■ 【北から南から】
台湾・花蓮便り
持続発展可能なNGOの里、花蓮の慈済ツウーチーへようこそ 王 珠 恵
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2012年2月末吉日午後5時、ソーシャルアジアフォーラムの日本の仕掛け
人で、事実上日本の世話役として長年ご奉仕された初岡教授とオルタ編集長の加
藤氏を、台湾の東部の花蓮で出迎えた。お歳を合わせると150歳を超える超高
齢者のお二人は、ラフな格好と小さなトランクという如何にも旅慣れている姿で
駅出口に立っていた。
1年ぶりの再会を喜び、娘と小学校1年生の孫娘をお二人に紹介した後、愛車
のインプレッサ―の後部にトランクを詰めて、さっそく我が家に車を走らせた。
我が家は駅から10分もしない中央山脈の山麓近くにある、田んぼの中に立ち
並ぶ5列ほどの3階建一軒家の家である。そのすぐ目の前の友人の民宿が先生方
の宿だった。快適な台湾式住宅である。
ちなみに家の近くの田んぼは二期作で、近くで買ったお米は炊きあがる前から
米の芳しいにおいがするぐらいに美味である。また、花蓮市隣りの花蓮県吉安郷
は日本植民地時代の日本移民村の第一隊が居を構えた場所であり、町全体は区画
整理されていて、そばにある慶修院という日本寺院には、植民地時代の写真が多
く飾られている。どうも美味しい米は当時移民と一緒に持ち込まれた米の苗から
きているらしい。
花蓮市のある花蓮駅は花蓮県にあり、県面積は4,628平方km、人口は約
35万5千人。450年ほど前、ポルトガルの水兵が台湾東部の沖合を航行中、
緑滴る美しい花蓮の海岸線を眺めてその美しさに思わず「Ilha FORMOSA」(イ
ラ・フォルモサ:『麗しき島』の意)と叫んだそうである。目の前に太平洋、西
側には雄大な中央山脈があり、海と山の壮大な美しさ、タロコ国家公園と東部海
岸や田園風景、雄大な玉山国家公園等などが楽しめる。
花蓮には証厳法師が創設した「慈済 TZU CHI ツウーチー基金会」
http://tw.tzuchi.org/ の本拠地があり、慈悲救済をモットーに、人間菩薩道を
46年間実践している国際NGO団体が運営する慈済大学と慈済病院、慈済静思
堂がある。慈済基金会は医療、教育、慈善、人文の4大事業と国際救援、骨髄移
植、環境保護、ボランティア活動などを精進実践している。現在50数カ国に支
部を持ち、東京支部 http://tw.tzuchi.org/jp/ を含め、60数カ国の天災事変
の救援活動を日夜続けている。
慈済はどこ国よりも早く被災地に赴き、重点的、直接的、スピーディで的確に
救援と復興活動を続けて、一番遅く被災地を引き払うことで、2003年国連の
NGO人道支援団体として承認された。台湾とインドネシアに2つのテレビ局を
持ち、世界中で大愛テレビのライブ放送が放映されている。テレビのライブ放送
は http://hichannel.hinet.net/event/daaitv/index.htm 。
(筆者は慈済大学副教授)
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