。これらについては本号の宇治敏彦『安倍首相は岸元首相の「戦前型愛国心」から脱却できるか?』および大原雄『日本会議と「原理日本」社と……』平良知二『深まる“戦前回帰”』・岡田充『かくも難しきアリバイ証明』などで詳説。
【オルタ執筆者著訳書新刊紹介】(1月~4月)
『いま言わずして』小榑雅章・宇治敏彦著・三恵社刊・1,500円
『落穂拾記』羽原清雅著・オルタ出版室刊・新時代社発売・2,000円
『独りじやダメなの』南雲智監訳・論創社刊・2,376円
『中国と南沙諸島紛争』朱建栄訳・花伝社刊・3,780円
『アメリカ帝国の終焉』進藤栄一著・講談社現代文庫・760円
【日誌】3月21日:エクセル東急・工藤寛治・野澤汎雄。22日:自宅・梅本肇。23日:自宅・及川智洋。27日:学士会館・北東アジア動態研究会・大久保勲・木村知義・林賢一。29日:自宅・『トレーラー』・白井・澤口・荒木・野澤。30日:プレスセンター・加藤孔昭・梅本肇。自宅・政党史研究の懇談・羽原・山口・浜谷・岡田・堀内・及川・梅本。31日:自宅・竹中一雄・大類善啓。
4月4日:広尾・黒川雅之建築事務所創立記念パーテー。5日:自宅・野沢。7日:プレスセンター・進藤栄一出版記念パーティー。8日:帝国ホテル・大森純子卒寿祝。10日:鎌倉霊園・矢野凱也墓参・しのぶ会・江田五月・初岡昌一郎。11日:東洋学園大学公開講座・朱建栄。12日:自宅・小林吉雄。14日:稲城・仏教に親しむ会。15日:松沢資料館・賀川豊彦カフェ。18日:東洋学園大学公開講座・鳩山由紀夫。議員会館・プログレス研究会。19日:プレスセンタ-・『中国と南沙諸島紛争』出版記念パーテー・朱建栄。
(2017.4.20)