【読者の声】

羽原氏「戦争というもの」

栗原 猛


 初めてお便りをします。毎回興味深く読ませていただいています。
 今回は、羽原氏の戦争というものが興味が深かったです。戦争は被害を受けた自分たちだけのことだけでなく、相手の立場をも同じように考えなければいけないとありますが、その通りだと思います。またこの立場は入れ替わったりします。今の日本に大事なものはこの視点ではないでしょうか。実は小生も物心つかない頃の北朝鮮からの引き上げ者です。

 親父などの話しか経験談はありませんが、終戦の年の8月15日、北朝鮮の清津を発ち3カ月、徒歩で板門店につきました。その間の悲酸な話は、羽原氏が紹介されている「機密文書」と同じです。戦争について加害者と被害者の立場の双方から考え直してみることが今何よりも大事だと思いました。これからもご活躍をお祈りいたします。

 (元共同通信編集委員)
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